当時、幼かった私には奥の部屋で行われた母と彼との行為は理解出来なかった、ただ大好きな母が気になった。
庭の反対に回り込むと風を取り入れる為に窓は全開に開けられカーテンだけが閉められて居る、私はカーテンの隙間から中を覗く。

二人は窓に背を向ける格好で居た、母は横向けで横たわり彼は背後から母の背中や腰の付近に手を這わせて居る、母はじっとしたまま横たわる、彼の手が腰から尻に回ろうとした時、母の手が彼の手を阻止する、彼の手は素直に元の位置に戻り深入りはして行かない。
そこに見る光景は、マッサージでは無く唯、母の身体を這い回る彼の手の動きだった、彼の手は脇腹をすり抜け、先程の様に胸の部分に伸びる、後ろ姿しか見えない私には実際には何が行われて居るのかは解らないが、横向きで膝を揃え折り曲げられていた母の脚が乱れ始め、何かに堪える様に片足だけが、グ～っと伸ばされる。

彼は背後から更に深く母に被さるように身体を曲げて行く、微かに母の吐息が漏れて来る。
彼は被さる身体を起こすと、相変わらず片手は母の胸の辺りを這い、もう一方の手は母のワンピースの背中にあるファスナーを摘まみ静かに、ゆっくりと母の様子を伺う様に下ろし始める。

ファスナーが下ろされる度に母の背中が露に成り始める、日焼けした襟足に比べ母の背中は対称的に白く、突き出た肩胛骨が私には眩しく見える。

母はファスナーを下ろされて居る間も、じっとしたままで彼の指先でファスナーは全て引き下ろされ母の背中が露に成る。
彼の手は露になった母の背中を撫でる様に動き始める、手は肩口に回り腕の方に滑って行く、それと同時に母の肩口からワンピースがスルリと脱げ落ちて行く、彼の指先が脱げ落ちた部分から再び前に回り込んで行く。
母の身体がピクリと震わす、その内に吐息から小さな声に変わる母。
やがて母の身体は向きを変え仰向けに成る、胸を隠して居たワンピースが端だけ母の胸が露になり彼の手は、その胸をゆっくりと揉みくだいて居た。

母は固く目を閉じ時折、閉じた唇を少し開き、小さな声を漏らす。だらりと投げ出した両足、胸を揉む彼の手の動きに合わせるように片足の膝を曲げ、ゆっくりだが心なしか腰を揺らし始める。

立てた膝に彼の手が伸びる、膝を隠していたワンピースがスーと落ち母の太腿が露に成る一方の手は胸を、もう一方の手は露になった腿を撫で始める。
「それ以上はダメ」
部屋に入って初めて母は声を出す。