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1:羞恥、揺れる心
投稿者:
ゆみ
どうして二度寝はあんなにも心地が良いのだろうか。せっかく目覚まし時計に起こされたのにあと5分だけ、その誘惑に負けて寝坊をしてしまったのだ。
もうっ 、バカっ……! 貴子はベッドから飛び起きて慌ただしく洗顔と歯磨きを済ませ、寝癖をムースで宥めるとドライヤーとヘアブラシでスタイリングを纏める。手早くメイクを整えるとパジャマを脱ぎ捨て、何かと便利なバルーンブラウスに腕を通した。 寒いこの時期は温かなコットン製の裏地の付いた、この丸みのあるブラウスは重宝する。男性には見た目に表からは分からないだろうけれど、裏側はフワフワとして体温で温められた空気が溜まり、二重の生地だから下着が透ける心配もない。 だからインナーを着る必要もなく、大きさにかかわらず胸の主張も隠せるのだ。 貴子は束の間迷って見た目にボリュームのあるこのトップスに合わせ、腰回りがタイトなスカートを選んだ。お腹周りから細く見えるデザインになっていて、お尻の下辺りからプリーツスカートのように蛇腹状になっているのが気に入っている。 お揃いのアウターに腕を通して今どきの丈の短いトレンチコートを身に纏うと、バッグを肩に掛けて玄関を飛び出して行った。 駅のホームに並びながら、ぼんやりと別れた彼のことを考えしまう。去年の今ごろは幸せだったのだから。 一人になった生活も慣れたはずなのに、夜になると独り身が寂しくなることがある。いま思えば別れた理由は些細なもので、どうしてあんなに感情的になったのかと今更ながらに後悔していた。 貴子はこの春で32歳になる。この先にまだいい出会いはあるのだろうか………と。 この日、複数人の男たちがこの駅に集結していた。サラリーマンの群れに馴染むようにスーツを身に纏い、散らばりながらお互いに目を走らせ、あるOLらしき女性に目を付けていた。 彼女の目線の先に電車に並ぶ列があり、そのOLより先に2人がその列に並ぶ。次いでそのOLが並んで残りの男たちが後に続く。 間もなく風を引き連れた電車がホームに到着し、OLの艷やかな黒髪を優雅に靡かせるのを眺めながら、準備に入った。 車両から吐き出される人がいなくなると、待機していた人の群れが次々に乗車していく。OLも男たちも続いて電車に乗り込んで、さり気なくOLの周りに包囲網を引いて鉄壁を形成するのだった。 ホームに発射を告げる電子音楽が流れ、ドアが閉まるとガクンッと体を揺らして電車が動き出す。 密集した人の群れが一斉に揺れて貴子の身体が、前後左右どの方向からもスーツに密着され、両腕を盾に胸を庇って空間を確保する貴子。 いつものことだけれど、これから40分ほどこの状況に耐えなければならないのだった。それにしても今日はいつもより密集度がきついな、そう感じた矢先だった。 お尻に硬い物が当たっている。その感触から正体が何であるかはすぐに見当がつく。朝から最悪なスタートになって、不快さに溜息をつきたくなった。男性の生理現象だとは分かっているけれど、気持ち悪いものは気持ち悪い。こんな経験は初めてではないけれど、男ってどうして堪え性がないのかと、悪態をつきたくなる。 貴子はハッとした。今度は手が触れたのだ。それでも我慢をするだけの度量を、身に着けてきたつもりだった。この程度のことは、日常茶飯事だから気にしていてはきりがないのだ。 でも今日はどうも雲行きが怪しいと、女の勘が告げている気がして仕方がない。そんな貴子の勘が無情にも当たってしまう……。 手の甲側が当たっていたはずなのに、明らかに手の平に今は変わっているのだから。 貴子は後ろに手を回しておもむろに誰かの手を振り払い、警告のつもりで後ろを窺うように首を曲げる仕草を見せつける。これで大抵の不届き者は怖気づく。けれどこの相手は違ったようだった。 振り払っては手をお尻に当て、これ見よがしに擦ってくるのだ。さすがに貴子も頭に血がのぼり、あからさまに振り向いて男を睨みつけてやった。 なんの特徴もない冴えない顔をした中年男性で、目を合わせないように明後日の方向に視線を向けている。 不意に身体の正面に圧迫感を感じた。眼の前に立つ男性が電車が揺れてもいないのに不必要に距離を詰め、密着してきたのだ。それだけでは終わらず、ジャケットの中に手を入れようとしてくる。 貴子は咄嗟にその手を掴み、払い落とし鬼の形相で男を睨みつける。 どこぞの企業に勤める管理職といった感じの、やはり中年男性が目を合わせないようにしている。 今度は後ろで男がスカートの裾を掴み、捲くり上げようとしてくるのを阻止しなければならず、そのことに気を取られていると前で胸に触れてくるではないか。 後ろと前から痴漢をされるのはさすがに貴子といえど経験はなく、人の注目を浴びるのは本位ではなくても、本気で声を上げようか決断を迫られていた。 なのに………。 左右からも身体に触れてくる何者かの手が、新たに増えたのだ。悩んでいる暇はなく、片っ端から執拗に触れてくる手を振り落とし、攻防戦となっていく。 正確な時間は分からないけれど、10分以上は続いていたのかもしれない。ひとりで複数のしつこい手を相手にしていてはいつまでも集中力は続かず、心がすり減り減ってしまう。怒りの炎が萎んでしまうのも時間の問題だった。 代わりに不安と恐怖心がめきめきと育ち、抵抗する力が抜けていく。複数の手を払いのけることができなくなると、前後の男が協力してスカートの裾を掴み、下半身を露出させてしまった。 貴子の正面にいる男がすべすべしたバンストの上から股間に手を当て、指を上下に擦り始める。 後ろにいる男はバルーンブラウスの裾をスカートから引き抜き、ブラジャーのホックを解除してしまう。胸の上までブラウスを捲くり上げ、ブラをずらして前の男に豊かな乳房を見せつける。 アンダーから上へと人差し指、中指、薬指、小指の順に這わせては同じことを繰り返し、指の腹が薄い茶色の乳首を押し倒していく。倒れては起き上がる乳首が次第に硬さを増し、突き出るように主張をはじめていた。 指の感覚でそれを自覚した後ろの男は指の間に挟み、親指の腹で先端を優しく撫で回すことに切り替えた。貴子は顔を横に背け、固く目を閉じてなされるがまま耐えていた。 嫌悪感が心を頑なにさせ、不安と恐怖が羞恥心を増強させていく。前にいる男が唇を舐めながら、バンストを破り引き千切る。下着の上から中指を中心にして秘裂に這わせ、上下に擦りながら時おり振動させるテクニックを駆使して貴子の反応を窺い見る。 下げた腕の先の手を握りしめていた貴子の手が、いつの間にか緩んでいくのにそう時間はかからなかった。的確にポイントを捉えた刺激が段階的に貴子の顎を上にあげさせ、男に喜びを与えていく。 貴子の肩越しに目を合わせた男たち。前にいる男があまりに物欲しそうにするものだから、片方の乳房を明け渡してやった。嬉々として乳首にむしゃぶりつく男の舌の動きが貴子に新たな刺激を与え、嫌嫌をするように貴子が頭を振る。 片手が自由になった背後の男が、下着のクロッチをずらして指先を忍ばせる。たっぷりと分泌液で濡れた秘裂の中を確かめ、指先を埋没させていった。 キュッと締め付ける入口を潜り抜け、中を確認しながら抜き差しを開始する。男の指には亀頭を模した指サックが装着され、否応なくその恩恵を授けるように動かすだけでいい……。 乳首の愛撫、クリトリスへの刺激、膣の中……。 3点責めを受けて電車の走行音も耳に入らなくなり、目を閉じて恍惚に染まった貴子の顔が真上に持ち上がっては、唇をゆっくりと開けていく。 まるで首を支えられないとでもいうように横に傾け、俯けては顎を持ち上げる。亀頭型の指サックを装着した指をゆっくり動かして、貴子の感じるポイントを探り出した男が、ニヤリと笑う。 両方の乳房を放棄した男は貴子の腰を掴み、手首のスナップを使ってさらなる高みを狙う。前では交互に乳首を唾液まみれにする男が、抜かりなくクリトリスを可愛がることを忘れはしない。 刺激しすぎないように貴子の反応を見ながら加減を加え、極上の快感を注ぐのだ。一方で後ろの男は親指、薬指、小指でお尻の肉を支え、挿入させた人差し指と中指を第二課まで埋めて抜き差しを継続。次第に締まりを強める膣壁が指に圧迫感を覚えさせ、貴子が腰を落とすものだから難儀をさせられる。 ここでいかせてもいいのだけれど、それでは面白くはない。リスクを考えれば懸命とは言えないけれど、感度の良い食べごろの女を目にして抑えきれなくなったのだ。 男は仲間内で主砲と揶揄させる17.5センチもあるペニスを取り出した。貴子は覚えのある感触をお尻に感じて抵抗を試みようとしたけれど、できたことは身を軽く捩ることがせいぜいだった。 あんなにクリトリスを弄られていては、快感を振り払える女はどうかしている。 お尻の谷間を上から何かに撫でられ、股の下に突き入れられる。貴子は必死に片手で後ろの男を押し退けようとするが、力が入らない。入口にあてがわれた感触の直後、息が詰まった……。 ぐっ……ぐぐっと熱を帯びた杭が押し入ってくる。 眉間に皺を作り奥歯を噛み締める貴子がやっと息を吐き、子宮の入口に何かが接触したのを感じていた。 大きく腰を引くことは叶わない状況で、男は可能な限り身体を揺らさないように短いストロークのピストンを開始する。 指サックで中を散々刺激されていた膣壁はすぐに順応を見せ、ペニスに合わせて絡みつく。 まるで海をたゆたうようにまろやかな快感に包まれて、子宮の入口を突かれるたびに切なくなる。 貴子は辺りを見回した。スーツに身を包んだ男ちに囲まれてはいるが、隙間がないわけではない。 所々にしっかり隙間があり、何なら電車の揺れで明らかに男たちの仲間とは思えない人の顔が、見えるではないか。 恐らくは貴子の姿は首から上しか見えないのかもしれない。でも何かの拍子で見えてしまうかもしれない、そう思うとおかしくなりそうになる。 ブラウスも下着もずらされて露出した胸を好き勝手にされ、スカートも持ち上げられて後ろから貫かれているなんて、こんな姿を絶対に見られるわけにはいかない。 正面にいる男に目で必死に訴えてもそもそも視線を合わせてはもらえず、条件反射で顎が持ち上がる。やめて、お願い………そんな貴子の願いは無視されてしまう。 焦りも不安も紅茶に溶ける角砂糖のように姿形が無くなり、淡々と動かされるペニスの魅力に掻き消されていく。 後ろから胸を鷲掴みにされながら乳首を摘まれまれ、前からは相変わらずクリトリスを撫で回される。両手が自由な前の男は包皮を持ち上げ、露骨な愛撫に移行する。あまりに気持ちよくて男にしがみつき、肩に顔を埋めて声をどうにか誤魔化すしかない。 締め付けられた後ろの男は苦悶を浮かべながら腰を動かし、腰を捩る貴子の腰を押さえつける。 その時、貴子が身体を弾ませて短い痙攣がはじまった。 後ろの男が前にいる男を睨みつけ、やってしまったと前にいる男が済まなそうな表情を見せる。 クリトリスは敏感だからオーガズムに導くと、周りにバレる危険がある。生かさず殺さずが基本なのだ。彼にはペナルティとして、協力をする義務が発生したことになる。 十分にそれを自覚する前にいる男は貴子への手出しはしなくなり、後ろの男の手助けに回った。 貴子の身体を支え、しがみつくままにさせるのだ。 それでも小さな喘ぎ混じりの吐息を耳元に聞くことは至福であり、乳房に触れることはできる。 アイロンから吹き出す蒸気のように熱い吐息が男のYシャツを湿らせ、後ろの男のペニスに酔いしれる貴子の乳房を揉みしだく。 前後の男たちに挟まれた貴子は腰を突き出す楽な格好もすることはできず、前の男にしがみつきながら肩に埋めた顔を時おり持ち上げ、弾かれたように顎を跳ね上げる。 ペニスの短いストロークに慣れた身体は、速度を少しだけ上げた地味なピストンに敏感に反応を見せる。17センチ越えの男の長いペニスは腰を突き出されなくても、奥まで楽に届いてしまう。 カリ首から数センチ過ぎた辺りで反り返り、膣壁を強かに擦りながら第1のポイント、Gスポットを刺激する。 そのまますぐ奥のポルチオにぶつかり、快感の折り重ねを作り出す。ぐっ…っと堪えるように俯く貴子が、息継ぎをするように男の肩から顔を持ち上げ、堪らないとでもいうように恍惚とした表情を浮かべる。 切なげに見える顔で時おり口を開け、目を閉じながら吐息を漏らす……。 少しづつ、少しづつ近づく限界に喘ぎ、どこかの駅に到着し、人の乗り降りがある中でも膣の中のベニスが揺れ動く。 不意に貴子が背伸びをするように身体を硬直したかと思うと、前の男に体重を預けて脱力してしまった。貴子はこんなに地味な許容を越えさせられたセックスは、経験がなかった。 まるで一本のの線の上を歩かされ、足を踏み外そうものなら奈落の底に転落してしまうような緊張感と、スリルに耐えなければならないのだから。 思い切り突かれたい歯痒さの中に焦れったい快感が潜み、悪い細菌が身体に回っていくように、やがて我慢ができなくなってしまう……。 男は感激していた。膣の奥の周辺がうねうねと妙な蠢きを見せ、1度だけこれを味わったことを思い出したのだ。その時の女も散々焦らした挙げ句にオーガズムを迎え、膣の奥を蠢かしたのだ。 男は貴子がまだ快感の残像を残したままなのに、ベニスの躍動を再開させた。息を詰まらせた貴子は肩を怒らせて快感の享受をし始め、また官能の海へ出航していく。緩やかなうねりを見せる水面上をたゆたいながら、いつの間にか自らお尻を後ろの男に寄せていく。 子宮頚部にペニスが幾度も接触し、声が出そうにはなると貴子は自らの指を噛んだ。 理性も道徳心も、今はどうでもいい。 ただ、欲しいのだ。 膣の奥に広がる、あの温もりを……。 どうやって電車から降りたのか、記憶がおぼろげにしかない。気がついたらトイレの個室にいて、便器に座っていたのだ。 破れたパンストは脱ぎ捨て、下げたショーツには精液がたっぷりと染み込んでいる。無論その出所はあの男であり、自分の膣の中からなのは言うまでもない。 簡単な処理を済ませ、バッグから替えの下着を取り出す。貴子には想いを寄せる人がいて、思いがけずその日を迎えたらと思って忍ばせていたのだ。笑ってしまう、こんなことで使うなんて……。 自虐的な気持ちで同じく替えのパンストを出して履きは変え、病院の予約を取った。 こんな事になって喜んではいない、喜べるはずがない。なのにどうして、悲観的な気持ちにならないのだろう。 分かっている、堪らなく良かったのだ。 こんな不条理でなければ手放しで喜べたのに……。 まだ貴子の子宮頚部にはペニスの感触が残っている。頭から振り払っても体の奥が記憶して、忘れさせてはくれない。 貴子は溜息を1つその場に残し、個室を出ていった。 汚物箱の中に丸めたバンストと、精液の染み込んだショーツを残して。 その日の仕事は手に付かなかったのは、言うまでもない。 手の空いたときに思い出してしまうのだ。 あのいつ終わるかも分からない、電車内で注がれ続けたあの快感を。 どうかしてしまったのだろうか、私は……。
2026/01/13 00:34:06(lr/nUfWU)
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