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躊躇いと後悔の懺悔
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:人妻熟女 官能小説   
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1:躊躇いと後悔の懺悔
投稿者: シゴトマン ◆NNdQYs7Wfo
今日は朝からいい天気でした。
ここ大阪ではすっかり晴れ渡った空が、
とても心地よく感じられます。
きっと、行楽地やショッピングセンターでは多くの人出で賑わっていることでしょう。

大勢の家族連れの中には、私の想像力を掻き立ててくれるような素敵な女性がいるかもしれません。
私の視線にその淫美な本質を見抜かれ、心の奥底まで裸にされるような女性がいるかもしれません。
私の妄想の中で、服を剥ぎ取られ、下着を毟られ、素肌を曝されるだけでなく、
体内の内側のピンク色に息づく粘膜さえも露にされる女性は、もしかしたら貴女かもしません。

天気が本当にいいですね。
こんな日は家庭菜園の作物たちも、よく育ちます。
…今はもう、飽きてしまって何もしなくなりましたが、
以前はアパートの裏の南側の日当たりの良い場所に
スナックエンドウやカブなどを植えていたのです。
ほかには、コリアンダーやオクラなども作っていました。
基本的には肥料をやらず、水と陽光だけで育てたそれらの作物は、自然の味そのままのもので、
見かけの形は決して良くありませんでしたが、どれも緑色が鮮やかにあらわれ、
逞しい生命力を強く感じさせるものばかりでした。

オクラがアフリカ原産であることを御存知の方は世間にどれくらいおられるのでしょうか。
私が十数年前、数ヶ月暮らした東アフリカの片田舎の市場でもソレは店頭に並んでました。
現地での呼び名も「オクラ」。そのまんま。オクラって日本語ではなかったのですね。
そこで売られていたオクラは、日本で買い求めるものよりも多少筋張っていましたが、
大きく、太く、逞しさを感じさせるもので、湯通ししてから刻んでサラダに入れたり、麺つゆや出汁醤油で花鰹と和えて副菜としたり、様々な形で異郷に暮らす我々の食卓を豊かにしてくれたもので
した。

…済みません、話がすっかり逸れてしまいました。

*************************

その女性は唐突にこんなことを言い出したのです、少しだけ思い詰めた表情で。
「オクラの種、分けていただいていいですか?」

彼女はガスの集金人でした。
バイクに乗っている割には色の白い、上品そうな顔立ちの中年女性でした。
身長170センチあまりの私の、ちょうど胸のあたりに顔が来る感じの、小柄な方でした。
やや丸っこい印象の体格で、本当にどこにでも居るような感じの女性でした。
日差しを避けるためか、常に長袖のブラウスに少し余裕のあるスラックス、
およそ「女」を感じさせる服装ではありません。
大人しい雰囲気の方で、それまでは親しく話したことなど全くなかったのに、
その日はいつもと違ったのです。

「あのね、ここのオクラが立派に育っておられるのずっと見てたんです。
うちでも家庭菜園やってるけどここまで大きく育つの見たことなくって、
種が違うのかなって思って…。」

緊張のためかそこまで一気に話すと、彼女は少しだけ小さなため息をつきました。
ちょうど今日のような天気の休日でした。
普段は一人で暮らしている小さなアパートですが、
今日は玄関先に、集金人である彼女の小さな丸い肩をあります。
こんなにもたくさん言葉を繋ぐ彼女を初めて見て私は内心驚きましたが、
そんな表情は顔に出さず彼女と言葉を交わすことにしました。

「いや、どこにでも売っているオクラの種なんやけど…いいですよ、差し上げますよ。
自分でもたくさん収穫出来たんで驚いてたんやけど、食べきれへんので
こんな形で残してしもたんです。」

私は玄関を下り、庭に出ました。
実際、時期を過ぎて枯れかけたオクラの茎には、収穫しれなかったオクラの鞘が残っていたのです。
太いフェルトペンくらいの大きさの鞘は、茎同様すでに緑色を失い、
外皮はやや外側に向かって反り返っています。
その中には、真っ黒でまるまると太ったオクラの種子がいっぱい詰まっています。

「いいんですか、済みません…。あ、有り難うございます。
色んな野菜作ってらっしゃるでしょ、いつもマメな方やなぁって感心して見てたんです。」

「いや、全然マメじゃないですよ。種蒔いて、水やって、あとは放っておいてます。
肥料も農薬も使ってないんで安心して食べられますけど、手抜きもええとこですよ。」

「ええ?そんなんでこんなに立派なモノが出来るんですか?
ソレは羨ましいです。うちも少しだけ畑を借りて主人と楽しんでるんですけど、こんなには…。」

他愛のない話が続きます。
お互いに、これまでどんな作物を作ってきたか、どう料理して食卓に上げるか、
そんな話をした記憶があります。
そうそう、先ほど御披露したオクラの話もしました。

「あぁ、そんなに一生懸命作物を作ってお料理までしてはったら、奥さんも喜んではるでしょう?」

「いえいえ、一人暮らしなんで…あ、私、独身なんですよ、こう見えても。
老け顔なんでよく勘違いされるんですけど、こう見えても○○歳なんですよ!」

今考えたら、彼女はガスの集金人なんですから毎月のガスの使用量で一人世帯か二人世帯か、
だいたいの察しがついていたはずです。
それをわざわざ、こんな言い方をして私が独身であることを確認するなんて、
ちょっと気になります。

「あら、ご免なさい、変なこと言うて。そうなんですか、お一人で暮らしてらっしゃるの。
でもこんなにマメやったら食事もきちんと摂ってらっしゃるみたいやし、お話を伺っても安心です。
ソレに比べてうちの息子は…。」

彼女はその場に立ったまま、問わず語りに話しはじめました。
一人息子が大学を卒業して東京で一人暮らしをしていること、
恋人もおらず仕事も不規則で忙しく、食べることにも不自由しているらしいこと、
心配でならないのに、今の自分には息子に何もしてやれないことが辛くてたまらないこと…
切々と訴えかけていました。
うちの子がアナタのようにしっかりとしている人だったら、どんなにか安心だったろうに。
どうやったら一人でそんなに逞しく生きていけるのか私に教えて欲しい、とも。

みるみるうちに、目に涙が溢れて来て、頬を伝って落ちていきます。

…急な展開に私は戸惑いました。
それまでに経験として、感極まった女性が不意に涙に塗れてしまうなんてことは何度かありました。
しかし、顔見知りとは言え会話らしい会話が初めての女性を泣かしたことはありません。
こんな時に私が思いつく女性への慰めかたは、「抱擁」しかないのです。
その肩を、背中を、しっかりと両腕で抱き締めて、
自分の心臓の鼓動を、彼女の耳や肌で感じさせてあげるのです。
熱い血潮が脈打つこの肉体で、寒さで震えているような彼女の心を抱きとめ、
体温を伝えて温めてあげるのです。
貴女がそこに存在し、呼吸し、生きていることを私は自分の全存在で肯定しますよ、
と全身で表現するのです。

両手をやや広げて、私は彼女に2、3歩近付きました。

…しかし次の瞬間、私はハッとしました。ここは庭先だったのです。
休日の、昼下がりの、周囲からは比較的良く見える位置に、私たちは立っているのです。
(ここでは抱き締められない…)

悲嘆にくれながら愚痴にも似た話を続ける彼女に相槌を打ちながら、
私はどのタイミングで部屋へ誘い入れるか考えていました。

おそらく
「立ち話もなんですから中に入ってお茶でもいかがですか」
という私の誘いを、彼女は断らなかったはずです。
きっと
「ティッシュもありますから、中で涙を拭いて下さい、そのままだと誤解されてしまいますよ」
という私の言葉に彼女は決して逆らわなかったはずです。

それくらい、寂しさに溢れた肩だったのです。
涙を啜り上げる度にその肩は「抱いて欲しい」と言うかのように、震えていたのです。
そして、首筋や耳元に這って行く私の舌を、彼女は待っていたはずなのです。

その時私は、彼女を「犯したい」とは思っていませんでした。
その時彼女が本気で抵抗を示したなら、おそらく私はそういう行為には及べなかったことでしょう。

ただ私は、彼女の深い悲しみを慰めるためには、彼女の身体を求めるしかないと感じていました。
そうしてあげなければ今のまま、冷たい風のようなものに包まれた心のまま、
彼女を帰してしまうことになる…それだけは「避けたい」と思いました。

彼女の年齢は、私の母親に似たものだったと思います。
しかし、それは何の意味も持たないことです。
男と女には、年齢や境遇に左右されない、ただ何かが通じたと感じる瞬間にお互いを求め合う、
そんな結ばれ方があるように思います。
(私はこのヒトを抱こう、力一杯抱き締めよう、このヒトの中に自分の熱いモノを捩じ込み、
心と身体が満たされる充実感でいっぱいに溢れさせてあげよう!)

私は彼女を明確に「おんな」として意識していました。
親子ほど歳が離れていても私と彼女が結ばれるのは必然である、とも思っていました。

「事実」は私の想像通りにはいきませんでした。

…私は臆病でした。

そして同時に自分が妄想家であることも知っていました。
ですから、私は自分の想像に確信を持っていながら、彼女を部屋に誘い入れるような言葉を投げ掛けなかったのです。

…私は私自身を裏切ったのです。
同時に私は、彼女を傷つけたのです。

私は彼女の言葉に相槌を打ち続けるだけでした。
一人暮らしに慣れたらきっと大丈夫ですよ、と役にも立たない慰めの言葉を口にしただけでした。
そしてそのまま、彼女を帰したのでした。

それ以来、彼女とは会っていません。
彼女は私の前に現れなくなったのです。

*************************

あれから数年が過ぎました。
彼女はどうしているだろう、考えるときもありましたが
最近はずっと思い出すこともないままに暮らしていました。

そして私にも「彼女」が出来ました。
今私が付き合っている女性は、私より10歳年上です。
…もしかしたらあの日以来、私の女性に対するものの見方、好みが変わったのかもしれません。

*************************

さらにこの話には後日談があります。

ちょうど1週間ほど前の休日のことです。
「彼女」と玄関先で私たちのセックスについて話していたときのことです。
お互いの心も、身体も、その隅々まですっかり知り尽くした仲です、
「モノ」「チ○ポ」などというそのものズバリの言葉が交わされていました。

…不意にドアをノックする音に、二人とも驚きました。
さっきの際どい話は断片的とは言え、今のノックの主には聞こえていたはずです。

「恥ずかしいね!」
「恥ずかしいよ!」

そんな表情で目配せをして、奥の部屋へ「彼女」を入れ、
なに喰わぬ顔で「はーい」と返事をして開けたドアの向こうに、彼女が立っていたのです。
その上品そうな顔は紅潮し、少し恥ずかしそうに俯き、少し怒ったような表情でした。
 
2005/05/05 13:02:05(szOI0SIJ)
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