ようこそゲストさん。
ナンネットIDにログインしていません。
ID: PASS:
IDを保存 
ナンネットIDは完全無料のサービスです。ナンネットIDを取得するとナンネットの様々なサービスをご利用いただけます。
新規登録はこちら
ID・パスワードの再発行はこちら
赤いリボン
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:人妻熟女 官能小説   
投稿の削除 パスワード:
1:赤いリボン
投稿者: 佐藤綾乃
プロローグ
彼女の身体に、冷たい指先が触れる。
誰のものかもわからない。
視界をマスクに遮られ、両手を拘束され、口には沈黙のギャグ。
(痛い……怖い……でも、違う)
それは恐怖ではない。彼女が選んだものだ。
誰に見られているか、誰に抱かれているかさえわからない状況で、ただ一人にだけ見せる淫靡な乱れを演じる。
愛しているから、壊れていく。壊れてみせる。
(あの人、見てる……? 見てるよね?)
背後から、無言で拡げられる太股。乳房を這う舌、割れ目に滴る唾液。ねじられ肥大する乳頭。根元を縛られ充血した陰核。
何人いるのかも、もう数えられない。
(どうして……あなた、なにも言ってくれないの)
彼女は激しく泣いた。

一、夜の吐息
子どもが巣立ち、久しぶりに訪れたふたりきりの夜。
長い時間、夫婦という役割に埋もれていた彼女が、少しずつ「女」に戻っていくのが、はっきりとわかった。
「ねえ、どう? ちょっと痩せたのわかる?」
そう言って、鏡の前でポーズをとる彼女は、かつてよりも艶やかだった。髪を軽く染め、肌の手入れも怠らない。下着のラインが浮かぶ競泳水着に身を包み、こちらを見つめる目には、確かに何かが宿っていた。
あの頃よりも、互いをよく知っているからこそ、生まれる緊張感。触れるたびに、鼓動が早まる。
ローションをひとすくい、肌と肌のすれ違う音が部屋に満ちる。彼女は目を閉じ、わずかに腰を揺らす。
「まだ……終わらないの?」
その声に、もう何も言えなくなる。
夜は、ふたりだけの時間を静かに照らしていた。
月が鈍く笑うように浮かぶ、深夜の公園。
冷えた空気の中、彼女は白いロングコートの下に、
私が選んだハイレグのレオタードを着ていた。
足元には黒いパンストと、14センチのピンヒール。
少し歩いただけで、かかとからの震えが伝わる。
「こんな格好……バカみたい」
そう呟く唇は微かに笑っていた。
人の気配のない自販機の前で、彼女は足を開き、手を腰に当ててポーズをとる。
暗がりの中で、フラッシュが彼女の瞳に反射し、まるで獣のような光を宿す。
「撮って……ちゃんと綺麗に撮ってね」
その声には、羞恥と悦びがないまぜになっている。
私は何枚もシャッターを切りながら、彼女の横顔を見つめていた。
——あぁ、ほんとうに美しい。
夜にしか咲かない花のように、秘めた何かがこの人の奥からこぼれてくる。
やがて彼女は、「もう、いいでしょ?」と息を切らして言った。
「もう少し……もう一か所だけ、付き合ってくれないか」
私はそっと言い、彼女の手を引いた。
向かったのは、車で数分のところにある、アダルトグッズ専門店。
「こんなところ……入ったことないわよ」
「大丈夫。俺が一緒だ」
彼女は肩をすくめながらも、私の腕をぎゅっと握った。
上着のボタンはわざと留めず、開いた胸元から押し上げられた乳房が深い谷を刻んでいる。
店の中は、静かすぎて逆に鼓膜に響くようだった。
陳列棚に並ぶ玩具や下着、どこからか、媚薬のような香の強い香りがする。
どれも滑稽なほど露骨で、それがかえって、この非日常の世界を美しく映していた。
「これ……何に使うの?」
彼女は縄の束を手に取り、私を見つめた。
「君を、もっと綺麗に飾るために」
そう答えたとき、彼女の瞳がすっと細くなった。
レジを通るとき、彼女は少しだけ、身体を私に預けてきた。
店を出る頃には、羞恥のヴェールをくぐり抜けた女の顔になっていた。
夜が深まっても、ふたりの静かな鼓動は止まらなかった。
この夜は、ふたりだけの秘密——
そしてその秘密こそが、私たちを繋ぎ直してくれているのだった。

二、羞恥の鏡
店内の照明は、思っていたよりも明るかった。
壁に沿って並ぶ陳列棚には、鮮やかなパッケージが所狭しと積まれ、まるでアートギャラリーのように淫靡な色彩で満ちていた。
彼女は、小さな鞄を抱えたまま、私の一歩後ろを歩いていた。
けれど、ふと立ち止まった私にぶつかると、息を呑むように声をひそめた。
「……誰か、いる」
店の奥に、若い男が二人、こちらを気にしている様子があった。
それでも彼女は、歩みを止めなかった。
まるで、自分でも気づかないうちに、足が前へと進んでしまっているように。
私は小さなパッケージを手に取る。
ヴァイブレーター。音も静かで、防水。クリトリスに吸い付き、膣内を振動させる。
彼女の耳元で、囁く。
「この色……君の肌に似合うと思う」
「やだ……そんなこと、ここで……」
彼女の声は震えていたが、それは怒りでも嫌悪でもない。
私は知っている。この人が感じているのは、“見られている”かもしれないという、ほの暗い陶酔だ。
彼女の背に回り、そっとコートの内側に手を差し入れる。
温かく、柔らかい背中。
レオタードの生地越しに伝わる、わずかな湿り気。
「ずいぶん、濡れてるよ」
「……嘘。そんな、わけ……」
否定の声は、小さな子供のように頼りなく、熱っぽかった。
棚の奥から誰かが覗いた気配がする。
彼女の頬が染まり、肩が小刻みに揺れた。
——見られているかもしれない。
——でも、もう立ち止まれない。
——むしろ、見られている“かも”しれないことで、感覚が研ぎ澄まされていく。
「もう、帰りましょう」
と彼女は言ったが、その足取りはまっすぐレジに向かっていた。
会計を待つ間も、彼女は決して視線を上げなかった。
だが、私は気づいた。
小さく開いた唇、熱を帯びた頬、かすかに震える指先。
理性の奥で、抑えていた何かが目を覚ましていた。
「……私、ヘンだね」
店を出たあと、彼女は私の手を強く握った。
「ううん」
「君は、綺麗だったよ」
闇の中に、彼女は確かに花のように浮かび上がっていた。
それは、日常のどこにも咲いていない、夜にしか開かない、ひとつの秘密。
三、渇きの在処
アダルトショップを出たあとも、彼女は私の手を握りつづけていた。
その指先は、ずっとかすかに震えている。
寒さではなかった。むしろ、熱を帯びた体内に、夜の風が触れるたび、
全身が敏感に波立っているように思えた。
「……今、変だったよね。あたし」
車に戻る途中、彼女はぽつりとこぼした。
街灯の光が、頬の線を柔らかく照らす。
「何が?」
「見られてるって、わかったのに……怖くなかった。むしろ……」
そこまで言って、彼女は言葉を止めた。
けれど、その続きを言わなくても、私はもう知っていた。
あのときの彼女の息づかい。
頬の火照り。コートの内側で濡れていた、レオタードの下の秘密。
それらは、否応なく彼女自身が欲望に目覚めている証だった。
「ねえ……もう一か所、寄り道していいかな?」
私のその言葉に、彼女は迷わずうなずいた。
向かったのは、誰もいない高台の展望公園。
深夜二時をまわり、街はすっかり眠っている。
街灯がところどころ切れた遊歩道は、まるで舞台の袖のように、
何かが始まる予感だけを孕んでいた。
私は彼女のコートをそっと脱がせ、後部座席に座らせた。
生地の薄いレオタードは、夜の冷気に浮かび上がるように透け、その内側のすべてを、想像させていた。
「……こんなところで……」
「さっきの店より暗いよ。誰も来ない」
私はそう言いながら、バッグから小さなヴァイブレーターを取り出した。
さっき、彼女が棚の前で黙って選んだものだ。
スイッチを入れると、わずかに震える音が、夜の静けさに溶ける。
彼女は小さく身をすくめながら、腿を閉じ、でも逃げようとはしなかった。
「だめ……こんな、外で……」
「嫌じゃないんだろ?」
その言葉に、彼女は瞳をそらし、小さく唇を噛んだ。
ヴァイブレーターをレオタードの股間に押し当てると、彼女はびくりと腰を跳ねさせた。
生地越しに伝わる震えは、まるで彼女の心そのものを撫でているかのようだった。
「見られたら……」
「そのほうが、気持ちいいんだろ?」
——沈黙。
けれど、すぐに彼女の唇が、震える声で答えた。
「……かもしれない……いや、もう……そうかも……」
夜の空気が、二人の間に濃く降りてくる。
彼女は自ら腿を開き、ヴァイブレーターを呑みこむようにして、レオタードの股間で固定した。
唇を塞ぐことはなかった。
その小さな吐息が、夜に散り、私の中に火をつける。
誰かに見られるかもしれない。
誰かが、車の窓の向こうに現れるかもしれない。
その恐怖と、もっと深い場所で膨らむ悦びが、
今の彼女を一枚、また一枚と剥がしていく。
「……次は……どこに、連れていくの?」
そう尋ねる声は、微熱を帯びていた。
彼女の中に芽吹いたこの渇きは、きっともう、
止められない。

四、沈黙の灯

帰宅したのは、午前三時過ぎだった。
街はまだ眠っていたが、ふたりの間には目覚めたままの熱が、脈打つように残っていた。
玄関のドアを閉めた瞬間、彼女はゆっくりと振り返った。
レオタードの肩リボンがずり落ち、素肌が露わになる。
私の目を見ながら、わずかに首を傾け、囁いた。
「……このままじゃ、終われない」
それは、はっきりとした意思だった。
羞恥に染まりながらも、自分の中にある新しい欲望を、
彼女はもう否定しようとしていなかった。
リビングの灯りは落とし、スタンドランプだけを灯す。
薄暗い部屋の中で、私は彼女を椅子に座らせ、手首を後ろ手に結んだ。
さっきのヴァイブレーターをそっと太ももに挟ませると、彼女は小さく息を呑んだ。
「……また?」
「再現じゃない。これは“記憶の続き”だよ」
スイッチを入れると、震えが走る。
股間から伝わる刺激に、彼女は身体を揺らしながら、顔を伏せる。
「恥ずかしい……でも、やめないで……」
その言葉に、私は彼女の顎をそっと持ち上げた。
「君のその顔が、一番綺麗だ」
彼女の唇が開き、声にならない喘ぎが漏れた。
私たちは言葉でなく、表情で、吐息で、指の温度で会話していた。
そして彼女が、わずかに震える声で言った。
「……ねえ、もし……誰かが見てたら、今の私を……どう思うと思う?」
私は答えなかった。
代わりに、ポケットからスマホを取り出し、
今夜の公園で撮った一枚の写真を、彼女の目の前に差し出す。
レオタードの股間に浮かぶ濡れ跡、透けて映るサーモンピンクの玩具。
頬を紅潮させ、レンズに気づかぬままの彼女。
彼女は、その写真を見たまま凍りついた。
そして、ほんの少しして——静かに、微笑んだ。
「もし……もし、本当に“見せたくなる”ようになったら……あなた、止められる?」
それが、次の扉を開ける合図だった。
 
2025/07/22 22:32:46(UCfPMtS8)
コメントを投稿
投稿前に利用規定をお読みください。
名前
メール
本文
スレッドを上げない
画像認証

上に表示されている文字を半角英数字で入力してください。
 
官能小説 掲示板
官能小説 月間人気
官能小説 最近の人気
動画掲示板
画像で見せたい女
その他の新着投稿
人気の話題・ネタ
ナンネット人気カテゴリ
information

ご支援ありがとうございます。ナンネットはプレミアム会員様のご支援に支えられております。

Copyright © ナンネット All Rights Reserved.