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美智子花伝
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:人妻熟女 官能小説   
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1:美智子花伝
投稿者: 景清 ◆gasRiwP/bk
1.a

「本当に覚悟してきたんだな?」

八月初旬、暦の上では立秋を迎えようとする頃である。
数奇屋風の大きな屋敷。それを取り囲む広い庭には、縁起の良い樹木の他に、
ヒメシャラ、ヤマボウシ、コナラなど、夏に花を咲かせ庭を彩る木々も植わっている。

「…はい。」

庭木全てに張り付いて鳴いているのか、と思うぐらい大きな音量が耳をつく。
縁側に繋がるガラス障子は閉め切ってあるが、外のガラス戸は開けっ放しである。

「…聞こえねえし 」
男はもう一度煙草を吸い込むと、日が射す明るい庭の方へ長い煙を吐いた。
その横顔は、年の割りには落ち着き払っているものの、肌ツヤ、輪郭などは、
大人のそれとは違い瑞々しく張りがあり、無駄な脂も着いていない。

主に金色でプリントされた、白地のタンクトップから伸びる鍛えられた腕や、
生地に張り付いた隆々な胸板、そしてその露出部分から窺える肌色は、
締まった肉体の仕上げとでも言ってもいい、小麦色を遥かに超した土色に
染まっている。

上と揃いの白いハーフパンツが汗で腿に付くのか、左膝の裾を引っ張りながら
足を組み替え、ついでにエアコンのリモコンを手に取る。
無造作に調節ボタンを押すと、電子音が二度鳴り座敷の天井の照明横の吹き出し口から
冷風が降りてきて、外から漏れ入る熱を押し返す。

つい五分ほど前まで、冷房全開で閉め切った仏間で横になり、うたた寝していた男であったが、
今は仏間の襖を開け放ち、隣の座敷との境界を無くしている。

客の来訪を聞いたあと、大きなあくびをし、客人を迎えに行く様子もなく、煙草に火をつけ
しばらくその大きな体をほぐすかのように、左右に揺すった。
立ち上がると、襖を左右に開け、仏間の座敷机に腰掛けたのである。

無垢な欅で作られた高級な卓にどっかと座り、足を組んで煙草を吸うその様子は、客人を待つ姿とは程遠い。
少し汗じばんで痒いのか、何度か指先を入れ掻き上げた。
その髪の色や髪型、首から胸に垂れ下がるチェーン、服装を含めるとどこの街にも必ずいる、
あまり関わりたくない、一般人なら誰もが嫌悪するであろう少年…
いわゆる彼は、札付きの不良であった。

男の目の前、といっても二つの部屋を分けていた襖の溝から、畳を横に二つ分程
先にその女は正しく座っている。

この家の家人に連れられ座敷に案内された女は、用意された座布団を横にずらし、畳の上に慎ましく正座しているが、
その大広間とも呼べる座敷にはテーブルなどの調度類は無くほぼ正方形の空間で、替えて間もない畳の端に午後の光を浴びた
庭木の影が薄っすら映っている。
冷たい物も用意されておらず、もてなしはエアコンの冷風だけである

第三者が見れば法要のあとの一コマに見えるかも知れない。
二部屋合わせて三十畳近い和室の清められた空間。蒔絵や飾り金具で華麗な装飾を施された、
金塗りの大きな仏壇が男の奥に見えるからだけではない。

服装がこの女の上品さをこの上なく演出させている上質な素材の…黒色のサマーフォーマルだからである。

目線は男の爪先辺りであろうか。少し潤んだ眼差しを隠すように長い目尻の目を細め、
その上瞼のすぐ上にセクシーに整えられた眉の間に、微かな隆起をつくっている。

その深妙な面持ち、強く結んだ唇からこの度の覚悟が窺い知れるのであるが、
目の前にいる剛は、その艶熟した女の方に向き直ると、首を左右にふりポキポキと鳴らしながら
最後の一服を吸い終えると灰皿に押し付け、

「よしっ」
と両膝を掴み立ち上がり、ゆっくり女の方へ歩み出した。

ゆうに180cmを超える身の丈、楽々鴨居に手を付け見下ろす男、
大村 剛 十八歳 藤和学園高校 三年生は、女の側に立つと座布団を足で手繰り寄せ、
「よっこら…しょっ」と胡座をかき薄笑いを浮かべ女の横顔を見つめる。

剛の目と鼻の先でさっきよりやや目線を上げ、前を見つめる女、美智子。
剛とは親子ほど年齢の違う四十二歳であるが、ベテランCAのように全てアップした前髪を
丁寧に編んだセミロングの後髪とすっきりまとめ、襟足を出したスマートなヘアスタイル
に露出された顔は、ナチュラルなリキッドメイクで艶肌に仕上げられている。

そして何より、この日選んで着て来たタイトなフォーマルな服装に隠れてはいるが、
その整った顔と同じぐらい目を引く豊かな胸、薄い黒のストッキングに包まれ、
畳の上に上品に重ねられた足裏の踵に突き刺さる、バストよりも一回り大きな臀部は、
一年間この男の精を受け続けた賜物…剛の作品である。

前を向く視線の左端に、剛の厳つい輪郭が映り込むと、自然に美智子の首は視線とともにゆっくり右方へ曲がった。
その視線の向こう、ガラス障子の先に、一輪残っていたヤマボウシの小さな白い花が落ちるのが見えた。




2014/05/28 00:55:51(se2F2V25)
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