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(無題)

カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:SM・調教 官能小説   
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1: (無題)
投稿者: とんがり帽子
第一章
​深夜、湿った空気が纏わりつくアパートの一室。桜は、パジャマを煩わしそうに脱ぎ捨て、ショーツ1枚でベッドに沈み込んでいた。カーテンの隙間から漏れる街灯の光が、陶器のように白い肌を青白く照らし出している。
​ 彼女の手には、仄暗い画面を放つスマートフォン。そこには、『アブノーマルな関係』の「公開オナニー」スレッドが開かれていた。今夜のターゲットは、匿名の女性。実況に合わせて、匿名の男たちが下卑た命令を書き込んでいる。
​『鏡に向かって、もっと深く指を突っ込んでよぉ!』
『恥ずかしい顔をスマホで撮ってアップてよんっ。俺たちのために、とびきり卑猥な顔でなぁ』
『足をもっと広げて。あかりちゃんのその巨乳、俺たちに見せつけるようにして揉みしだいてよ!』
 ​桜の呼吸が、画面を追うごとに荒くなる。モニターの向こうで裸身を晒す女性への「指示」が、まるで自分に向けられた呪詛のように脳髄に突き刺さる。
​「……ぁ、あぁっ……っ」
​桜は震える指を、ショーツの上から自身の秘部へと滑り込ませた。しっとりとした湿り気が指先にまとわりつく。画面の中のやり取りは、さらに過激さを増していく。
​『いいぞ、そのままクリトリスを爪でなぞれ。もっと奥まで、俺たちの欲望を詰め込むみたいに掻き回せぇ!』
『このコやばっ!エロいわっ!』
​ 画面の文字が、視界の中で熱を持って蠢いている。桜は、自分の意思とは裏腹に、男たちの無数の命令をなぞるように、必死で指を動かした。彼女には絶頂という光を知る術がない。もどかしい、そして得体の知れない熱に圧倒され、喘ぐことしかできない。この先に何があるのか、怖くて進めない。知るのが怖い。でも知りたい。そんな矛盾の中で悶えるのだ。

 ​同じ頃、晴人は四畳半で同じスレッドを凝視していた。
画面の向こうで蹂躙される女性の姿に、興奮しまくっていた。
 晴人は自身の巨根を激しくしごきながら、こんな風に誰かを屈服させる妄想に深く沈み込んでいく。現実のバイト先で、自分より年下の女に注意されるたび、彼はオドオドと頭を下げているが、その内側では自分に服従し、淫らな顔で許しを乞う姿を詳細に描いては、己の欲望の火に油を注いでいた。


​ 翌日のバイト先……。
店内には先輩の事務的な指示の声が響く。晴人はいつも通り肩をすくめ、オドオドとどもりながら「す、すいません……い、今すぐやります……」とだけ返し、足早に作業へ向かった。 

​桜と晴人は、同じ深夜シフトをこなしているにもかかわらず、仕事に必要な最低限の連絡以外、言葉を交わすことはなかった。お互いが互いの内側に、底なしの暗い情欲を隠し持っていることなど、二人は知らない。桜はカウンターの陰で、先輩に叱責されてオドオドする晴人の背中を眺めながら、理由のわからない胸の震えを隠すために、そっと肉付きのいい尻に食い込む小さなショーツを細い指で整えた。
 
​ 店内の空気は、言葉を交わさぬ二人を隔てる距離によって、より一層、静かに淀んでいった。
 
2026/08/22 21:00:35(zNBbccEp)
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