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学習塾
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:人妻熟女 官能小説   
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1:学習塾
投稿者: えりまきとかげ


ジリリリリリリリ~~~

終業合図のベルにも席を立つ児童は皆無だ・・席を立つばかりか机に開かれたテキストから顔を上げる者さえいない・・授業と授業の合間の十分間の休憩時間だったがこの時間を利用するのは生徒ではなくむしろ講師の方で私たち講師はこの時間に授業の引き継ぎ・・そして次限の準備を整えて教室を移動する・・こうした十ばかりの教室を繋ぐ細い廊下にはトイレに向かう生徒に出会う事はあってもそれさえも稀で行き交うのは私たち講師たちばかりだ・・彼ら生徒は小学校の五年生と六年生・・それぞれが学校を終えた午後の四時から・・九時過ぎまで・・毎日・・毎日・・ここでみっちり講義を受け続ける・・そうここに通う生徒たちは付属や私立の名門中学への受験を志す幼い受験生なのだ・・

「朝川先生・・渡井先生がまた・・」

六年生の授業を終え廊下へ出た私に大学生のアルバイト講師である村川佳菜が駆け寄って来た・・

「教頭は?」

村川から教頭の不在を確かめただけで大よその事態は聞かなくても飲み込めた・・

教員室の扉をノックして中へ踏み込むと暖房が行き届いて熱いくらいの閉め切った部屋に漂う白っぽい煙とタール臭が直ぐに鼻先をかすめた・・

「渡井先生・・教員室は禁煙ですよ・・」

大きな部屋の半分にも満たないスペースに席を並べた一クラス二十名編成の教室に比べて鰻の寝床のような教員室は無理があるほど狭く窮屈だ・・そんな縦長の教員室の中央にはデスクが向かい合わせで配置されそれぞれの壁際は教員同志がすれ違うにも身体が触れ合うほどに細長い・・廊下側の列は私や村川が担当する算数科の教員の列・・対する窓側の列は国語科と理科科の講師が並ぶ列に分けられている・・休み時間の教員室には八割方の講師が教室から戻っていたがそんな窓側の列の最奥の端のデスクに堂々と灰皿を持ち込んだ国語科講師の渡井絵巳は極端なメタボ体系で椅子の背もたれにふんぞり返るような無遠慮な体制で天井目がけて高々と白煙を吹き上げていた・・煙草はもちろんだが狭い通路でそんな体制でふんぞり返られては誰もそこを通ることが出来ない・・狭いのが悪いのもあろうが余りにも協調性のない態度だ・・廊下側の算数科の列の最奥の自分の席まで進んだ私は真正面で執拗に喫煙を続ける渡井に向かって再度・・禁煙を求めると・・ようやく灰皿に煙草を押し付けながら・・

「ぼっちゃんも偉くなったら偉そうになったな・・教員室は禁煙ってここはどこだって禁煙だろうが!」

忌々しげな視線で睨み付ける渡井とは目を合わすのを避けこの最奥の私達のデスクとコの字で向かい合うきちんと整理された教頭席の主はまだ戻っておらず・・こんな時に決まって起きる渡井の問題行動はもしかしたら私への当て付けなのかも知れないかった・・

・・私・・朝川静男がこの塾へやって来たのは今から十余年前・・都内の大学を卒業してまもなくの事だった・・当時・・都立の小学校の教師を志していた私だったがなかなか採用が決まらず・・さっきの村川佳菜のように腰掛け程度アルバイトの積りでここへやって来た・・当時のここは今の半分にも満たない小さな塾だったが・・優秀な進学実績を積み重ねた結果徐々に規模を膨らませて来た・・私の方も指導実績を評価され腰掛けの積りが本雇として居続けることに成り三十五のこの歳まで長く進学指導に携わって来た・・私はどちらかと言うと生徒自身の自主性を引き出す教育を心掛けて来たが当時のここは体育会系の教頭を筆頭としたスパルタ教育を基本として来た塾でそんな指導方法の違いから・・ややもすると浮き気味の私だったが実績主義の教頭からも目を掛けられた事もあって何とか続けて来られた・・と言うよりも・・時代と共に世間での教育に対する意識の変化で徐々にスパルタ教育からの脱皮を迫られる中で私を見下げていたような先輩講師の方こそが徐々に居場所を失って櫛の歯が欠けるように一人一人と減って行った・・いつの日か気が付くと私よりも年数の長い講師は定年を間近に控えた教頭と最古参講師で今年五十の大台を迎えた渡井の二人だけに成ってしまった・・渡井が私の事を・・ぼっちゃん・・と呼ぶのもそんな過去の経緯からでもあった・・そして彼が私を指して偉くなった・・と言ったのは・・昨年定年を迎えた前教頭の退職に伴って新たに就任した新しい教頭の人事を指していた・・当初新しい教頭に就任するのは最古参で誰からも恐れられた強面の渡井か・・私よりも五つも年下だがリーダーシップに長けた・・南場康陽・・と言う講師が噂されていたが・・塾長でもあり当塾のオーナーでもある山本は塾の広報部門を担当していた私より五つ年上の八木順子を講師外から抜擢した・・この人事は講師陣には衝撃だったが・・八木はオーナーの嫁いだ長女で長く実地の教育には携わってはいなかったものの教師免許も持っておりどこからも異論を挟む余地はなかったのだ・・こうして動き出した新体制の中で新教頭は自分の不在時の代理教頭として私を抜擢した・・この教頭代理と言うポストは以前にはなかった新しいポストだ・・今までは三教科・・当塾の教科は算数・・国語・・理科・・の三つで社会科は外部教師を招いた特別授業扱いでそれを除いた三教科にそれぞれの主任教師を任命していた・・算数科は私で・・国語科は渡井が担当していた・・前教頭は算数を担当し実際に中心になって授業も行っていたが新しい教頭は講師の病欠などあくまで臨時的な形でしか授業は受け持たず前任の広報担当も兼ねており不在も多くこの新しいポストを設けた訳だ・・だが・・それを切っ掛けに渡井の私に対する挑発的な言動がエスカレートした・・

こんな渡井と真向いの自席へ座る気にもならず・・引き継ぎを手早く行って次限のテキストを手に取り教員室を出ようとドアノブに手を掛けた瞬間・・蹴破るような猛烈な勢いで押し開かれた扉に弾き飛ばされた・・

「あ・・朝川先生♪わりいわりい」

入って来た理科科の宿里章幹の顔は言葉とは裏腹に少しも悪そうな顔はしておらず・・へらへらと薄ら笑いさえ浮かべている・・

・・扉の裏側には・・入室時は必ずノック・・と書かれている・・狭い室内は扉を開くとギリギリで端のデスクの角をすり抜ける幅しかない・・しかも講師の数はデスクの数よりも多く村川のようなアルバイト講師は一つのデスクを共同で使っているようなありさまで・・今のような開け方をすれば怪我もしかねない非常識さだった・・

「宿里先生・・ノックしてから入る決まりですよ・・」

長身で私よりも頭一つ近く大きな宿里は・・謝ってるだろ・・と一瞥までくれながら舌を鳴らした・・

「お~い♪遅かったじゃね~か・・そんな決まり馬鹿なんか放っといてこっち来いや・・でどうだったんだよ♪」

「ばっちりですよ♪もう完全に落っこちましたから♪先輩にも回しますよ♪」

「お♪そ~か~・・これで溜飲が下がるってもんだぜ♪でかしたカンちゃん」

渡井にカンちゃんと呼ばれる宿里は私の注意など気にも留める様子もなく教員室の奥へ若い教員を押し退けるように入り込んで行った・・

エレベーターに乗り込みながら忌々しさに動悸が早まるのを感じていた・・渡井と宿里のさっきの会話の意味するところはしかとは分からないものの・・どうせ・・ろくな事ではないのは間違いなかった・・妙に気の合う二人はいつでもつるんだように一緒に居て絶えず子供に物を教える立場としては恥ずべき淫猥な会話を交わす・・いや・・会話だけなら・・まだしも・・宿里は私と同い年の講師だったがここへやって来てからはまだ間がない・・元々都立で教師をしていた彼が退職したのは教育方針に対する不一致と聞かされていたが彼を知る私の同級生の教師の噂で生徒の母親との関係が問題視され自主退職に追い込まれたのだと聞かされた・・教頭には進言したものの契約した後では手遅れだと言われた・・しかし尚も食い下がる私に教頭は・・例え間違いはあったとしても妻子持ちの宿里が度々そんな不祥事を起こすことはない・・と楽観視した・・その私も・・そうかなと思ったのも事実だったがそんな心配が現実になるのに時間は掛からなかった・・彼がやって来た半年前・・長く当塾で熱心な指導を行ってくれていた二十代半ばの美しい理科科教師の遠藤美樹が妊娠した・・正確に言うと・・遠藤ではなく・・南場美樹・・つまり教頭を取りざたされた南場康陽と社内恋愛から結婚していた彼女だが生徒へ知らせる事を避け旧姓のままで講師を務めていた・・彼女の休職の時期が迫る中・・後任の講師として臨時で採用されたのが宿里だったのだ・・ところがこの遠藤美樹が突然・・休職ではなく退職を言い出した・・熱心な講師で生徒や父母の人気も高かった彼女なので塾としては当然引き留めたのだが彼女の意志は固かった・・これに伴って宿里は臨時ではなく本雇の理科科講師として再契約する事に成るのだが・・異変は彼女の退職に留まらなかった・・何と愛し合って一緒に成り子供が出来て幸せの絶頂に有った筈の南場夫婦が彼女の出産を待たずに突然離婚してしまったのだ・・驚きはそれにとどまらず彼女ばかりか別れた夫の南場までもが当塾に辞表を提出した・・もちろん引き留め理由を聞いたが彼は何も語らず憔悴しきった様子でただ詫びるばかりであった・・そんな時に女子大生のアルバイト講師がとんでもないスキャンダルを告白した・・何と・・就任間もない宿里が臨月腹の遠藤美樹を伴ってホテルへ入るのを見たというのだ・・これは塾内にも衝撃が走り教頭も宿里に事の次第を問い質した・・宿里は全面的に否定したがあんなに仲の良かった南場夫婦が離婚した事もあって鵜呑みにするには抵抗があり塾長の裁断を仰ぐところまで話はこじれた・・ところがこの告白をしたアルバイト講師が真っ赤な嘘だったと発言を翻し・・誰の胸にもすっきりしないものを残しながらもこの事件の一応の終息を見る形に納まった・・ただ・・このアルバイト講師もその直後に退職した事などからも・・私は一連のスキャンダルに宿里が関わっていた可能性は高いと今でも思っている・・宿里は自分でも相当なプレイボーイである事を自慢たらしく話して見せるような軽薄なタイプの男だがうそぶくだけあって・・確かに女には持てそうな良い男だった・・今風に毛先を跳ねさせたショートヘアの顔は俳優も出来そうなほどの甘く危険な香りを漂わせる相当なイケメンだ・・しかも百八十を越える長身に学生時代水球をやっていたと言う肉体は着衣の上からでもはっきり分かるほど逞しく男が見ても惚れ惚れするような良い男だ・・事実・・当塾の若い女性講師や生徒の母親からも相当な人気だと言うのも聞かされている・・だからと言って・・新婚で初産の子供を身ごもった妊婦を手籠めにし家庭までも崩壊させるとは・・大よそ常識を逸脱している・・

エレベーターで地下まで下りた私は廊下奥の鋼鉄製扉を押し開けて通用門の外に出た・・ここはビルの駐車場で一階からのエレベーターで下した車を駐車する場所だ・・私は電車通勤なのでここは利用しないが多くの講師たちはここを利用する・・今日も・・渡井のレクサス・・宿里のスカイライン・・教頭のアウディも停まっていると言う事は教頭も塾内のどこかには居るのだろう・・胸ポケットから取り出した煙草にライターで火をつける・・ここにはビル内で唯一の灰皿が置かれ講師達が喫煙所として利用している場所だ・・渡井に言われるまでもなく愛煙家でもある私にとっても不便を感じる喫煙環境には違いはないのだが決まりは決まりである・・煙草の煙を燻らせながら扉の向こうでエレベーターが再び到着した音に気付いた・・

「何が悲しくてこんな寒い場所で吸わなきゃならねえんだ・・ムカつくな・・」

「ムカつくのは禁煙だけですか?」

「あ~・・一番ムカつくのは朝川の野郎よ・・教頭代理なんて偉そうに・・ヘタレのくせによ・・」

「まあ・・それももう終わりですよ♪完全に外堀は埋まっちゃいましたから♪」

・・やって来たのは・・やはりあの二人だった・・奴らがここへ降りて来るってことは恐らく教頭が戻ったのだろう・・それにしても敵愾心丸出しの発言を交わしながらやって来る二人と顔を合わせるのはさすがに面倒で吸っていた煙草をもみ消すと駐車されているワンボックスカーの陰に身を潜めてしゃがみ込んだ・・

「その外堀だけどよ・・まじで大丈夫なのかよ・・まだ首にはなりたくねえぞ・・」

「へ~きへ~き♪もう完全な色惚けですから♪ど~せ平凡な旦那に飽き飽きしちゃってたんだろうから落っこちたらとことんって感じですよ♪」

「けどよ・・そりゃ~おめえは持てるから良いけどよ~・・相手は俺だぜ・・俺・・そんな簡単に行くのかよ・・」

「まあ道具は取り揃えてありますから♪先輩赤外線使えますか?」

しゃがみ込んだコンクリートの床からワゴン車のサイドミラーを通してお互いのスマホの頭を合わせる二人の様子が確認できる・・

「おお~・・写メ撮れたのかよ・・」

「当然拒否られましたけどね~・・てかはじめっから写させてなんて頼んじゃいないですがね~・・バスルームの壁がマジックミラーに成ってるなんて気が付きもしなかったみたいですよ♪」

更に宿里は渡井のスマホに向けて画面を操作し続ける・・

「おお・・おおお・・思ったよりデカいな・・た・・たまんねえ・・」

「ふふ着やせするタイプみたいですねブラはDカップでしたよ♪」

「け・・毛深いな・・剛毛って・・か・・これもお上品な見かけから意外だな・・」

・・画像まではもちろん確認する事は出来ないが・・言葉通りの卑猥な画像をやり取りしている事に疑いの余地はない・・手にしたスマホを食い入るように見詰める渡井の三白眼は血走ったように真っ赤に充血している・・

「へへ♪その時はね・・今はすっぽんぽんですがね~♪」

「そ・・剃っちまったのか・・お・・おめえ・・人妻だぜ・・大丈夫なのかい・・」

「知らねえですよ♪けど生えるまでは当然旦那とはお預けだろからきっと発情しまくりですよ♪」

「け・・けどよ・・こんな隠し撮りばかりじゃ・・決め手に欠け・・ん・・おお・・」

「それならど~ですか♪逝っちまった瞬間の表情です♪」

「す・・すげ~~・・歯茎まで・・覗いて・・おお・・これは丸で白痴じゃねえか・・涎まで垂れ流して・・」

「カルチャーショックだったようですよ♪抜か三なんて初めてだったみたいでね♪最後は完全に失神しちゃいましたよ♪」

「うお~・・な・・生かよ・・堪んねえ・・」

「意識失ってくれたんで写し放題でしたよ♪たっぷり流れ出てるでしょ♪」

「・・不倫関係でよくやらせたな・・生でよ・・」

「いや~付けさせられましたよゴムは・・けど逝かす寸前に外してあげて♪寸止めのまま終わるかゴムなしで続けるか選ばせたんすよ♪」

「鬼だな・・」

「へへ♪意地悪意地悪って泣き狂ってましたけどね♪勃起で入口をこすってやったら自分から腰を突き出しましたよ♪後は怒涛に責めて・・ご覧の有様で♪」

「堪らねえな・・直ぐにでも突っ込んでやりてえよ・・」

「それ決定的でしょ♪」

「おお~・・免許証・・免許証と逆流マンコのツーショットかよ・・これは・・すっげ~・・しかも白目向いた呆け顔まで写って・・」

「ね決定的でしょ♪写メされたの知って相当取り乱してましたから最高の武器に成りますよ・・自由に使ってもらって構いませんから♪」

・・聞きしに勝る宿里の卑劣振りに震撼させられた・・こんな方法で遠藤美樹もたぶらかされたのかと思うと怒りすら込み上げる・・しかも・・今回は・・戦利品を第三者の渡井にまで利用させようとは・・こんな最低な悪党に食い物にされた人妻を憐れむ気持ちと同時に何とか悪事を暴いてしっぺ返しをする方法がないか思案を巡らせてもいた・・

「ん・・この最後のは何だ・・」

「良い女でしょ♪そんなのはどうかなって思いましてね♪」

「どうかなって・・そりゃ・・どうもこうもねえよ・・最高の良い女じゃねえか・・けど・・こんな上手い話連続で持ち掛けるのはなんか魂胆があるんじゃねえのか・・お前・・」

「魂胆ねえ・・確かに魂胆は有り有りですよ♪外堀に続いて内堀まで埋めるには先輩の手伝いも必要だしね♪」

「な・・何だってんだ魂胆って・・金か・・業突く張りめ・・」

「先輩から金なんて取る気有りませんよ・・先輩を味方に付けて置くだけで十分メリットが有るんですから♪」

「じゃ・・じゃあ・・何だよ・・その魂胆ってのは・・薄気味悪いな・・要らねえよ・・あまり深入りしすぎると俺までお前に食われてちまいそうだ・・」

「へへ・・けどね・・この女の正体を知ったら先輩の方から絶対抱かせてくれって頼み込んでくると思いますがね~♪」

「俺の方から・・?気色悪いな・・けど・・この女まだ相当若いだろ・・学生か?・・お前の趣味とは合わねえんじゃねえか・・?」

「そうすね・・結構写真写り若いですね~・・けどれっきとした人妻ですよ・・歳だって三十は過ぎてる・・写真写りだけじゃなくて実物もかなり若々しいけどガキを生んでねえからじゃねえかな・・基本的に俺はねっとりしか興味がないんでね♪」

・・ねっとり・・ねっとりって・・何だ・・し・・しかし・・二人の猥雑な会話は私の好奇心を煽りに煽っていたが・・それはそれとして・・時間が気になりだしていた・・いつまでくっちゃべっているつもりだ・・次の始業までもう幾らも時間がなかった・・

「で・・誰だってんだこの女・・」

「へへ♪単なる偶然だったんですがね~・・俺・・東京マラソンに出たでしょ・・」

「あ・・ああ・・完走したって威張ってたよな・・けど・・じれったいなそんな事を聞いてんじゃねえや・・」

「スタート前から良い女だなって狙ってたんですよ・・上手く行けばレース後のデザートになんて思ってね♪・・で・・スタートからマークして・・しばらく並んで走ってたんですよ♪」

「どうせ尻や胸ばっか見てたんだろ。」

「ええ♪その通り・・見事な脚線美でね♪スリムなんだけど下半身はむっちりしてほんのり日焼けしてて最高でね・・後ろから追ってたら尻もプリプリして追突したくなってね♪」

「ははは♪で・・声掛けたんか?」

「ええ彼女が給水のボトルを落っことしたんで二つ取って手渡したんですよ♪で・・一緒に走りましょうって声掛けてね♪」

「彼女もそう言ったのか?」

「へへ♪そうは言いませんよ・・それってナンパですかって言われちゃいましたよ・・けどくっついて走ってたら彼女から給水のお返しを貰ってね♪それから色々話しながら走ってたんです・・亭主持ちだとか子供が出来ないとか・・今日の目標は三時間を切る事だとか・・」

「三時間って・・相当だぞ・・お前そんなタイムで完走したのか?」

「いえ・・全然♪ようやく四時間を切った程度ですよ♪」

「話にならねえじゃねえか♪何キロまで付けたんだ?」

「へへ♪それが最後まで♪」

「へ・・馬鹿言うな♪」

「やっぱめっちゃ速くてね・・何とか十キロ過ぎまでくっ付いたんですけどそれから先は地獄で・・それでも必死でくっ付いたんだけど・・二十キロ当たりで限界が来て・・遅れ出しちゃったんですけど・・何と・・」

「どうなった・・」

「待っててくれたんすよ・・彼女♪」

「ほう・・」

「自分が初マラソンだと打ち明けたら・・今日は私が宿里さんのコーチに成ってあげるって・・」

「へ~」

「彼女に励まされながら必死で走ってとうとう完走♪しかも四時間切って・・」

「すげえじゃねえか・・しかし女も折角の東京マラソンでそこまでしてくれるて事は満更でもなかったんじゃねえか?」

「ええ俺もそう思いました♪」

「なら即ゴール後のデザートに食っちまったって訳だな♪」

「ええ♪そうしたかったっすね・・けど・・そうも行きませんでしてね♪」

「ゴールに夫が待ってた♪」

「いえいえ夫はその日は仕事だったんでね♪」

「なら何で?」

「限界超えてフルマラソン走ったら・・とてもとても・・下半身は全て痺れたように痛いし・・靴の中で血豆が幾つも破裂して血だらけ・・もう精も根も尽き果てて立ってもいられなくてね・・♪」

「なるほどそれは残念だったな♪」

「まあ・・絶対気はあるなって思ったんでラインを頼んだら簡単に繋がれましてね♪・・けどこの時は良い思い出だったし・・純粋な恋愛がしたいなんて思ってたんですがね・・」

「妻子持ちの男が他人の嫁さん捕まえて純粋もないもんだぜ♪」

「まね♪けど・・事実ときめいたりもしてたんすよ・・久しぶりに少年に帰ったようにね♪」

「そんな純愛が何で俺に回すなんて言い出す気に成ったんだ?」

「へへ♪それからラインで話すうち相手の正体が割れましてね~♪」

「ふむ♪いよいよ核心だな・・」

・・聞き耳を立てている私の方も話の顛末にドキドキしながら聞き入っていたが・・その刹那・・始業を知らせるベルが高々と鳴り響いた・・

「思わず先輩の顔が浮かびましたよ♪これは格好の玩具に成るとね~♪」

「だから誰だって聞いてんだよ・・」

通用門の鋼鉄扉が駐車場を後にした二人の会話を遮るように甲高い金属音を響かせた・・

「ま・・まじか・・」

「ええ♪私も驚きましたよ・・まさかと思ったし・・恋心を打ち壊されたような寂しさも感じました♪」

ワンボックスの陰から立ち上がった私は閉ざされた冷たい鋼鉄扉に耳を押し当ててエレベーターを待っているのであろう二人の会話の続きを追いかけていた・・

「けど・・思い直しました♪正しく千載一遇のチャンスですからね♪」

「・・呼び出したのか・・」

「いえ・・まだです・・割合ガードが固くてね・・けど・・やっと会う約束を取り付けましたよ♪まあマラソンの練習って口実ですがね・・」

「い・・いつだ・・」

「それはまだ決まってません・・一緒に練習しようって・・それだけですけど・・まあ・・その日は今度こそばっちり決めて見せますよ♪」

「き・・決まったら・・絶対回してくれ・・今さら駄目だって言っても許さねえぜ・・金が要るなら幾らでも払ってやる・・その変わり目茶目茶に犯すぜ・・気が狂うまで逝かせてやる!」

「まあぶっ壊さないで下さいよ♪俺だって楽しませてもらう積りですから♪」

・・宿里の苦笑いを最後に二人の会話は途切れた・・到着したエレベーターに乗り込んだのだろう・・えらく刺激的な会話だったが・・肝心の核心部分は叩き付けられた扉の閉じる音にかき消された・・そっとその扉を押し開いて▲ボタンを押すが二人を乗せた籠はやっと三階で一旦動きを止めたが更に上昇し最上階の五階まで上がりようやく下がった籠は二階でも一旦停止し一階でもしばらく停止してようやく地下まで下がって来た・・遅くなってしまった・・最終限の授業は五階の六年生の教室だしかし又しても一階で止まった籠に塾の事務系社員が乗り込んで来た・・この当塾の自社ビルは地上五階地下一階の六階建てだ・・教員室のある最上階から三階までを教室群・・二階が塾の事務と広報のスペース・・一階は受付と経理スペースで塾長室もここにあった・・・・既に最終限の授業も五分を過ぎようとしている・・自分から招いた失態だったが・・何か渡井と宿里の二人に対する敵愾心に支配される自分を感じていた・・乗り込んで来た事務系社員は私の気持ちとは裏腹に二階の停止ボタンを押し込んだ・・二階くらい・・階段で行けよ・・自分の失態を顧みず何ら無関係な事務系社員に毒づく心が停止した二階で凍り付いた・・何と・・ここでグレーのハイネックのニットに真っ赤なブレザーを羽織った教頭が乗り込んで来た・・

「あ・・朝川先生・・もうとっくにベル鳴りましたよ・・」

私の顔を見詰めた教頭の愛くるしく黒目がちな美貌が瞬時に暗く陰った・・頭を下げて謝る私に・・もう良いからこれから気を付けるように・・とだけ苦言を呈した教頭はわざと私の視線を避けるかのように階昇を示すパネルを見詰める・・そんな教頭の背中が心なしか元気がないように感じた・・八木教頭は根っから快活で明るい笑顔が魅力的で背筋をピンと伸ばして胸を張った健康的な美人だ・・しかし今夜の教頭は珍しい事に背筋を丸めいつもならミディアムショートの黒髪に隠れて決して見えないうなじを覗かせている・・気まずい雰囲気の籠が五階に到着するともう一度詫びる私に・・そんな事より待っている生徒の元に直ぐに行くように声を荒げて叱責した・・間違いなく教頭の言う通りだった・・しかも私は逆に他の講師達に注意をしなければならない立場でもある・・叱責されるのは当然と言えば当然だがこんな叱責も普段・・理を解いてたしなめるような注意が常の教頭からするとらしくなさを感じさせた・・何だかかなりイラついたような・・こんな雰囲気からも温厚で物静かな教頭らしくない違和感を感じさせた・・

・・こうして生徒に遅刻を詫びた私のこの日の授業も何となく集中を欠くような情けない授業だった・・途中生徒から風邪を引いたのかと諭される場面さえある始末で本当に高い受講料を払って通っている生徒に申し訳ない限りだったが・・集中しようしようとしてもどうしても・・教頭から感じた違和感・・それにも増して盗み聞きした渡井と宿里の見え切れない会話の正体が奥歯に挟まった異物のように邪魔をして叶わないままこの日の全ての授業は終わりを迎えた・・


 
2014/03/15 00:49:54(g6.XtEcT)
2
投稿者: やるお ◆xovzghOJKo
続きお願いします。
14/03/17 02:11 (P9oyn/kY)
3
投稿者: 一読者 ◆CuKDjSRkfU
何となく板違い?

14/03/29 18:16 (YShuJE3S)
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