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スパ8完結
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:SM・調教 官能小説   
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1:スパ8完結
投稿者: (無名)
スパ8 完結

素足にローファーを突っ掛けた少女は、テーブルに戻り彼女のバッグを手にすると、視線だけで俺をドアの外に促す。
ログハウスを後に夜の空気の中をハイヤーに向かう俺と少女の姿を認めた初老の運転手は、制帽を外しながらドアを開け、自動車を降りて軽く会釈する。

「料金は戴いております・・」

姿を消した男の手配により、百キロ以内であれば、どこまででも乗せて行って貰え、好きな場所で降ろしてくれるらしい。

「・・・まで。」

珍しく言葉を発した少女が口にした場所、それは最初に出逢ったスパ。
仰々しくドアを開けてくれた運転手に促されるままに、少女、俺の順に後部座席の乗り込み座った。
自動車が静かに走り出す。
一般道からガラ空きの高速道路に乗り入れ、あっという間に目的地、スタート地点であるスパの前に着く。
走り去るハイヤーを見るともなく見送り、ふと見上げれば東の空が僅かに白み始めていた。

「あなたは何を、どんなことをしてくれるの?」

期待に満ちた瞳で微笑みながら問い掛ける少女。
何と答えれば良いのか俺には分からない。
くすりと笑った彼女は、手にした紙片を俺の手に握らせ、背を向けて歩き始めた。
10メートル程歩くと不意に少女は振り返り、何かを呟いたが俺には聞こえない。
だが唇の動きが示すのは最会を前提とした三つの音。
少女が歩き去った後、俺が手の中に残された紙片を開くと、そこには几帳面な筆跡でフリーメールのアドレスが書き付けられていた。




 
2019/05/25 09:25:30(8.wSpqC8)
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