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1:愛染の鳥籠
投稿者:
いちむらさそり
あいぞめのとりかご
其の一 懐かしい話をしてあげよう。 もう随分むかしになるけれど、あれは確か、そうだなあ、こんなふうにとても寒い日だったかな。 おまけに雪もちらついていたっけ──。 その頃の僕はまだ学生をやっていて、勉強にもスポーツにもがむしゃらに打ち込んでいたから、自分のことを意識している視線があることにまったく気づかなかったんだ。 女の子に興味がなかったわけじゃない。 恥ずかしい話、女の子にどうやって接したらいいのかがわからなかったんだ。 そんなもんだから、ある日突然、彼女から手紙をもらった時には正直おどろいたよ。 ……ああ、彼女っていうのは、同じ大学のゼミでたまに見かける、僕より一つ年下の小柄な女の子でね。 女子学生の中でも特に目立つようなタイプでもなかったし、もっとも、僕みたいな男に好意を抱くことさえないだろうと思った。 こんなことを言ったら彼女に怒られるかもしれないけど、恋愛対象としては見れなかったな、うん。 その手紙の内容っていうのが、今思い出しても恥ずかしくなるような言葉ばかりでね。 しかも女の子らしい丸文字なんかじゃなくて、ちゃんとした綺麗な筆跡だったから、冗談や中途半端な気持ちで寄越したラブレターじゃないなって思った。 だからこそ僕は悩んだ。 毎日、毎日、彼女のことばかり考えるようになった。 「おまえが女に熱を上げるなんて、明日は大雪にでもなるんじゃないか?」なんて友人たちから冷やかされたりもしたのさ。 そんなことを言われた翌日の土曜日。 大雪とまではいかなかったけど、空模様は朝からずっとすっきりしていなくて、午後にはほんとうに雪が降り出してくるしで、あの時はもう笑うしかなかったよ。 だって僕と彼女は、その日の夜に会う約束をしていたからね。 ……え、どちらが先に誘ったのかって? そりゃあもちろん、僕のほうから彼女にアプローチをかけたよ。 ラブレターをもらった時点で彼女には恥をかかせているわけだし、そこはほら、男の面目ってやつもあるしさ。 で、ミュージカルの『オペラ座の怪人』のチケットを二枚握りしめて、待ち合わせ場所に向かったんだ。 勿論そんなものを観たところで、僕にはさっぱり理解できないだろうって踏んでいたけどね。 とにかく一度彼女に会って、自分の気持ちを確かめる必要があると思った。 僕が指定しておいた場所は、劇場からほど近い駅の出口で、僕がそこに着いた時にはまだ彼女の姿はなかった。 それもそのはずだよ。 だって僕が待ち合わせ場所に着いたのは、約束の時間の三十分も前だったんだからね。 どんだけフライングする気なんだって、あの頃の自分に言ってやりたいよ、まったく。 それだけ彼女に対する気持ちが、いつの間にか固まってたんだろう。 この機会を逃したら次はないぞ、ってね。 ガールフレンドというよりも、婚期を逃すんじゃないかって、男のくせにそんなふうに女々しいことを考えた。 そうして夢見心地の三十分はあっという間に過ぎて、腕時計が約束の時刻を指した。 けれども彼女は現れなかった。 女の子は準備に時間がかかるってよく言うし、ミュージカルの開演時間までは余裕もあったから、メンソールの煙草を吸いながら彼女が来るのを待ちわびていたんだ。 駅前のロータリーにタクシーやバスが停車して、人を下ろし、また発車していく。 そこにも彼女の姿はなかった。 そんな虚しい風景を何度もやり過ごしているうちに、こんな寒空の下で自分は何やってんだろうって、心が折れそうにもなった。 その当時は今みたいに携帯電話もなくてね。 公衆電話から彼女のアパートにかけようと思ったけど、そうしているうちに擦れ違ってしまうといけないから、結局その場から離れられなかったというわけさ。 クリスマスが近い街のイルミネーションがとても綺麗で、歩道にも雪がうっすらと積もりはじめていたし、道行く人の表情はみんな明るくて、寒さに震えている自分だけが惨めでならなかった。 彼女が来ないままとうとう開演時間になってしまったから、ひょっとしたら何かの事故に遭っているんじゃないかと考えて、僕は慌てて電話をかけてみたんだ。 かじかむ両手に、はあっ、と息を吹きかけてダイヤルすると、受話器の向こうでコール音がずっと鳴っていた。 やっぱり彼女は電話に出なかった。 コインの返却口に十円玉が落ちる音がして、僕は溜め息をついた。 そんな時に、遠くのほうから救急車のサイレンが聞こえてきて、その音は駅の反対側をかすめて行ったようだった。 そこで僕はようやく気づいたんだ。 その駅には西口と東口があったということにね。 自分のいる西口から駅の階段を上って、僕は東口に向かった。 思った通りだった。 彼女はそこにいた。 約束の時刻から二時間以上も過ぎていたのに、彼女はずっと僕のことを待ってくれていたんだ。 白のコートに赤いマフラー、その肩をすぼめてポケットに手をくぐらせたまま、ブーツを踏み鳴らして足踏みする彼女。 僕は思わず彼女の名前を呼んだ。 そうして振り返る彼女の顔にどんな思いが込められていたのか、あれは今でも忘れることができないよ。 僕が彼女のそばまで駆け寄ると、途端にその表情に光が射したみたいに明るくなっていくのがわかった。 彼女の長い睫毛は白く凍っていて、唇の色もどこか赤みがなくなっていた。 「ごめん」と一言、僕は彼女に謝った。 嫌われても仕方がないと覚悟はしていた。 けれども彼女は僕に微笑み返してきたんだ。 「ぜんぜん待ってないよ」だなんて彼女の健気な優しさに、僕の胸はきりきりと痛んだ。 そうして次の瞬間にはもうその痛みは消えて、今度はとても温かい気持ちになっていた。 ……そう、僕が彼女を抱きしめていたからさ。 どっちの体が震えていたんだろう。 どっちの心音が聞こえていたんだろう。 ただもう愛しい思いに任せて、僕らはずっと抱きしめ合っていた。 まわりの音は何一つ聞こえない二人だけの世界で、唇を重ねる音が微かに聞こえた。 するとどうだろう。 瞬間に二人のバリアが解けたかと思うと、そこに割り込んでくるハーモニーと、弦を弾く空気の振動が聴こえてきたんだ。 はっとして二人でそちらに目を向けると、僕らとおなじくらいの歳の青年が二人、アコースティックギターを弾きながら唄っていた。 おそらく彼らのオリジナル曲だったんだろう、路上ライブの歌声に僕も彼女もすっかり聴き入ってしまって、ふとして彼女の瞳に光るものがあった。 スワロフスキーみたいな涙だった。 人を好きになるとね、何でも美化されて目に映るらしいんだ。 けれども彼女の美しさは本物だった。 気がついた時には二人でベッドを共にして、夜を共にして、朝を共にしていた。 * つづく
2013/01/24 12:33:19(/yS3nq0g)
投稿者:
いちむらさそり
其の二
目覚めて隣を見てみると、そこには雪のように真っ白な乳房があった。 そうか、夕べの出来事は夢じゃなかったんだ──そんなふうに僕はようやく自分の居場所を見つけた気になっていたんだ。 僕は運が良かった。 彼女と結ばれたその時すでに、名もない新しい命の営みが始まっていたのさ。 そうして生まれたのが、彩花(あやか)、君だよ。 僕は出産に立ち会った。 ママの子宮から産道を通ってきた君は、新生児特有の何とも言えない匂いがしていて、小さな手足は力強くて、その産声を僕らに聞かせてくれていたんだ。 変なふうに受け取らないでくれよ。 女性の体がどれだけ神秘に満ちているのか、ママとおなじ女性である君にも知っておいてもらいたくてね。 それはそれとして、産湯から上がった君のことをママと二人して抱きかかえ、どっちに似ているのかって囁き合ったんだ。 まだ生まれたばかりなんだし、そんなのわかりっこないのにね。 だけど僕にはわかった。 優しい目元がママにそっくりで、きっとチャーミングな女の子に育つだろうって。 『彩花』って名前は、ママと二人で決めたんだ。 彩りある人生に可憐な花を咲かせていって欲しい、そうしていつか実りあるものをその手に掴んで欲しい、そんな思いが込められているんだよ。 それらしく聞こえるように後から理由を付けたわけじゃないから、そこは安心しておくれ。 誰が何と言おうと、彩花、君は望まれて生まれてきたんだ。 僕らに愛される為にね。 ……あ、ごめん。 自分で言ってて照れる歳でもないんだけど、今の台詞はちょっと恥ずかしいな。 娘の前では格好良い父親でいたいからさ。 それでね、君という家族が増えたことによって、僕はまるで人が変わってしまったんだ。 煙草を止めて、お酒もできるだけ減らし、仕事が終わればすぐに帰宅、休日には育児と家事を手伝うようになった。 「そういうのを『親馬鹿』って言うんだぞ」なんて、会社の上司からも認められるほどの変わりようだったらしい。 小さなガールフレンドの写真を肌身離さず持ち歩いて、社内の女の子たちに見せびらかしたりもしたものさ。 そんなわけで、僕の株は上がる一方だった。 家でも外でも父親の顔になっていた。 彩花のおむつを替えたり、一緒にお風呂に入る度にね、体は小さくてもちゃんと女の子なんだなあって、当たり前の感想を抱いたりしてた。 絶対に嫁になんか出すもんかって、そんなふうに気の早いことまで考えたりしてさ。 ママも口には出さないでいたけど、きっと僕のことを呆れた目で見ていたと思う。 君に最初に買ってあげた誕生日プレゼント、今でも大切にしているんだろう? あれはそうだ、まだ君が一歳か二歳の頃だったね。 テディベアの縫いぐるみを欲しがった彩花の為に、僕は町中のあちこちの玩具店を走りまわって、ようやく見つけた時には僕の心も少年みたいにはしゃいでいたよ。 ついでに言うと彩花は、ケーキの上に苺が乗っていないとすぐに駄々をこねて、蝋燭の匂いもあまり好きじゃなかったね。 今でもそうなのかな。 どんなイベントの時でも君が主役で、パパとママはそれを全力でサポートしたりして、君の成長を微笑ましく眺めていたよ。 親がいなくたって、子供は勝手に学習して大きくなっていくんだろうけどね。 寝返り、はいはい、たっち、よちよち歩き、桃の節句に七五三、保育園、小学校、中学校、高等学校、春も夏も秋も冬も、どんなに些細な変化も見逃さない、そうやって僕ら家族は絆を深めていったんだ。 彩花の初潮の時もそうだった。 誰よりも先にその変化に気づいたのが、君の父親である僕だった。 世間一般には母親が先に気づくんだろうけど、うちの場合は少しわけが違う。 どう言えば誤解されずに済むんだろう。 早い話が、僕が彩花の下着の汚れ方を毎日チェックしていたってことだよ。 これはママにも内緒でやっていたことなんだ。 娘の心配をするのは親として当然だろう? だからあの日、彩花が学校から帰ってくるなりごみ箱に棄てた物を僕が拾い出して、赤い『しるし』の付いた下着を見つけたのさ。 君は小学六年生だったね。 大なり小なり、親子のあいだにも誤解は生まれるものさ。 軽蔑したいならそうすればいいよ。 歪んでいるとか、異常だとか、愛情の見た目ばかりをつつきたがる連中は、その奥底にある本質を知ろうとはしない。 僕が彩花を思う気持ちはもっと純潔で、血統さえも越えてしまっているんだよ。 ほかの男に汚されてしまうくらいなら、この僕が『最初の男』になってやろうと思った。 来る日も来る日も彩花の私物をチェックしながら、別のところでは君に変な虫が付かないように監視したんだ。 ちょうど僕の知り合いが探偵事務所を構えていてね、彼らに依頼して彩花の身辺を調べてもらっていたのさ。 そうして君に言い寄ってくる男を突き止めては、僕自身がわざわざ出向いて、彩花の代わりに断っておいてあげたんだ。 君は小学生の頃からよくもてていたから、この作業はかなり大変だった。 それからもう一つ告白すると、僕は自分でも知らないあいだに、赤いランドセルを見るだけで欲情するようになっていた。 彩花に出会う前の僕なら、きっとそんな大人にはならなかったはずさ。 けれども神様は僕に悪戯をした。 この世でいちばん愛しい存在を僕のそばに置くことで、僕という人間の器を試したのさ。 そうして僕はまんまと君に恋をしてしまった。 君が中学生に上がった途端に、今度は性の対象がセーラー服に変わり、君が高校生になれば、僕の目にはもう女子高生しか映らなくなっていた。 ママとの性生活も疎遠になっていたし、こっそりアダルトビデオを観ながら気分を紛らわせようともしたよ。 レイプ、痴漢、盗撮、人妻、レズビアン、オナニー、SM、それから女子高生、ありとあらゆるジャンルを試してみたけど、射精した後の虚しさは僕を孤独にさせるだけだった。 ごみ箱の中に埋もれたティッシュの山からは、自分自身の臭いしかしない。 もうこんなことはうんざりだ。 女の子の匂いが嗅ぎたい。 乳房や陰部に触れたい。 この目に焼き付けたい。 じっくり味わいたい。 自分の思い通りにしたい──。 そんなことばかり考えているうちに、それは決して不可能なことなんかじゃないって思えるようになっていた。 今の世の中、警察の人間だってお金で未成年を買っているくらいだからね。 だから僕はやってやったのさ。 * つづく
13/01/25 11:36
(5OyIqAG5)
投稿者:
いちむらさそり
其の三
あの子はどこの高校に通う生徒だったんだろう。 少し茶色が混じった長い黒髪に、大人びた目鼻立ちがとても印象的で、細い体型のわりに大きな胸の膨らみも一人前に思えた。 その清楚な制服から生えた長い脚が、とてもいやらしいものを象徴しているようで、自分が気づいた時には彼女と僕の下半身は繋がっていた。 建設途中のマンションの中はコンクリートが体に冷たくて、僕も彼女も手足のあちこちに擦り傷をつくったりしてさ。 女子高生をレイプするという行為が、あんなに興奮するなんて知らなかったよ。 泣きわめく口にショーツを押し込まれ、ブラジャーで両手を縛られた少女の姿、アダルトビデオなんかでは味わうことのできない臨場感。 これが生身の女子高生なのかって、年甲斐もなく息を荒げて武者震いしたよ。 甘酸っぱい匂いっていうのかな、そんな雰囲気がそこらじゅうに充満していて、彼女の割れ目に夢中で舌を這わせてみたり、膣に指を入れて掻き漁ったりするとね、ピンク色の陰唇の奥から愛汁が漏れてくるんだよ。 どんなに幼い顔をしていたって、濡れたり、感じたり、絶頂したりするのさ。 あの女子高生は僕の指で二回、舌で一回、玩具で五回、それから僕の腰突きで三回くらいはオーガズムを覚えていた。 その一部始終はちゃんと動画に撮ってあったから、「これをネットに流出されたくなければ」的な文句を言ってあげたら、その子はとても素直に僕に懐(なつ)いてくれたんだ。 僕は何度も彼女を呼び出して、色んなプレイでサプライズを仕掛けてやった。 ある時、人目につきやすい電話ボックスに彼女一人を置いて、僕は少し離れた場所で『ある事』をしながら彼女の行動を窺っていた。 高校の制服姿のままで小さな箱に閉じ込められた彼女は、誰の目にも、どこにでもいる可愛らしい女子高生にしか見えなかっただろう。 薄着の夏服から露出した若々しい肌は、初夏の日差しを受けても焼かれることなく、溌剌(はつらつ)とした白さを公衆の前に晒していた。 そんな純粋な彼女の体に、僕が不純物を仕掛けておいたのさ。 何食わぬ顔で、電話で話しつづける少女。 そうして僕が手元のスイッチを入れた瞬間、彼女は驚きの変化を見せた。 何かに怯えるように肩をすぼめて、電話ボックスの硝子に寄りかかり、内股に閉じた脚が弱々しく屈折していた。 初めてにしては合格点の反応だったよ。 彼女の電話の相手は僕だった。 だから僕は携帯電話でこう尋ねてみた。 「リモコンバイブで犯される気分はどう?」 すると電話の向こうからは、か細い息遣いが聞こえてきてね、きっと応えられないくらい気持ちいいんだろうなって、僕は確かな手応えを感じていたんだ。 四方を取り囲む視線からは逃れることができない。 そんな状況の中で局部の内側と外側を同時に刺激されているわけだから、性に多感な女子高生ならどんなドラッグよりも魅力的だろうね。 ぐずぐずに濡れた膣はヒートアップして、無理矢理に目覚めさせられたクリトリスは、僕の想像もできないくらいに敏感になっていただろう。 「おねがい……、やめて……」 彼女は何度かそうやって僕に助けを求めてきた。 声が震えて、今にも果てそうな事態が迫っているという少女の気持ちが、痛いくらいに伝わってきた。 だから僕は彼女を楽にしてあげたんだ。 「すぐに済むからね」 それだけ言うと僕はリモコンを操作して、バイブのテンションを強めてやったのさ。 そうしたら彼女、どうなったと思う? 子犬みたいにぷるぷる震えちゃってさ、胸の前で手をぎゅっと結んだまま、腰から崩れ落ちていったんだ。 わあわあ泣いたかと思ったらまたすぐに小さな悲鳴をこぼして、可愛い声でしゃくり上げたり、唾を喉に詰まらせたりして、とても悦んでくれていたよ。 彼女は自分の指でもって、受話器をこつこつと鳴らした。 それが『絶頂』した合図だと決めてあったから、とりあえず僕は満足だった。 道行く人の眼差しを独り占めできて、彼女自身にも得るものがあったに違いない。 僕も通行人の一人になりきって、彼女のそばを通り過ぎざまに様子を窺うと、電話ボックス内の床には、濡れて変色した部分がたくさんあった。 「お漏らししたんだね?」 虚ろな目をした少女を背中に、僕は立ち止まり、そう訊いてみた。 「ごめんなさい……」 電話越しの彼女の声は、涙に水没しているみたいだった。 僕は振り返り、もう一度だけ彼女の全身を姿見してやった。 化粧をしているわけでもないのに、桜の花びらみたいに色づいた唇。 清涼感のある白いセーラーカラーの下で、控えめに膨らむ乳房の揺れ。 丈の短いスカートに隠れた太もものあいだからは、搾りたての果汁がぽたぽたと滴って、ソックスとローファーを濡らしていたんだ。 どうやら僕の躾が足りなかったみたいだ。 一から調教のやり直しだよ。 だけどどうしてだろう、これからという時に僕は飽きてしまって、その女子高生と会うこともやめてしまった。 彼女のほかにも四人の女子高生を次々とレイプしてみたけれど、僕の理想が高すぎるのか、それとも性癖がずれてきていたのか、まるで興奮できないでいる自分が無性に歯痒くなってね。 なんだ、所詮こんなものだったのかって、雲の上に浮遊しているような、つかみどころのない気分に襲われたんだ。 何一つ非のない少女五人分の十字架を背負っているというのに、不思議だね、まるで罪悪感が湧いてこなかった。 あの頃の僕は、ほんとうにどうかしていたよ。 そして家庭を振り返ってみて、やっと気づいたんだ。 僕には家族がいる、愛する妻や娘がいる、混じり気のない血が通(かよ)った系譜がある。 陽のあたるプロムナードをゆったりと歩いていくと、その先には僕を温かく迎えてくれる人がいる。 それが現実だったんだ。 ふとして僕はアルバムを開いてみた。 そこには、彩花がまだ赤ちゃんの頃から高校生になるまでの十七年間の思い出が詰まっていた。 僕はカメラが好きだった。 それ以上に、彩花を撮るのがもっと好きだったんだ。 一人娘の晴れ姿、はじけんばかりの笑顔、照れてはにかむ幼顔、どれもこれも僕の宝物だよ。 それと今日は特別に、とっておきのアルバムを君だけに見せてあげるよ。 どんなアルバムだと思う? 大人っぽい表現をするとしたら、愛と血脈の結晶とでも言おうかな。 そんなに大人っぽくもないか、ごめん、ごめん。 僕がどれくらい君のことを愛しているのか、その証明書のようなものかもしれない。 ごらん、これがそうさ。 一人で着替えをしている彩花、こっちはお風呂に入っている彩花、それからトイレで生理用品を交換している彩花。 次は……もうわかるだろう? そうだよ、自分で自分の体を慰めている彩花だよ。 小学生の君は、花柄のショーツの上からリコーダーを押し当てて、こんもりとした恥丘のあたりをこねくり回していたね。 中学生の君は、好きな男の子の名前を恥ずかしそうに漏らしながら、オーガズムの感覚を求めて花の蕾をまさぐっていたね。 そうして高校生になった君は、成年になりきれない未成年の体型に指を這わせて、とうとう膣で絶頂することを覚えたんだよね。 何かおかしいかい? そうさ、ここにある写真のすべては、僕自身が盗撮したものだよ。 人間というのはじつに愚かで、愛に弱くて、理性の壁を簡単に打ち砕いてしまう、本能のままに行動する生き物さ。 * つづく
13/01/27 23:43
(oyraggx8)
投稿者:
いちむらさそり
其の四
さっきも言った通り、僕にはもともと少女趣味があってね、だから非力な女子高生ばかりを狙っては、その体内に僕の遺伝子をたっぷり注入してやったんだ。 ゆっくり時間をかけて、子宮の奥へ奥へと、逆流してこないように粘り強く満たしてあげたのさ。 それなのに、それなのにあいつらときたら、僕のことを差別するような目で見やがって! 僕が何をしたっていうんだ! ふしだらな服装、異性との不純な交遊、汚らわしい色気、そういう風紀の乱れを正す意味も込めてレイプしてみせただけじゃないか! 淫らなフェロモンを振り撒いているのは、あいつらのほうさ! 口では「嫌だ、嫌だ」と言っていたくせに、快楽の前ではただの『牝』に変わり果てて、何度も意識を失いかけていたのさ! あどけない顔がぐにゃぐにゃとグロテスクに歪んで……、内臓の奥から搾り出すように割れ目から愛汁を溢れさせて……、痛みが快感だと錯覚していただろう……。 ……。 ……。 すまない……、取り乱してしまった……、気にしないでくれ……。 僕は最低な父親だな。 ほんとうは自分でもよくわかっているんだ。 だけど、気持ちがどうにも止まらないんだよ。 僕の未来には彩花しかいない。 彩花じゃなきゃだめなんだ。 「パパのお嫁さんになるんだ」なんて、まだ小さかった君は僕に言ってくれたよね。 免罪符、とは言わないけど、あの出来事をずっと引きずっている僕は今日、ようやく君と結ばれるんだ。 この世でもっとも不適切な関係、親子の不貞、そんな背徳が僕の心を黒く塗りつぶすほどに、もっと彩花を知りたくなる。 そんなに怖がらなくてもいいよ。 だって僕と君は、父親と娘である前に、男と女なのだから。 来年の春にはいよいよ彩花も大学受験、それが済んだら成人式、そうしてだんだん大人になって、いつかは僕にふさわしい花嫁になっていくんだね。 もう時間がない。 君をさらって逃げて来たこの別荘にも、近いうちに警察の人間がやって来るだろう。 おそらく僕が犯した女子高生のうちの誰かが、勇気を出して被害届を出したのかもしれないな。 指名手配か。 贖罪の時が来たようだ。 こんな父親で、すまない。 彩花、セックスしよう。 まずはベッドの上に、君が先に乗るんだ。 そうだよ。 そうしたら制服は着たままで、下着だけを脱いでこっちに寄越すんだ。 慌てなくていいよ。 ゆっくりでいいんだ。 そうか、ブラジャーのカップは『D』になったのか。 お揃いのピンク色のショーツだって、ほうら、こんなにも手に温かい。 いいかい、こうやって下着を軽く揉んであげると、染みになっている部分から甘酸っぱい匂いが立ってくるんだよ。 おしっことか、おりものとか、愛汁の匂いがね。 体を開いて、脚を開きなさい。 彩花のおっぱいとおまんこを、僕に見せるんだ。 いい子だ。 杏仁豆腐みたいに、しっとり白い肌だね。 小粒な乳首が紅潮して、ぷっくりと凝り固まって、とてもおいしそうだ。 下の口はどうだ、ぱっくりと羽二重に貝割れして、肉厚な陰唇のあいだから、フリルの飾りみたいな薄い陰唇がひらひら顔を覗かせているぞ。 クリトリスはまだ皮を被っているから、どこにあるのかわからないな。 彩花、自分の指でそこを左右に広げて、クリトリスを僕に見せておくれ。 いいぞ、その調子だ。 それにしても今日の君は、いつになく僕の指示に従順じゃないか。 そうか、わかった。 言うことを聞かないと、あの頃のように僕がまた、ママに暴力を振るうと思っているんだろう? 勘違いをしないでくれ、あれはぜんぶ愛情の裏返しの仕業なんだよ。 良くも悪くも、僕はもうむかしの僕じゃない。 君は黙って操(みさお)を差し出せばいいんだ。 ほらもっと、熟れかかった穴の奥に潜ませているもう一人の自分を、その細長い指で乱暴に掻き出してあげなよ。 もっとだ。 ぐずぐずに溶けた膣肉が震えるくらいに、そうだ、彩花は女の子なんだから、子宮から美しくならなきゃだめだ。 僕に触って欲しいんだろう? 肩の力を抜いて、深呼吸してごらん。 僕の指を感じるんだ。 ほうら、もうこんなに濡らして、すくっても、すくっても、ぜんぜん間に合わない。 気持ち良くなってきただろう? して欲しいことがあったら、恥ずかしがらずに言うんだ。 中に入れてみようか? ほら、ほら、人差し指が入った。 中が熱いよ、彩花、くちゅくちゅいってる。 今度は中指も、すごい、二本目が入っていくよ。 彩花の窮屈な膣の中で、こんなにも自由に指が動くなんて。 このへんで一度、逝っておこうか? いくよ? 薬指も入れてあげるよ。 大丈夫、痛くしないから、安心して逝っていいよ。 彩花、すごい、たくさん濡れて、もう、指がふやける、逝って、もっと声を、ああすごい、こんなに、彩花が悦んで、ああ、愛してるよ……。 ……。 うわあ、大変だ、あちこちびしょびしょだ。 彩花、上手に逝けたじゃないか、きゅうきゅうと僕の指を締める、君自身の穴が、痙攣しながら発火して。 パパは嬉しいよ。 なんて香(かぐわ)しい体なんだ。 そこに顔をうずめてあげる。 ううん……、じゅるじゅる……、ごくん……。 ちゃぷちゃぷ……、ぐびり……、ぺちゃ……、こくん……。 甘い蜜が、飲むほどに、内臓に染みる。 ここを舐められるのは、初めてかい? ちゅくちゅく……、うふう……、んぐん……。 舌に甘酸っぱくて、奥歯までぬるぬるだ。 お尻の穴まで、愛液で光っている。 僕だって、ほら、もう出来上がっているんだ。 彩花が欲しい、血の繋がった女子高生の彩花が欲しい、そうやって勃起してるんだ。 今日ほど、君の父親で良かったと思える日はない。 僕らは結ばれるんだ、そうさ、僕らは二人で一つになる。 いいのか、彩花に入れていいのか、入れて欲しいか? 少しずつだ、僕は太くて長いから、彩花を壊すかもしれない。 妊娠させてしまうかもしれない。 君は卵を産むんだ。 そうして僕らは生まれ変わる。 平等な命の名の下(もと)に、新しい親近関係を築いていく。 やっと彩花の中に入れる。 ここか? ここに欲しいか? 彩花の柔らかい肉に、僕は、埋もれて、入る、入っていく、ピンク色の粘膜が、糸を引いて、熱くてたまらない、奥まで、挿してやる、うっ。 ……。 どうだい、彩花の中に、パパがいるだろう? お腹が膨らんでいるみたいだろう? ほら、ほら、こうやって、抜き差しすれば、子宮が、突き上げられて、生きた心地が、満たされて、気持ちいいだろう? ……。 唇を重ねよう。 なんて可愛らしい唇なんだ、汚れのない、天使の唇。 んむ……、ちゅ……、はうぐ……、ちゃぷ……。 彩花ああ、はむん、ああ、彩花、唇も、性器も、深く繋がっているよ、ああ、ああ。 綺麗な髪だ、綺麗な乳房だ、手足だって、こっちの膣の中まで綺麗な、彩花はパパの体で、女の子になるんだ。 一緒に逝こう、もうすぐ、出してやる、うう、ああ、逝くぞ、彩花、二人で、ううっ、彩花の中に、奥に、ぜんぶ繋がる、精子と、卵子が、溶ける、溶けるんだ、彩花ああ……。 ……。 ……。 どうかしてる……、僕はほんとうに……、君を犯してしまった……。 ごめん、ごめんよ、彩花。 哀しい思いをさせて、心も、体も、汚してしまった。 こんなふうに出会わなければ、僕らはきっと、普通の恋人同士のように、幸せになれたはずなのに──いいや、こんなことを言うのは、もうよそう。 僕はもう十分いい夢が見れた。 僕の体は病魔に冒されている、それだけは止めることができない。 だけど最期に、こうやって彩花の体を抱くことができて、この世に未練もなくなったよ。 僕と君は、親鳥と雛なんだ。 巣立ちの時が来たようだ。 彩花、こんなパパのために、泣いてくれるのかい? 「ありがとう」 「「僕は生まれ変わって、君のお腹に宿るんだ」」 「「「そしてまた親子として対面できた時、こうやって愛の営みができたらいいな」」」 「「「「さようなら、彩花」」」」 * おわり
13/01/29 00:06
(GeJb3b/P)
投稿者:
(無名)
父親の言葉だけなのに狂気がうまく表現されていて楽しく?拝見させていただきました。
13/02/09 03:06
(iJ8iGDut)
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