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1:紀子・情事1
投稿者:
(無名)
あの夜のSEXを思い出しながら、さらに続く会話で、紀子の家族構成は、月1
回のゴルフ以外は全く興味・趣味が無い旦那と、小6の息子、小3の娘との4 人で、とりあえず紀子は今、専業主婦である事、などがわかった。 「今、主人、1ケ月の海外主張中なの・・」 俺を上目遣いに覗き込んだとき、紀子の両目は妖しく潤んでいた。俺は慌て て目を逸らして、出されたコーヒーカップに手を伸ばした。 今日の紀子の服装は薄手の生成りのブラウスに、薄茶色の膝下フレアスカー トだった。まさに以前、俺が紀子に語っていた俺の好みの衣装を身にまとっ ていた。今日も素足のままだ。 「課長、これ覚えています?」 紀子が、見覚えある小さな袋を持って俺の隣に移動してきた。コロンはディ オール・ディオールだ。昔、俺が海外出張の折、土産で買い与えたコロンの ブランドをずっと愛用してきたらしい。 紀子は意味ありげに袋の口を開くと、中身を俺に示した。まさしくあの時俺 が買い与えたバイブだ。 「まだこんなものを・・」 俺がつぶやくと 「だって課長との思い出は、ひとつだって無くしたくなかったんですよ」 「よく今まで旦那に見つからなかったね?・・」 「女はいろいろと隠し上手なんですよ・・フフッ、いろいろとね」 又意味ありげに含み笑いをした。そして恨み言が続く。 「あれから私、しばらく課長のこと恨んだんですよ。全く連絡はないし、連 絡のしようもないし。それで私自暴自棄で・・・、そんな時、主人が声かけ てきたんです。それですぐ成り行き結婚・・・」 旦那を主人と呼ぶ。夫婦の数年の年月がなせる業か。 「ゴメン、ゴメン、悪気は無かったんだが、あの時の俺はすべてにキリをつ けたくて。紀子にも未練も残したくなくて・・・、悪かった。本当にすまな かった。紀子を忘れたわけじゃなかったんだが・・」 丁寧に頭を下げた俺に、逆にうろたえた紀子は 「ウソウソ、冗談です。いいんですよ課長、私だってすぐお嫁に行っちゃっ たんだから、おあいこ・・」 二人の間に重い沈黙が流れた。紀子が俺のほうに腰を浮かせて、寄り添うよ うに移動してきた。そして自然に俺の肩に頭を乗せてきた。 「でもあの頃、私本当に課長のこと好きだったんですよ。ううん、今でも」 一瞬で我を忘れ紀子を抱きしめた。自然に閉じられた紀子の唇に、そっと唇 を押し付けた。13年ぶりの唇だった。
2006/10/26 11:33:35(n8ymV9x/)
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