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1:デジャヴ
投稿者:
筑紫次郎
◆6BQsWuUXug
篤子は、当選した2泊3日の韓国旅行の相手を見つけられずに落ち込んでいた。2、3人の友達に断られるともう当てが無くなってしまった。26にもなると友達も結婚し、結婚していない友達は、仕事に打ち込んでいる。
「お母さん、旅行いかない?」 「ダメだって言ったでしょう、勇一と行けば良いじゃないの。勇一の会社は、毎年2月は暇だって言ってたわよ」 「ユウか・・・・そう、そうだね」 篤子の頭の中に、心に秘めていた或る幻影が浮かび上がった。 勇一は、異国の夜景に見とれていた。姉篤子と、異国の夜を散歩してみたかった。一日中姉と飛行機、バスと行動を共にした。こんなに姉と一緒なのは、何年ぶりだろう。子供の頃は、一つ上の姉の後ばかり付いてまわった。仕事の忙しい母に代わり、姉は勇一を守ってくれた。今も、勇一に姉さんぶって、あれこれと、お節介を焼いてくる。鬱陶しいと思いつつも、邪険にできない。今回の旅行も強引に連れてこられたが、二人での旅行に、心がはずんでいた。 「アッちゃん、夜の街に出ないの?」 篤子は、風呂から出るとパジャマに着替えていた。 「疲れたーっ。部屋でゆっくりしようよ。やっぱり招待旅行だね。買い物する所ばっかり連れて行くんだから」 「アッちゃん楽しそうに買い物してたよ」 「へへっ。このパジャマ、シルクだよ。買っちゃった」 勇一に見せるように篤子は、くるっと一回りするとベッドに倒れこんだ。痩せた篤子を包む艶やかな光沢のパジャマは、豊かな胸の上で魅惑的なラインを描いていた。 「ねえユウ、ちょっと、腰の辺り揉んでよ」 勇一は、いつものパターンだと思った。姉は、テンションが上がると、やたらと命令口調になる、放って置くと不機嫌になり当り散らす。この性格が直らなければ結婚は無理だなと思いながら、不機嫌にさせて当り散らされるのも面倒で、横を向いて寝る姉の腰を揉みだした。 程なく篤子は眠りに落ち、寝息を立てはじめた。勇一も姉と向かい合うように横に寝転がった。姉に体をつけると、石鹸の匂いと温りが、懐かしさと穏やかな安らぎを与えてくれた。 姉を抱くように片手を背中に遣り、姉の背中をそっとさすった。もう片方の手を、胸に当て乳房の上で軽く動かした。甘えるように勇一は、その動作を繰り返し背中と乳房をさすり続けた。滑る様な絹の肌触りの下に、何も纏っていない姉の体は、心を惑わし、遠い記憶を蘇らせた。 子供の頃勇一は、姉と同じ布団で寝た、姉の体を触っていると安心して眠りにつけた。姉と別々の部屋で寝るようになると、夜ひそかに姉の部屋に忍び込み姉の体を触った。思春期になり、性的欲望を含むその行動に罪悪感を感じても、止められなかった。高校を卒業し、初体験を済ますまで、姉の部屋に忍んだ。 篤子は、心地よい微睡が心地良い現実に変わるのを懐かしさを持って受け入れた。弟の温かい手は、快い刺激を与え、心を満たしてくれる。 太腿を摩っていた勇一の手が、すっと離れた。起きあがろうとした勇一の体を、篤子は手をまわし押し止めた。勇一の柔らかい手をもっと感じていたかった。 「ユウ、やっぱり此処で終わり?」 篤子の瞳が大きく開かれた。勇一は、ばつが悪そうに篤子から目をそらした。 「アッちゃん起きてたの」 「いつだって、起きてたよ。気持ちよくて、もっと触って欲しいのに、ユウはいつの間にか部屋から出て行った」 「知ってたの・・・だってアッちゃんが起きたら、二度と触れなくなるから」 「アッちゃんの体を触りながら、ユウは何を考えていたの?」 篤子は、悪戯を怒られた子供のような表情を見せる勇一の頭を撫でた。 「小さい頃は、アッちゃんに触ると良く眠れたから。大きく成ってからは、・・・・・想像してた」 「何を想像してたの・・・ちゃんと言いなさい」 篤子の目が悪戯っぽく笑っていた。 「アッちゃん覚えてるかな。小さい頃”大人になったら、アッちゃんと結婚する”って言ってたの」 「うん、覚えてるよ。皆に笑われてもユウは真剣だった」 「高校の頃も、アッちゃんと結婚できたらいいのにって、想像してた」 「でもユウは、高校を出たら、もう来なくなった。寂しかった。私より好きな人が出来たんだって」 「アッちゃんより素敵な人も、アッちゃんより心配してくれる人もまだいない」 「じゃあ何で来なくなったの?」 勇一も姉の体を再びゆっくりと摩り始めた。 「想像するだけじゃ、我慢できなくなってた」 篤子は勇一の手を握り、パジャマの中へ導くと、ショーツの上へ宛がった。 「アッちゃん・・・・」 そこは、熱くうっすらと湿り気を帯びていた。 「アっちゃんも想像してたよ・・・・いつかユウに、抱かれるんだと思ってた」 篤子は勇一を抱きしめた。 「ユウと過ごす為に、このパジャマ選んだの。ユウの想像した通りにしていいよ」 「夢に見てた・・・アッちゃんにも誰にも言えない夢」」 「そう、これは夢なの、ユウとアッちゃんだけが知っている秘密の夢」 勇一は、そっと唇を重ねた。舌を入れると、篤子の舌が迎えてくれた。生まれて初めて味わうキスのように、その味に勇一は眩暈を覚えた。二人の液体がまじりあい絡み合う二つの舌は音を立てた。姉の秘所でゆっくりと指を動かすと、篤子は体を震わせた。 勇一は篤子の首筋にキスを移しながら、パジャマのボタンを外した。篤子の白く豊かな乳房は美しく、乳首にそっと唇を這わした。篤子のきめ細かな肌に隈なくキスをし、二人の間に有る物を剥ぎ取っていく。 「アっちゃん・・・綺麗だ」 勇一は、姉への賞賛を口にしながら、ひたすら姉の悦びに奉仕するように、愛撫を重ねてくれる。勇一の愛撫は優しく、緩やかに篤子の快楽の泉を湧き上がらせた。今まで経験した交わりの中で、これほど篤子を大事に扱ってくれた男はいない。舌でゆっくりと貝を開くように舐め、小さな真珠を舌の先端で軽く触れる。大切な宝石を扱う様に。 「あぁぁあ・・・ぅぅっ・」 勇一が両太腿を手で抱えるようにし、壷の入り口から真珠までを丹念に舐めると喘ぎは大きなくなり、悦びに満たされた。 「ユウ今度はアッちゃんが、してあげる」 篤子は勇一を寝かすと、舌でまわす様に怒張の先端を舐めあげた。くびれを舌の先端で刺激していく。ゆっくりと口の中に含み、吸い込む。篤子の舌の動きは、勇一の想像を超えて快感を与えた。 「ユウ、気持ちいいなら、声を出していいんだよ」 意地悪を楽しむように篤子は、勇一を攻めた。 「アッちゃん。入りたい」 篤子は勇一の手を握った。篤子の泉も勇一を待っていた。 「ユウ、アッちゃんの中に入っておいで」 篤子は勇一の腰を跨ぎ、怒張を手に取ると、貝にこすり付けるように動かした。怒張は先端から飲み込まれるように入り、熱い泉が勇一を包み込んだ。篤子も勇一と、ひとつになった悦びに包まれた。二人がこの世に生まれた時から、約束されていたように。 「アッちゃん熱い」 「あぁぁ・・待っていたの この時を」 篤子は、両手をつき、時間を掛けて前後にゆるゆると動きだした。貝の中は、うねうねと絡みつき、そこは、今まで体験した事がない、充足感を勇一に与えてくれる。髪を乱し快感に酔い、大きく喘ぎ、快楽に溺れる篤子が、勇一にはこの世で一番美しいものに見えた。 勇一は、一気に快楽の階段を駆け上がっていった。 「アッちゃん出ちゃうよ」 「いいよ、そのまま・・・大丈夫だから・・・アッちゃんに頂戴」 貝の中が一気に熱くなり、それまでと違う律動を刻むと、体を反りながら押し殺した悲鳴ともつかぬ声をあげた篤子が頂上へと昇った。ほぼ同時に、勇一の噴出は篤子の奥底へと吸い込まれていった。二人の悦楽は、異国の夜深くへと続いていった。 篤子と勇一の秘めていた幻影は、今現実となった。ずっと約束されていた悦楽と禁断のデジャブー。
2013/08/03 22:44:36(uldMAUoZ)
投稿者:
筑紫次郎
勇一は、旅行から帰ると、慌しい日々に身をおいた。旅行の間に溜まった仕事を片付けなければならなかった。そして、仕事に没頭する事で、姉との旅行の日々を、夢として忘れなければ、いけないと思っていた。
金曜日の夜、勇一が部屋でベッドに寝転がり本を読んでいると、篤子が仕事帰りのスーツ姿のまま部屋にやってきた。 「アッちゃん来てたの」 「週末くらい、実家に寄ってもいいでしょう」 仕事を口実に、母親の反対を押し切って、一人暮らしを始めた姉が週末の夜に帰ってくることは、滅多になかった。篤子はベッドの端に座ると勇一の体を摩るように触れてきた。 「ユウ、旅行から帰ってから素っ気無いよね。連絡もしてこないし」 「仕事溜まってたから」 「折角ユウとまた仲良くなったのにな」 篤子の手が、勇一の中心部に添えられると勇一の物は一気に力が漲っていった。 「アッちゃん。だって・・・あれは夢だから・・・」 「ユウ。そう夢だよね。でも・・・夢の続きを見たくないの?私は、見たい。」 篤子は、勇一の怒張に手を伸ばすとゆっくりと摩り始めた。篤子は勇一の表情を確かめながら、勇一が我慢できなくなるまでゆっくりとじらすようにズボンの上から撫で続けた。 「アッちゃん・・・」 「なに・・・如何してほしいの」 「お願い・・・」 篤子にとって今最も愛おしい物をあらわにするとゆっくりと口に含み舐め始めた。勇一の強張りをゆっくりゆっくり味わいつくすような篤子の動きは、勇一に溶けそうな悦楽を与え続けた。篤子は、勇一が悦楽の表情を浮かべるるの楽しんだ。口を外し手で刺激を加えながらささやいた。 「ユウ、夢の続きを見たい?」 篤子に、逆らえるはずもなかった。 「ん・・・アッちゃんと一緒なら」 篤子は微笑むと勇一の目の前でスカートからパンストとショーツを一気に引き抜くように脱いだ。強張りを手に添えて篤子はスカートの中に勇一を迎え入れた。篤子の入り口はすでに充分な潤いを用意し、勇一を飲み込んだ。篤子は歓喜の声を上げるのを何とか抑え込んだ。異国で勇一と一つになった時の感覚は、今まで経験したセックスとは全く次元が違っていた。貫かれることの喜び、動くたびにます快感。勇一が何を考え、どんな状態なのかが自分の事のように感じられる。この一体感の中でのセックスを篤子は知ってしまった。それは禁断の味なのだろうか。勇一は、篤子が動くたびに、今夢なのか、現実なのかと思っていた。先週の旅行は夢だと思い、一周間を過ごした。先ほどまでの日常は、突然に官能の夢の世界になってしまった。今、体の上で腰を動かしている姉は、スーツを着た姿で喘いでいる。これは夢でなく現実、ベッドが低い音を立てていた。 篤子は溜まっていた一周間の思いをぶつけるように動き官能の世界を急速に登って行った。篤子の中心が熱くなると篤子は勇一の上で大きく跳ね、崩れるように重なった。荒い息が収まってくると、篤子は勇一の唇を奪った。 「ユウごめんね・・・アッちゃんだけ。明日私のアパートに来て」 次の日の朝、篤子が部屋の掃除をしていると、玄関のチャイムが鳴った。急いでドアを開けたドアの向こうにいたのは、待ちわびた勇一ではなく、母親の洋子だった。篤子の頭の中は、いやな予感とともに目まぐるしく回転し、この状況を理解しようとした。昨日の夜会った母とは違いその態度は、どこか敵意を感じさせた。 「随分、不用心ね。誰が来たのか見もしないで開けるなんて。待ってた人と違ったのかしら。あなたと、少し話がしたいと思ってきたんだけど」 篤子は平静を装って、テーブル越しに座る母親と対峙した。母は今年52歳になる、外で服飾関係の仕事を続けてきた母親は、痩せて体型は崩れることもなく年齢よりずいぶん若く見える。 「どうしたの急に」 「あなたと勇一の事よ」 「・・・・・・」 いやな予感は当たった。 「あなたも勇一も大事な子供だから、幸せになって欲しいの。これ以上言わなくても分るわよね」 「ごめんなさい・・・いけない事はわかってる。でも・・・」 「私がいけないのよね。篤子に勇一との旅行を薦めたんだから。でもまさかね。」 洋子は大きくため息をついた。 「勇一が、夜あなたの部屋に行かなくなって終わったと思ってたのに」 篤子は母が二人の関係、そしてあの夜の日々の事も知っていたことに、そして淡々と話す母親に驚きよりも怖さを覚えた。 「勇一は、上手だったでしょ」 「・・・・・・」 「私が勇一に教えたのよ。女の悦ばせ方を」
13/09/29 00:10
(fLwrf27G)
上手いッ!
内容の質の高さもさることながら、最後の落とし方は秀逸ですねッ! お広げになる構想などは無いのでをしょうか? 綺麗に纏められたストーリーと構成に、魅せられました。
13/12/26 17:01
(3gMHFEq6)
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