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私を守る・・・ (第8話)
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:近親相姦 官能小説   
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1:私を守る・・・ (第8話)
投稿者: ユキダルマ
すみれは何度送っても大樹からは一度しか返信がなかったことに不安を覚えていた
兄と大樹の母の逢瀬に関する情報を知りたいことが本来の目的であったが、それを見たことによる心の動揺が、それとは関係のない大樹とすみれの仲を違えるのではないかと、おかしな妄想までもを引き起こし、すみれの不安を高めていた

すみれは大樹と恋人になって数箇月が経つにも関わらず、未だ大樹に身体を許していないことを申し訳なく思っていた
24才にもなる大人が小娘のように頑なに拒んでいることが、自分でも許せずにいた

正直なところ、すみれもまた世の女達と同様に、はじめは大樹のルックスに惹かれた
それはある種、ブランド物のバッグを買うことと同じような感情だった
しかし交際が進むににつれ、すみれは大樹の優しさや一途さを知り、それはすみれの心にグイグイと突き刺さっていき、今では大樹の全てを愛し、大樹のいない世の中など考えられないくらいの熱情を秘めていた

すみれも本当は、大樹に抱かれたい、大樹に全てを捧げたいと思っていた
だからこそ、大樹と会った日の夜は、大樹に様々な行為をしてもらうことを妄想し、下着を濡らしていた
ベッドで寝転びながら、また、机の上に突っ伏しながら、下着の中に右手を忍ばせていた
大樹に触られたことのない肉壁に中指を這わせ、何度も何度も、体の中心が熱くなるまでなぞっていた
イクことを知らないすみれは、その場所がある程度満足するまで触り続け、小さな声で「ダイちゃん・・愛してる・・」と呟くことが、すみれの自慰行為の終わりの合図だった

しかし、大樹といざその場面になると、拒んでしまう
どうしても前に進めない
すみれは、脳内に「男を怖がる」というプログラムを有していた
愛する者に抱かれたいという気持ちとは裏腹に、男から性行為に関する信号が出されると、体が硬直し、性の分泌物がその供給を止めるという現象が起こる

すみれには、その理由は分かっている
いや、家族全員がそれを知っている

すみれは大樹にもう一度だけメールをしてからベッドの中に潜り込み、、携帯電話を顔の横に握りながら眠りについた・・・





「こんにちは」
「は、はい・・・」

由奈は塾から帰る途中に寄ったコンビニの前で見知らぬ男に声をかけられ、顔を強ばらせながら返事をした
髪をワックスにより少し立てている男は、初対面の人間でも安堵を感じるくらい優しげな表情をしており、ともすれば人を見下しているように見える三分の一ほど閉じた瞼が、由奈の目には仏様の目のように見えたため、その男について何も知らないにも関わらず、由奈は悪い人ではないという印象を持った

「えーと・・確か・・由奈ちゃんじゃなかった?」
「え、はい・・そうですけど・・」
「やっぱりそうだ! いやぁ、間違えていたらどうしようかと思ったんだけど、よかったぁ 不審者に思われちゃうかと思ってさぁ あはは」

男は屈託の無い笑顔を見せながら、由奈の緊張感を解いていったが、由奈にはこの男が誰なのか分からずにいた

「あの・・すいません、どちらの人でした・・」
「あ、あー、ごめんね そうだよね、分からないよね あはは 俺はね、由奈ちゃんのお友達の恵里菜ちゃんのお兄ちゃんの先輩 ごめんね。驚かせちゃって あはは」
「あ、そうなんですか・・でも、なんで私のこと・・?」
「あー、うん・・ちょっと待ってて」

男はコンビニに入っていきドリンクのコーナーで何かを取り、購入して戻ってきた

「はい、どっちがいい?」

男は由奈の目の前にペットボトルに入ったミルクティーとレモンティーを出した
由奈はおずおずとミルクティーに手を出し受け取り、男に促されるままコンビニの端の、段になっているところに座った
男は由奈の横に座り、ペットボトルの蓋を開け一口飲み、由奈もそれにつられ同じように口をつけた
男は唐突に口を開く

「大樹がさぁ・・よく言ってたんだよね」
「はい?」
「恵里菜ちゃんの友達に凄く背の高い子がいるって」
「はぁ・・」
「恵里菜と違って頭が良さそうで、大人っぽくてすごく可愛いんだって、よく言っててさ・・この間、恵里菜ちゃんと一緒に写ってる写真を見せてもらったんだよ・・それで覚えてたんだけど・・そしたら、ここのコンビニに入ってくのを偶然見かけてね・・つい、声かけちゃったんだよ」
「はぁ・・可愛くはないですけど・・・」
「えっと・・由奈ちゃんっていくつなの?」
「えっ? 恵里菜と同じですけど・・13です・・」
「あ、そうなんだ・・あ、そう・・・恵里菜ちゃんってまだ13才だったんだ・・」
「はい・・・」
「えっと、大樹は確かハタチだったよねぇ?」
「確か・・そうだったと思います」

わけが分からない質問をする男と二人で居ることに由奈は居心地の悪さを感じていた

「由奈ちゃんは、彼氏とかいるの?」
「えっ!? いや、いないですよ・・全然・・」
「でも、中学生くらいになったら、彼氏のいるコとかいるでしょ?」
「まぁ・・何人かは・・でも、私はいないです・・」
「好きな人は?」
「えっ、いや、えっ・・・いや・・いないですけど・・」
「あ、そう・・・」

唐突に問われた恋愛に関する質問に由奈は顔を赤らめながら答えた
由奈の頭には、ちょうど大樹の話をしていたせいか、一瞬だけ大樹の顔がよぎった

「大樹さぁ・・」
「はい・・」
「由奈ちゃんのこと好きみたいなんだよね」
「へっ? えっ? 恵里菜のお兄さんが、私をっ?」
「うん・・いつも付き合いたいって言ってる・・」
「いやっ・・嘘ですよね? だって年も違うし・・恵里菜のお兄さんは大人ですよ・・そんなわけないじゃないですか・・」

由奈は否定しながらも内心では高揚していた
アニメの中にしか出てこないような美青年である大樹は、由奈にとって理想の王子様であり、何度か大樹の胸の中で抱かれる姿を想像し自慰をしたこともあったため、男の発する言葉に胸を弾ませていた

「うーん・・でも7才差でしょ? 10才も20才も離れてる夫婦なんていっぱいいるよ」
「いや、それは・・・大人になってからですよで・・私、中1ですよ・・」
「関係ないんじゃないかなぁ・・大樹もそれが気になって・・恵里菜ちゃんとのこともあるし、由奈ちゃんに何も言えないでいるみたいだけど・・由奈ちゃんは大樹のことどう思う? 大樹、なかなかそこら辺に居ないくらいカッコイイと思うけど・・」
「いや、そりゃあ・・カッコはいいですけど・・でも・・」
「タイプじゃない?」
「いや、タイプかどうかって言われると・・タイプじゃない人なんていないんじゃないですか・・? でも、私なんかと付き合ったら、お兄さんが変な目で見られるし・・いや・・うん・・まずいですよ・・」
「ふーん・・そういうことも考えられるんだね・・大樹も由奈ちゃんのそういう大人っぽいところが好きなんじゃないかなぁ・・」

由奈は更に真っ赤に頬を染め、地面に俯いてしまった
由奈は頭の中で「どうしよう どうしたらいいんだろう 恵里菜のお兄さんでしょ? お兄さんが私を好き? ほんと? 付き合うことになったら恵里菜どう言うだろ? 瑞希は羨ましがるかな? どうしよう お兄さんと歩くときは手をつないだほうがいいかな? 腕を組んでもいいのかな? みんなにも見られるのかな? どうしよう どうしよう」と既に大樹と恋人になっている姿を想像していた

「由奈ちゃんさぁ・・」
「は、はいっ!」
「由奈ちゃんから大樹を誘ってあげてよ・・大樹はきっと自分から言えないからさぁ・・たまには行くんでしょ? 恵里菜ちゃんの家に」
「あ、はい・・たまには・・」
「じゃあ、恵里菜ちゃんのところに遊びにきたようなフリして行ってみたら? 恵里菜ちゃんがいない日を見計らってさ」
「いや、あの・・まだ付き合ってもいいとか・・決めてないんです・・けど・・」
「でも、キライじゃないんでしょ?」
「・・まぁ・・」
「一度付き合ってみたらいいよ・・イヤだったら別れればいいんだしさ・・」
「・・・」

男はおもむろに立ち上がった

「それじゃあ、そのうち大樹のとこに行ってみてよ ねっ」
「はぁ・・」
「大樹ね、水曜日と日曜日が休みみたいだから、昼まではきっと家にいると思うよ」
「・・・分かりました・・」
「あ、俺のことは言わないでよ こんなこと仕組んだと知ったら大樹に怒られるからさ」
「・・はい」

男はニコリと由奈に笑顔を見せ、「それじゃあね」と右の掌を顔の横に上げて左右に降ってから、体を反転させて立ち去ろうとした

「あ、あの・・」
「ん?」

男が振り返り、由奈は立ち上がった

「あ、あの・・あの・・その・・」
「ん? なに?」
「こ、紅茶ありがとうございましたっ」
「あ、ああ、いいよ・・・それより、よろしくね」
「あ、は、はい・・」
「じゃあ・・」
「あのっ!」
「えっ?」
「お兄さんは・・恵里菜のお兄さんは本当に私のことを・・・?」

由奈はペットボトルを持ちながら、両手を胸の前で握りしめた
男はまたニコリと由奈に笑いかけ、頭を手で撫でて言う

「うん、確実にね・・だから由奈ちゃんがシャイな大樹のために頑張ってあげて」
「は、はいっ!」

由奈は安堵するように息を吐き、胸の前で握られてるペットボトルを更に力強く握り締めた
男はそれを見て由奈の髪をくしゃくしゃっと混ぜ、体を翻し、駅のほうに数歩歩き、由奈がそれを見守っていると、男は立ち止まった

「あ、そうそう・・」
「?」

男は再度、由奈の前に戻り、由奈に顔を近づけて小さな声で囁いた

「大樹ね・・あれで結構エッチだから・・」

由奈は、これまでで最も顔を赤くして体を硬直して立ち尽くし、片側の口角を微かに上げ、その顔にうっすらと笑みを浮かべて歩き去る男の背中が小さくなっていく様を呆然と見ていた

・・・そういえば、恵里菜と写真なんか撮ったかな・・・?

2012/01/09 00:06:59(rMSyU1qW)
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