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1:双子 Episode 3
投稿者:
Blue Roses
「今日はここまでにしましょう」
「どうだったかな?」 「これだけ弾ければ立派ですわ。次回までにこの曲をさらっておいてくださいね」 「フフ、厳しいね。努力します」 双子の父、久雄は嬉しそうに麗子を見つめた。 約束通り、麗子は双子の家にピアノのレッスンに来ていた。上はベージュ色のノースリーブのカットソー、下は同系色のスカートをはいている。Vネックの首元に、銀色のネックレスが光っていた。麗子は楽譜をかたづけ始めた。 「どうです、お茶でも」 「あら、じゃあ、お言葉に甘えようかしら」 二人は、邸内の敷地を見下ろす二階のベランダで、ベンチに座りながら紅茶を飲んだ。パラソルが二人の頭上を覆い、影を作っている。爽やかな風が、麗子のさらさらとした髪をなびかせた。 昼間見る久雄の邸宅は、パーティーの夜に見た時にも増して大きかった。広大な庭は、英国式の庭園となっていた。燃えるような緑をキャンパスに、色とりどりの花々の美しい色彩が、そこかしこに配置されている。おそらく、この町で最も面積のある庭に違いなかった。 「素晴らしい庭だわ」 「ここまでするのに10年近くかかったんですよ」 「お手入れが大変でしょう?」 「専門家に任せているからね」 「素敵だわ・・・」 久雄は、麗子が体をねじり、ベランダの手すりにつかまって身を乗り出すのを、パイプに火を付けながら、目を細めて眺めていた。 しばらく庭の光景に目を奪われていると、遠くに見える正門から、二人の人影が敷地内に入ってくるのが見えた。 「あれは・・・」 双子だった。 「おや、帰ってきたみたいだな」 久雄も麗子と並んで身を乗り出した。そして二つの人影に向かって手を振った。双子達が気づき、二人で手を振り返した。麗子もつられて手を振る。 - あの子達いつも一緒に行動してるわ ― 双子達が家の中に入ってくるのが見える。 「立派な息子さん達ですね」 「いやいや、まだ遊んでばかりで。もうそろそろ働いてもらわないと」 「きっと期待通り活躍してくれますわ」 「そうだと嬉しいんだが」 久雄は満更でもなさそうにパイプを吹かした。 双子がベランダにやってきた。 「こんにちわ。この前はどうも」 「こんにちわ。お邪魔してるわ」 二人とも、こざっぱりとした服を着ている。前よりも陽に焼けたようだ。色が黒くなった分、精悍さが増していた。 「今、レッスンが終わったところだよ。ああそうだ、お前達も先生に習いたいと言ってたな」 「この前、僕らからも少しお願いしたんだよ。親父だけずるいからね」 「どうかな麗子さん、息子達にも教えてやってくれるというのは。もちろん二人の月謝はお支払いするが」 「え、ええかまいませんわ」 「それは良かった。おい、お前達、麗子先生は厳しいぞ」 「嬉しいな。先生、お願いします」 「あなた達、経験はあるの?」 「子供のころ習ってたんですけど、それからは自己流で」 「お前達、どれだけ下手か今日聞いてもらったらどうだ? その方が、後で先生もやりやすいだろう。麗子さん、時間はまだあるかな?」 「ええ、大丈夫ですけど」 「私は、これから用事があって出かけるけど、終わったら、彼等に庭を案内してもらうといい。今、花が綺麗でね」 久雄は三人を残し、その場から消えた。 麗子と双子は、グランドピアノが置かれた部屋に戻った。 「えっと、どっちが・・・」 「僕が、健一です」 兄が笑って答えた。 「あら、お兄さんの方ね。言ってもらわないと分からないわね。じゃあ、あなたから弾いてちょうだい。何でもいいわ。得意な曲で」 「今度から名札でも付けようかな」 健一がピアノの前に座った。彼らの屈託のない姿を見ていると、テニスコートでの事は夢の中の出来事に思えてくる。 ― やっぱりこの前はどうかしてたんだわ。いやね、私って ― 「あら?」 「どうしました?」 「あなたの手、大きいわね」 「そうですか?」 健一は両手を広げてみせた。大きな手だ。美しく長い指。健一は、麗子の前で両手を広げ、十本の指を別々に動かした。まるで海中に住む不思議な生き物のように指が波打つ。思わず麗子は目を奪われた。 「先生?」 「あ、はい。立派な手ね。ピアノに向いてるわ」 健一が曲を弾き始める。聞き覚えのあるポップス。腕前は悪くない。 麗子は隣に座り、健一の手の動きを眺めた。長い指が軽やかに上下しながら、鍵盤の上を這い回っている。そのままピアノから飛び出してきそうだ・・・ 飛び出した。 床に落ちた二つの手首は、かさかさと走りながら、麗子の足元に向かってきた。そして驚くべき速さで麗子の足を駆け上がり、スカートの中に潜り込んだ。麗子があわててスカートを押さえるが、間に合わない。そのままぴったりと閉じ合わされた太ももの上を疾走する。麗子は椅子から転げ落ちた。 片方の手首が、開いた麗子の股間に張り付いた。複数の指が下着の上から柔らかい肉に食い込んだ。もう片方はそのまま進み、いったんスカートから出ると、腹から乳房の上を走り抜け、胸元からカットソーの中に侵入した。そして薄いブラジャーの上に止まると、ふくらみを鷲づかみにした。麗子は悲鳴を上げながら、床を転げまわった。 すると今度は直樹のものだろうか、もう一組の手首が床を走って向かってくるのが見えた。 床を這って逃げようとしたが、すぐに追いつかれた。一つは背中に登り、腰からスカートの中へ、もう一つは袖口からカットソーの中へと入っていく。 麗子の服の中で、股間に二つ、左右の乳房にそれぞれ一つずつの手がしっかりと張り付いていた。スカートの中に手を入れて、懸命に引き剥がそうとするが、がっちりと固着して、どうしても離れない。 四つの手の動きがしばらく止まった。麗子も息を潜めてじっとした。 やがて、一斉に長い指がくねくねと動き回り始めた。再び麗子が悲鳴を上げ、体をくねらす。スカートがまくれ上がって白い太ももがあらわになった。カットソーがずり上がって、くびれたウエストとへそが見えている。 股間の手首は、ショーツの中へ前と後ろから侵入を図った。乳房の手首がブラジャーを上にずらす。 乳首がつままれた。性器が掻き分けられた。肛門には指先が添えられた。そして指は・・・ 麗子は髪をかきあげた。曲は終わった。 「うん、いいわ。でも、正式な指使いからやり直す必要がありそうね」 「うわあ、やっぱり厳しいや」 「でも、立派よ。じゃあ、直樹君」 兄に替わって直樹が椅子に座り、ピアノを弾き始める。同じ曲だった。再び、長く美しい指が鍵盤の上を這い回り始めた。 ― 今、変なこと考えなかった? やっぱり私、ちょっとおかしいわ ― < To Be Continued >
2004/03/17 13:11:38(wDcRLuXI)
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