家庭や近所付き合いでは良妻賢母を装いながら、孝文の前では淫らな熟女を晒し出す史子。
孝文の激しい求めに史子も身悶え快楽を貪っていた。
そんな史子の体調に異変をきたしたのが妊娠で有った。
まさか!まさか!
思い悩んで史子は離れた所の産婦人科を訪ねた。
結果は、やはり妊娠で有った。
愛する孝文の子供が自分のお腹の中に‥
史子は思い悩んだ。
愛する孝文の子供を産みたい‥しかし現実は産める筈もなく、史子は禁断の愛と現実の狭間で悩んだ。
妊娠を孝文に告げようか‥孝文は何て答えるだろう?
夫に話そうか‥そうすれば孝文との事が知られてしまう。
結果は堕胎しか無かった。
史子は誰にも言わず再び産婦人科を訪ね堕胎の手術を受けた。
気怠い身体を引きずり家に帰ると、一気に涙が溢れた。
気丈に振る舞おうとしても、その日ばかりは史子も先に休み夫や娘の顔を見れなかった。
体調が戻ったのは一週間ぐらい経ってからだった。
その間も孝文からメールや電話で連絡は入ったが、史子は理由を付けて逢う事は無かった。
再度、産婦人科を訪ね史子は医者の勧めも有り避妊具を膣内に装着して貰った。
それでも暫くは孝文に逢う事は躊躇われ幾日か過ぎて行く。
高校生の娘は陸上部に所属しており、近県の学校が集まり競技会が開かれる日が近づいて来た。
夫も娘が通う高校の教師をしており、陸上部の顧問もしていた。
二人は週の半ばから週末に掛けて隣の県に行く。
当日の朝に史子は笑顔で二人を送り出した。
忙しく家事を進める史子が、ひと息ついた時にテーブルに置いた携帯にメールが入っている事に気づく。
孝文からだった。
逢いたい‥とのメール。
史子も孝文に逢いたいと思ったが、妊娠‥中絶が、どうしても頭から離れず、素直には成れなかった。
返す言葉を考えて居る時に携帯が鳴る。
史子は呼吸を整え電話に出る。
孝文の心配する問い掛けに史子は努めて明るく振る舞う。
久しぶりに聴く孝文の声‥孝文の息‥史子の感情が次第に激しく揺さ振られて行く。
史子は今日から週末まで、一人だと孝文に話す。
そこからは史子の心に孝文を求める気持ちに火が付いてしまう。
夕方に玄関のチャイムが鳴る。
そこには明るく笑みを浮かべる孝文が立って居る。
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