取りあえず○年ほどたっても警察も来ないので書くことにしました。

最初に○子を見たのは某地下鉄の中でした。ヴィトンのバックに
少し目立つ宝石。でも、全体のトータルバランスはいたって地味で
大人しめの女性でした。何度か尾行を繰り返し、調査の日々が続きました。
３０歳の主婦。少し大きめの一軒家に住む普通の女でした。
最初は○子の事を知れば良かったのです。

でも、知れば知るほど欲望が募りました。欲望と一緒に仕事から何から
全てを失う恐怖も募りました。ですが、会社をリストラされ、もう歯止めが
なくなり、事に至った次第です。また、恵まれた境遇の○子に対して
妙な腹立ちを憶え、虐待にいたりました。

私が当日に用意したのはカテーテルと注射器、ガムテープ、まち針、革手錠
紐、マジック、バイブ、カメラ、ローション、ナイフ５本、ペンチ、
クスコ、ギャグです。自分の自殺も考えていました。

何度も悩んだ、実行の当日、泊まったホテルを出るときは吐き気が止まりま
せんでした。
最初に○○の仕事の振りをして玄関を開けさせすんなり自宅に入れました。
かなりの準備を要しましたが、こんなすんなりいくとは思わず、
還って心臓の高鳴りが止みませんでした。

玄関で「○○さん、あれを見てください。見えますか？」と言って背中を
向けた瞬間、後ろからナイフを二本突きつけました。クビと目です。
彼女は体を固くして息を止めました。喉にナイフを突きつけたまま
片方のナイフを彼女の脇をくぐらせ目に突きつけ直しました。
完全に硬直してるのが分かりました。無言でした。