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思い出のボールパーク
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:BL(ボーイズラブ)官能小説
ルール: ボーイズラブ、男性同性愛の小説をご投稿下さい
  
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1:思い出のボールパーク
投稿者: (無名)
潮風吹く海沿いの球場のことだった。
「あー今日も負けちまったなぁ…」頼れるベテラン・勝也がそうぼやく。
「最近調子悪いですよね…最下位になっちゃいましたし」ルーキー・篤輝は愚痴る。
そんな選手陣を、恭大はグラウンドで見せるクールな表情で見つめる。
「あの人のそばに行きたいな。」そうつぶやいた恭大は、すぐに寮に帰宅する。

寮のトレーニングルーム。そこに居たのは恭大と、新人選手の隆成。
「恭大さん、好きです。付き合ってください」
一緒にトレーニングしようと誘われついてきたところ、突然すぎる親しい後輩からの告白に数秒フリーズする。
好き…?誰が誰を…?
「恭大さん、恭大さん聞いてます?」
「えっああごめん、もう1回言ってくれる?」

聞き間違いかと思い、聞こえなかったふりをしてそう答える。
目の前の男は、はぁ……と大きなため息をひとつ吐くと、再び口を開いた。

「俺、恭大さんのことが好きです。俺と付き合ってください」



聞き間違いじゃなかった…。
聞き間違いだったらどれほどよかっただろう。
隆成が…?俺を…?好きだって…?
状況が理解できず、黙り込む恭大。恭大と隆成を沈黙が包み込んだ。

「え〜〜〜〜〜〜っと」
「はい」
「俺もしかして、告白された…?」
「はい」
すかさず返ってくる短い肯定の言葉に、少しは躊躇しろよ!と内心でツッコミを入れる。
恭大の表情は至って真剣だ。

「それはその…恋人になりたい…の好き…?」
「はい」
「俺と隆成が…?」
「はい」
(さっきからこいつ「はい」しか言わねぇ!!
こっちは突然の告白に頭混乱してるって言うのになんでこんなに平然としてるんだよ!!)

呆れと感心が半々の中、肯定しかしない隆成に、今この場のイニシアチブは自分が握っていることを察する恭大。
聞きたいことは沢山あった。

「なぁ…いつから…?」
「さぁ…?気づいたら目で追うようになってて。あのヒットを打つ姿。いつも隣にいたくて、他の人が恭大さんの近くにいるとモヤモヤして、恭大さんが頼るのは俺だけがいいとか、恭大さんが笑いかける相手は俺でありたいとか、そういう独占欲じみた感情が
「ストップ!!わかった!!もういい!!」

恥ずかしい台詞をつらつらと述べる隆成に耐えきれなくなった恭大は、すかさず静止する。
組んだ掌に額を近づけ、見上げるように隆成の方を見た。

「それで俺、恭大さんのことが好きなんだなって」
付け足すように隆成がそう言った。
先程と変わらず、その表情は真剣だ。

「なんで…俺なの…?」
「分かりません。好きになった人が恭大さんだっただけなんで」
またストレートに好きと言われ言葉に詰まる。
目の前の男はさっきから恐ろしいほど真っ直ぐに気持ちを伝えてくる。
それが少し怖かった。

「返事は今じゃなくても
「いや、いい」
きっとこういうのは先延ばしにしない方がいいだろう。
まだ混乱はしているけど、自分の気持ちははっきりしている。

「龍成」
「はい」
「まずは、俺のこと、俺なんかのこと好きになってくれてありがとうな」
隆成に嫌われているとは露ほども思っていなかった恭大だが、どういう感情であれ好かれているというのはやはり純粋に嬉しいので、素直に感謝を述べる。
そこまで言うと、隆成がテーブルの上の拳をきゅっと握った。
恭大は言葉を選びながらゆっくり続ける。
「俺も恭大のこと、チームメイトとして後輩として大好きだし尊敬してる。でも、それはやっぱ壮真が向けてくれる好きとは違くてさ。壮真の気持ちはすげぇ嬉しいけど…ごめん。壮真さえよければこれからもチームメイトとして仲良くしてほしい」
素直な気持ちを伝える恭大。壮真が素直に伝えてくれたので俺も素直に言葉にしないと失礼だ、恭大はそう思った。
恭大は恐る恐る隆成の表情を伺うと、少し答えをわかっていたかのような表情の壮真がいた。そのまま隆成がゆっくり口を開く。

「引かないんですか…?」
「え?」
「気持ち悪くないんですか?自分のこと恋愛対象で見てるやつが傍にいて」
少し苦しげに表情を歪めながら、隆成がそう呟く。
(こういうところは律儀なやつだよ本当に…)
「隆成は隆成だろ?気持ち悪いなんて思うわけない」
「っ…」
変わらず素直な思いを伝えると、隆成は少し照れたように俯いた。
やっぱり、隆成は俺にとってかわいい後輩だ、恭大はそう思った。
「おいおいさっきまでの自信ありげな感じはどうした〜?」
恥ずかしがられるとこちらも恥ずかしいので、隠すようにちょっと煽るようなことを言ってみる恭大。
すると拳で目を拭うような動きをし、隆成がこちらを見た。

「え、泣いて…」
「ああすみません。フラれたから泣いてるんじゃなくて、嬉しくって。絶対引かれて気持ち悪がられると思ってたから」
「え、そんなに?」
「もう口も聞いてくれないかと」
そう言われてちょっとムッとする。恭大。
(なんか言う割に俺への信頼度低くない?)

でも、と壮真が続けた。
「これからも俺、恭大さんの隣にいていいんですよね?」
「隆成がいたいなら」
「俺の気持ち、否定はしないんですよね?」
「好いてくれてるのは嬉しいし?」
「じゃあ恭大さんのこと、好きにさせる努力してもいいですよね?」
「好きにしろ…ってえ?なんだって?」
「言質、取りましたよ。訂正は受け付けません」

慌てて隆成の方を見ると、今日イチ嬉しそうな表情をしている。

(俺もしかして、なんかとんでもないこと言ったのでは…?)
恭大はヒヤリと汗が垂れるのを感じたが、時すでに遅し、あまりに隆成が嬉しそうで訂正できる雰囲気ではなかった。

いや好きにさせる努力って…?
一体これから俺に何が待ち受けているというのだろうか、恭大はそう思った。

「恭大さん、俺の本気、見ててくださいね?」
隆成の…本気…
嬉しそうな隆成に苦笑いで返す恭大。

本気の隆成に恭大が振り回されたり振り回されなかったりするのは、また別のお話…かもしれない。
 
2025/05/12 22:30:31(ipT7azzk)
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