結婚して５年が経ち、三十路になってしまった。
子供も作らず、いわゆる”倦怠期”に突入・・・

そんな時興味を持ったネットサイトの”２ショットチャット”
「知らない男の人と話してみたいな～」
なんて、軽い気持ちで始めたのがきっかけ。
でも、主人が寝入ってからのチャットは真夜中限定で、
心の隙間を埋めてくれるような相手に、なかなか出会えない。

そんな中、「この人と出会う為にチャットを始めたのかもしれない！」
と思えた相手と出会ってしまった。それが”雅治”

雅治は関西出身の、海外に住んでいる役者の卵。
私よりも４歳年上で、自由な生き方をしている彼に興味を持った。
時差のおかげで、真夜中でも毎日話し相手が居る日々。
私はどんどん雅治を好きになって行った・・・

雅治は自分で「俺は変態だから」と、宣言していた。
「Ｓじゃなくて、変態だから」と説明されても、私には理解出来なかった。
チャット上の彼は確実に”Ｓ”で、命令される事も多くなった。
未知の世界だったが薄々は「自分はＭ気質ではないか」と、
自分自身悟っていた事もあり、どんどん雅治の世界に引き込まれて行く。
彼の変態の意味も理解出来るように・・・

電話で話しをするようになると、もう歯止めが効かない。
”パソコンの文字”だけだと、ある意味”架空”でいられたのだが、
声を聞いてしまった途端”現実”に変わってしまう。
とうとう雅治が「会いたい」と言い出した。

”変態”と豪語してる彼に会ってしまったら、自分がどうなるか
大体予想は出来ていた。
それでも私は会う事を決めてしまった・・・
後悔したくなかったから・・・


雅治が空港から出て来た。
軽装に不釣合いなアタッシュケースを持って。
車に乗り込むと、車内は彼の香水の強い香りで包まれた。
運転を代わって貰い、雅治の顔を見つめる。
雅治は運転しながら私の太ももを触り、スカートの中に手を入れる。
「言われた通りノーパンで来たんだな」
事前に指令を出されていた。パンツを履くなと・・・

私の住む小さな田舎町。
誰にも会わないように、私達はホテルに直行した。

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