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1:祖母の日記2
投稿者:
yoU-nakao
七月三日 晴れ
一昨日は、あそこまで書くのが私の限界だった。 あれ以上をあの日に続けて書くことは、正しく私自身の恥辱の限度であ り、理性は間違いなく崩壊の憂き目にあっていたのだと思う。 もっと正直に書くと、あれを書いていた最後の頃、ペンを持っていなかっ た私のもう一方の手は、あろうことか自身の下半身の下着の中に潜り込んで しまっていたのである。 自らの指先で自身の身体の秘部を、私は愛撫していた。 このような淫ら極まりない行為に陥ってしまったのは、六十年の人生で初 めての体験だった。 その行為が自分の意思からだったのかどうか、いま考えても私には明確な 回答が出せないでいるというのが正直な気持ちである…。 六月二十五日の雨の激しく降る山小屋の中に、私と洋二さんはあくる日の 朝方近くまで滞在した。 一度目の私の身体と娘婿の洋二さんの身体の交わりの行為の時、私のほう は確実に抵抗はしてはいなかった。 男のものの挿入を実感した時から、私は私でなくなっていた。 身体の奥底から燃え滾った溶岩のような熱い感情が、小さな私の身体中の 毛穴から、どくどくと溢れ流れ出ているのではないのかという錯覚しそうな くらいの深い官能の淵に、私自身は間違いなく陥ってしまっていた。 「ああっ…いいっ、いいわ…」 洋二さんの腰の律動を実感し、私はただただ身を悶えさせるしかなく、激 しい嗚咽の声を上げ続けるしかなかった。 「ああっ…だめっ…も、もう…い、いっちゃう…」 「お、お義母さんっ…いっ、いきますよっ…」 「しっ、死んじゃう…死んじゃうわ…む、むうっ…」 最後の咆哮は、二人が同時のような感じだった。 そして私は気を失ってしまっていた。 「お、お義母さん、足は…足は大丈夫ですか?」 洋二さんのほうからそういって声がかかったのは、全身に冷えを感じて私 が気絶状態から目を覚ましたすぐだった。 「…………」 私のほうから言葉は返せなかった。 「す、すみません」 理性が戻ってきていたのか、洋二さんのほうから詫びの言葉があった。 「あ、雨がまだひどいようだし…それに身体が冷えてきたから…も、もう 休みましょ」 私のほうからその言葉を返すまでには、時間を数分ほど要した。 下着を穿き半濡れ状態の衣服を身につけて、私は無言のまま寝袋の中に入 った。 洋二さんも衣服を整え、囲炉裏のほうへ動いて、消えかけようとしていた 火を再び起こしにかかっていた。 洋二さんは囲炉裏の傍から、しばらくの間動こうとはしなかった。 全身に重い疲労感は確実にあったが、一人だけの寝袋の中で私はいつまで も眠れずにいた。 疲労感だけではなく、いたたまれないくらいの慙愧の念が、私の身体と心 の中に深く渦巻いていた。 身体の表面は冷えたいたのかも知れなかったが、肉体の中の血液には黒く 熱いものが残っているような感じだった。 「寒いでしょ…こちらへきて入ったら?」 と私のほうから洋二さんに声をかけた。 洋二さんは少しの間、躊躇していた。 「だ、大丈夫だから…私のほうは」 そうして再び狭い寝袋の中で、私と洋二さんの身体と身体が密着すること となった。 理性さえしっかりとしていればという、私と洋二さんの思いだった。 身体と身体の密着で、寝袋の中は見る間に温かくなってきていた。 一時間ほどの時間が経過した。 洋二さんの普通に吐く息が、私の右耳からうなじの辺りに長くかかり続け ていた。 それを避けようと、私は首と肩を左右にずらすような動きを幾度となく繰 り返した。 「ああ…」 唐突に私の口から声が洩れた。 耳の付近に吹きかけられた洋二さんの無意識の息が、私の身体の中に突然 の熱を発情させた。 身体の奥底から急激な熱風が吹き上げてきていた。 官能の焔だった。 まったく私自身予期していなかったこの突然の発情を、しかし洋二さんに 感じさせては断じていけなかった。 狭い寝袋の中で、私は上体だけを大きく揺り動かすことにした。 「ごめんなさいね…」 洋二さんにそう詫びて私は上体を動かした。 しかしその行為が返って逆効果になり、横向きの腋の下から洋二さんの片 方の手を私の身体の前面に潜らせることとなった。 狭い空間の中で、洋二さんの片方の手は自然なかたちで私の左胸に当たる こととなった。 「はぁっ…」 私の左胸に触れていた洋二さんの掌と指先には何の力も入ってはいなかっ た。 私だけが…私の精神と身体だけがそのことを過剰に意識しているだけなの だった。 この時、私は耐えていた。 必死になって何かに耐えようとしていた。 そうしたある瞬間だった。 私の胸の上の洋二さんの掌と指に、いきなり力が加えられた。 「ああっ…いや…」 再びの熱い激情が私の全身に湧き出てきていた。 それはまるで堰を切ったような過激な勢いで、私の全身と精神のすべてを 飲み込むようにして襲いかかってきた。 そのことを洋二さんにも察知されてしまっていた。 私たちは同じことを繰り返そうとしていた。 ブラウスの上から乳房を激しく揉まれる。 Gパンのホックが外される。 寝袋のジッパ-がずり降ろされる。 そして私のほうから洋二さんのほうへ身体の向きを変えていた。 顔と顔が接近状態になる。 唇と唇が接近し口と口が重なる。 長く舌と舌が口の中で絡み合い、唾液と唾液が交流を繰り返す。 自分自身がどうなってしまっているのか、もう私にはすべてがわからなく なっていた。 寝袋の上で私は下半身だけを剥き出しにされて、犬のように四つん這いに されていた。 「ああっ…ああ…あんっ…」 背後から私は挿入を受け、激しいまるで雄叫びのような咆哮の声を上げて 身悶えた。 二度目の挿入を、私は思うさま深く強く実感した。 娘婿であるはずの洋二さんをひどく愛しく思っていた。 私を刺し貫いている洋二さんのものは太くて大きかった。 亡夫との比較しか知らない私は心の底からそう思った。 そうして四つん這いの姿勢のまま、私は洋二さんの精液の全部を身体の奥 深い部分にまで浴びて、再びの忘我の境地の中に自らの意思で陥ったのだっ た…。 朝方近くまで、私たちは愛し合い身体と身体を深く睦み合った…。 六月二十九日の夜、洋二さんから電話が入る。 「麻子か?」 「はい…」 「僕だよ…洋二」 「あなた…」 「いま出張で大阪のホテルにいる」 「………」 「麻子にお願いがある。訊いてくれるかな?」 「なに?」 「いまそこで君が着ているものを全部脱いでくれないかな?」 「え…?」 「麻子の裸を想像したい」 「…わ、わかったわ」 「一枚ずつ言葉に出していって」 「…はい」 「素直だね」 「パ、パジャマの上からね…」 「ああ…何色なの?」 「薄水色…」 「そう」 「ズボンね…脱いだわ」 「いまパンティだけ?」 「ええ…」 「早く脱いで。僕はもういま素っ裸なんだよ」 「…脱いだわ」 「自慰行為ってしたことある?」 「…い、一度もないです」 「じゃあこれから僕のいう通りにして」 「…どうするの?」 「自分の手でゆっくりとおっぱいを揉んでごらん」 「…は、恥ずかしいわ」 「命令だよ、これは」 「…も、揉んでいます」 「気持ちを込めて…僕のことを思い出して一生懸命に揉むんだ」 「はい…」 私は全裸で受話器を持って立ったまま、洋二さんにいわれた通りにひたす らに乳房を揉み続けた。 「次はね、下半身のあそこに手を伸ばして」 「恥ずかしい…」 「いいから早く。僕だってベッドの上でね、自分で自分のものを握り締め ているんだよ」 「わ、わかりました…」 いわれた通りにその部分に手を伸ばすと、かすかにそこが湿っているよう な感じがした。 「…ああっ…な、何かへん…変なき、気持ちに…」 指先で軽く触っているだけだったのに、実際に私は妙な気分に襲われ始め ていた。 立ったままでいることが次第につらくなってきていた。 数分後、私は畳の上に身を横たえていた。 仰向けになり両足を左右に大きく拡げ、片方の手の先で愛撫を繰り返して いた。 私のその部分は夥しいくらいに濡れていた。 ああ、ああ、と何度も喘ぎの声を受話器に向かって上げ続けていた。 このような行為での初めての絶頂感を私は知らされたのだった…。 二章 完
2005/08/15 23:16:46(SkYFjuB.)
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