高校２年の夏休み、俺達は期末テストの英語が赤点だった為、英語の担任に特別授業と称して補修を受けさせられていた。
補修を受けたのは７人だけ、全員頭の悪い男子ばかりだった。
英語の担任は２５歳の女の先生で、綺麗というか可愛いというか世間的にはどうかは分からないが、俺たちの身近な大人の女として憧れの性的対象だったのは間違いない。
まあ、世間的にも美人で通ると思われる。

補修２日目に、克哉が持って来た「張るシオン」と呼ばれる即効性睡眠錠剤は、克哉自身「先輩にもらった。」と言っていたが、計画的なものだったのかもしれない。
俺達は興味津々に「これ、昏睡状態になるヤツだろ！効くの？」とか、克哉に質問をぶつけていた。しかし克哉は全く、「張るシオン」の効能は知らないようで、ただ「先輩にもらっただけだから・・」を繰り返して、偶然を装っていた。

「張るシオン」の効き目を試してみたい、と言う軽い気持ちと、イタズラの延長くらいの考えだった。その時は・・・。
「先生に飲ましてみようぜ・・・。」誰が言い出したのか俺ははっきり覚えているが、そんな事はどうでもいい、俺も同じ事を考えていた。軽蔑されるのが嫌で言わないようにしていただけで、他のヤツも同じ事を考えていたに違いない。その証拠に反対するヤツは１人も無く、皆ノリノリだった。
俺達は先生に「張るシオン」を飲ませる方法を考え、補修開始前に４人で職員室へ向かった、砕いて粉状にした「張るシオン」を持って。
職員室には夏休みにもかかわらず、３人の先生がいた。
俺達は先生のところに行き雑談をはじめた。この時、先生の机上に飲み物があればそこに入れるつもりだったが、何も無い。
雑談の流れで、「先生コーヒー飲んでいい？」と職員室に常備されている、コーヒーメーカーを指して、頼んでみた。
先生は「何、言ってるの、駄目に決まってるでしょ。」と軽く否定、しかし「いいじゃん！」と言って、紙コップにコーヒーを注ぐ、先生は「コラ！」と怒って見せたが怒っていない。
「先生も飲む？」と聞くと、「いらない。」とアッサリ言われ、計画通りに行かないなと思いながら、ふざけて「俺の入れたコーヒーが飲めん言うのか、こら！」
と言って先生にコーヒーを勧めた。
先生は、「なんだ？君、今の口の利き方。」と笑いながらコーヒーを受け取った。
紙コップに少な目に入れられたコーヒーを先生が飲むのを確認しながら、雑談を続け、先生が「あ！特別授業始めるよ、教室に戻って。」とコーヒーを飲み干しながら言った。
俺達は気だるそうに、「は―――い。」と言って、職員室を出て走って教室に戻った。心臓はドキドキしっぱなしだった。
「入れたか？」「全部入れた！」「ちゃんと溶かしたか？」「多分。」
などと会話をしながら教室に戻り、残っていた３人に事の成功を告げた。
この時、みんな何を考えていたのかは分からないが、俺は先生のオッパイが揉めたらいいな、と思いドキドキしながら先生が来るのを待った。
俺たちが教室に戻ってすぐに先生はやって来た、いつもと変わらない。
「テストするよ―、教科書しまって。」と言い、テストを配り始めた。
俺は、効いてないのか？失敗か？克哉のガセか？などとテストどころではなかった。
「じゃあ４５分までね、始めてください。」先生の声に変わりない。
俺は失意と期待を入り混ぜながら、テストの問題に向かっていった。
５分、１０分と静寂の時間が流れ、校庭で練習している野球部の掛け声がやけにうるさかった。
テストが始まって２０分位だったろうか、先生が、「・・・ちょっと・・ごめん・・続けてて。」と言って席を立ち教室を出て行った。
先生の様子は明らかにおかしかった、酔っ払いみたいにロレツが回っておらず、フラフラしていた。
先生が出て行った後、俺達は「効いたんじゃない？」「先生おかしかったよ！」
と、確かめ合い計画のハプニングに気づいた。
計画では教室で眠り込むはずだった。まさか出て行くとは思っておらず、誰かに今の先生を見られたらまずいと思い、皆で教室を出て先生の後を追った。
先生はフラフラと歩きながら保健室へ入っていった。
俺達は後に続き、保健室の扉を開けて中を確認した。保険の先生はいない、７人全員で中に入り扉を閉めた。
カーテンで仕切られたベッドを覗くと先生が横向きになってベッドの上で眠っていた。
７人で先生の寝ているベッドを取り囲むようにして立ち、眠っている先生を見下ろしていた。

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