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1:部活の時間
投稿者:
有紀
◆C0.O2CxIMg
「何やってんだよセンセ。そこ指揮違うじゃん」
指揮台で下着姿で指揮棒をふる私に、容赦無い罵声が飛ぶ。 「ご、ごめんなさ、あんっ、いいっ、ああっ」 体のあちこちに低周波治療機がつけられ、クリにはローターが貼りついている。真っ赤な下着は、肝心なところが穴だらけで、下着の役に立ってない。 自分の意志とは関係なく踊る手足の筋肉に、私はたっていることすら困難になっていた。 「ちゃんと立ちなよ。見えないよ」 ひざがガクガクする。おしりの肉がブルンブルンと震え、おっぱいもぎゅっとにぎられるような衝撃がくる。 「も、もう、むりです、止めてください」 「そんなんだから、指揮間違えて賞が取れなかったんでしょ?私たちは先生の特訓に付き合ってるのよ?」 そう。夏のコンクールにおいて、私が今年から顧問を任された吹奏楽部は、10年連続金賞を受賞するはずだった。しかし、私の緊張からくる指揮のミスで、銀賞になってしまったのだ。だから、私は今、生徒の皆さんに鍛えていただいている・・・。 「申し訳、ございません、わたしの、せいであんっ」 「ちょっとー、まじめにしてよ。ほら最初から。」 容赦なく練習は続けられる。 コンクールの反省会で落ち込むみんなを慰めるため、私が提案したのだ。もっと私を鍛えてと。 部員は30名。高校1年から3年まで、男女の比率は半分。コンクールまでは、新米教師を中心にがんばってこれたのに。今では、私はみんなの憎しみの対象でしかない。 反省会の次の日は日曜日で、「鍛えなおす」という名目で、またみんなが音楽室に集まった。 緊張に勝つために、恥ずかしさを捨てるために、そんな名目で、私は真っ赤な下着一枚で指揮をさせられた。 全然できなかった。恥ずかしくて。 そしたら、翌週の日曜日に低周波治療機が設置された。動かない筋肉を動かすためだと。先生のためなんだと。 いつからか、首輪までつけられ、楽器の技術指導と称して、尺八まで。女生徒は、そんな犬みたいな私の姿を見て喜ぶ。 あぁ、またみんなでひとつになれたんだな・・・。そんな気がするんです。
2009/01/22 09:59:32(Wr7LVuQr)
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