私の心はまさに〔心ここにあらず〕
そんな心境だった。

３人で雑談をしたが、ほとんど記憶がない。
【早く２人のやり取りが見てみたい…。】

私は行動に移した。
『先輩。酔っ払ったみたいなので、先に横になっていいですか？』
『おう、もうこんな時間か！別に構わないぞ！じゃあ、もうお開きにするか。』
先輩はこちらの意を汲んだかの様に返事をした。

私はソファーに横たわった。

すると、妻は
『じゃあ、松田さんもシャワー浴びて下さい。湯槽にも浸かりますか？』
『せっかくだしゆっくり入って酔いを覚ますよ。』
先輩が言うと、
妻は慌ただしく浴室へ向かった。用意をしているのだろう。

しばらくすると、リビングに戻ってきた。
『お風呂どうぞ。バスタオルは脱衣場に置いていますから。着替えは圭くんのだから、サイズが合わないかも？』

そう言いながら２人は浴室の方へ消えてしまう。
浴室の方で、何か話し声が聞こえたが内容まで分からなかった。　


しばらくすると、妻が戻ってきて部屋を片付け始める。
私は寝たふりを続けた。
本当に少し酔っていたが、興奮で眠気はない。

『圭くん…圭くん…。寝るなら、もう寝室で寝ないと。』
妻が私の身体を揺すって起こそうとしている。

私は不機嫌そうに
『う～ん、いいよ。少しだけ横になってるよ。』
私がそう言うと、妻もそれ以上何も言わなかった。

数分後、先輩が出てきた事が分かった。
『お先に、有難う！いいお湯だった。唯ちゃんも入りなよ。』

『はい。こっちの片付け終わらせちゃいますね。』

『え～？唯ちゃんも眠たいの？お風呂入ったら喉も乾いたしさ。もう少し付き合ってよ。』

『あっ、すみません。じゃあ、ビール出しますね。』『そんなの自分でやるからさ。先にさっぱりして、ゆっくり飲もうよ。』


そんなやり取りが聞こえてくる。

『そうですか？じゃあ、私もシャワー浴びてきますね…』
そう言うと妻の声が聞こえなくなった。


誰が私の頬を叩く。
『おい！おいったら！！本当は起きてるんだろ？』
先輩の手だ。

私は、先輩の問い掛けにあえて反応しなかった。

『なんだよ。本当に眠ったのかよ。』
そう言うと、テーブルの前に座り、ビール缶を開ける音がする。

３０分くらいは経っていただろうか。
妻がお風呂から出てきた。
妻に気が付いた先輩が、声を掛けた。
『長かったね？もしかして丹念に洗っていたの？』
冗談ぽく言った。
妻は慌てた様子で先輩の言葉を断ち切った。
『ちょっと、困ります。何言いだすんですか？』

聞き方によっては、いつもの先輩の下ネタにも聞こえる。
しかし、妻の必死に否定する反応が、２人の関係をよりリアルに感じさせた。

『心配いらいよ。長田なら、ほら。ぐっすり眠ってるよ。ほら、こっち来て一緒に飲もう。』
妻を自分の所に招いている。
『唯のパジャマ姿もいいね。…………！やっぱり寝る時はブラ付けないんだ？それとも俺に揉んで欲しくて付けてないの？』

先輩が妻を触っている様子だ。
『ちょっと待て…。やっぱり困るわ…。圭くんがいますから…。』

『困るって何が困るんだよ？パジャマの上からでも、ほら？こんなに硬くなってるじゃないか。』

【さ、触ってるのか？】
２人のやり取りが私を興奮させた。

２人は小声で話している為、上手く聞き取れない。
【２人の行為が見たい。】
私はゆっくり顔の向きを変えて薄めを開けた。

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