①

夜の公園、便所の裏、壁を背にした一人の女が男たちに囲まれている。

「おい！豚！脱げ」

豚と呼ばれた女は、20年前、通っていた大学のミスコンで優勝した経験がある程の美貌を持ち、学業でも優秀な将来を嘱望された才女であった。
有名商社に就職しその後結婚。夫となった人物は起業するも不正が発覚して失踪し、女はその責と共に莫大な借金をも背負わされる事となり、売女に身を墜とすに至った。


女は鼻フックで歪んだ顔を、屈辱で更に表情を歪ませながら、おずおずと羽織っていたトレンチコートのボタンを外すが身体を見せる事に一瞬躊躇する。

「おい豚、止めてんじゃねえよ！」

男達から厳しい声が飛ぶと、女は男を睨みながら震える手でコートをゆっくりと脱ぎ捨てた。

ぼんやりと暗い街灯が麻縄で亀甲に縛られた中年女の弛んだ肢体を照らし出す。

女は屈辱と恐怖で全身をガクガクと震わせながら両手で身体を隠すが、それすらも直ぐに禁止される。

「隠すな！皆に見てもらえ！」

男に怒鳴られ、女は硬く目を瞑りながら両手を下ろし、醜く垂れた乳房と剃毛された陰部を男たちに晒す。

「うわー…」
「マジで豚だな…」

男達は冷笑しながら女を観察する。


「クソ…いつか殺してやるからな…」
女はそう吐き捨てて男達に憎悪の視線を投げながるが、直後リーダー格の男に強く頬を張られる。

「あぁ！？反抗的な豚だな！もう一編言ってみろ！」

二度、三度と頬を張られ、女の目に宿った憎悪の炎は消え、ブスブスと黒焦げた燃え滓の様な畏怖の目に変わる。

「ひゃはは。ひでー」
「反抗的な口は塞がないとな…ちょっと手伝って」

女は二・三人の男に押さえつけられると無理矢理口を開けられて、その日自分が履いていたパンティを捩じ込まれる。

「うーっ…ふーっ…」

口を塞がれて呼吸もままならずに、フックで吊り上げられた鼻の穴から鼻水が糸を引いてだらりと垂れる。

「きたねえなぁ…これはお仕置きか？」
ピシャリと乳房を強く平手打ちされる。


「うーっ…」
女は身体をくの字に折りながら痛む胸を抑えるが、力ずくで腕を組解かれは乳房を何度も平手打ちされ、垂れていた乳房は真っ赤に腫れ上った。


女は心が折れて肩を揺らせながら、惨めな姿でおいおいと声を出して泣き出す。男達はそれが余程可笑しいのか、ゲラゲラと声を揚げて笑った。