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カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:SM・調教 官能小説   
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投稿者: (無名)
スパ6

男は少女を抱え上げると庭の隅に向かい歩き始めた。
近くに川でもあるのだろうか、せせらぎの音が聞こえる。
なだらかな坂道を1分も歩くと、目の前に小さな川が広がっていることに気付く。
だが普通の川ではない。
その証拠に流れの緩やかな川の水面は薄く煙っている。

「川じゃないんですよ。」

俺の思考を先読みしたように男は言った。
河岸に近づいて川面に手を浸すと、この時期にしては妙に水温が高いような気もする。

「もう少し上流に行ってみれば分かります。」

上流といっても歩いたのは1分に満たない。
途中から自分で歩き出した少女は、汚れて引き裂かれ、ボロ布と化したワンピースを腰のあたりに巻き付けているのみで上半身を隠すものはない。
歩きながらも少女の太腿をダラダラと伝うのは経血の混じる精液だろう。

「このへんですかね?」

男が言い終わらぬうちに少女は川岸に近づき、ワンピースの残骸を脱ぎ捨てると、そのまま川の中に入っていく。
俺も少女の後に続き川に足を浸けた瞬間だった。
明らかに水温が高い。
風呂ほど熱くはないが、川の水ではないことは明らかだ。

「温泉が湧いているんですよ。」

男は俺を追い越しながら川の中央部に向かう。
少女は、と見れば、俺の膝までしかない深さと覚しい場所に座り込み、腰まで川に浸かって手で身体を拭ぐっている。
一通り拭ぐい終えたのだろうか、相撲取りがする蹲踞のような姿勢で座った少女は、両手で股間を洗い流し始めた。
俺と男は少女から少し離れた位置に腰を下ろし、少女の行為を見守っている時だった。

「随分、待ちましたよ。」

声のする方を振り向くと、いつの間にか一人の男が近づいてきていた。
いや、一人、また一人と近づく人影は全部で七人、しかも女も混じっている。
まるで見えない壁でもあるかのように、七人の男女は一定の距離を保ちながら、思い思いの場所に腰を下ろす。

「ギャラリーですよ。この河原はオープンスペースなんです。」

見知った顔もあるが、名も知らぬ関係、一期一会の出会いが前提のメンバーだと男は語る。
髪を洗い流したらしく、濡れた髪を手櫛で水分を切りながら川から上がった少女の片手には、ボロ布、かつてワンピースであった、が握られていた。
不思議なことに、一糸纏わぬ姿を晒すことには抵抗があるらしく、片腕で胸を、残りの腕で下腹部を隠すような仕草をしながら、少女はある人物に向かって歩いていく。
ある人物、それは八十歳前後と思しき老婦人だった。
和風の作業着、作務衣というのだろうか、を身に着けた、地味ではあるが身綺麗な老婦人は皮肉そうな笑みを浮かべ、少女を見つめる。
少女は老婦人の前に立つと、足を肩幅に広げて立ち、身体を隠していた腕を下ろし、いわゆる自然体の姿勢を取る。

「やるのかい?」

問いかけられた男が頷くと、老婦人は足元に置いてあった荷物の中から何やら取り出し始めた。
何種類かの細い棒を数本、眼を凝らして見れば、それが筆らしいことに気付く。
小皿を二枚並べた老婦人は、ふたつのプラスチック製のボトルから各々の小皿に液体を注いだ。
ふたつのボトルから注がれる黒と朱の液体、それは墨汁であった。
 
2019/05/24 19:57:40(OLHPmAi8)
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