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揺れ動く人妻の心 2
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:女性向け官能小説
ルール: 女性目線のエロス、恋愛要素を含むなど、女性向けの小説をご投稿下さい
  
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1:揺れ動く人妻の心 2
投稿者: black
食卓に向かい合い、夫の他愛ない一日の報告を聞きながら、彼女は時折うなずいた。仕事での小さな失敗や、上司の冗談。聞き慣れた話題。聞き慣れた声。
 安心できる声だ、とあらためて思う。
 ふいに、テーブル越しに夫の手が伸び、味噌汁のお椀を取る。その何気ない仕草を見つめながら、彼女は胸の奥にある揺らぎをそっと押さえ込もうとした。
 食後、夫はソファでうたた寝を始める。テレビの光が、穏やかな寝顔を照らしている。その表情に嘘はない。自分を信じきっている、無防備な顔。
 そのとき、ポケットの中でスマートフォンが震えた。
 ——また彼だろうか。
 鼓動が一瞬、強く跳ねる。けれど取り出してみると、画面には友人からのどうでもいい通知が表示されていた。安堵とも落胆ともつかない感情が、胸の奥に広がる。
 彼女は静かに立ち上がり、ベランダに出た。
 夜風が、火照った頬を冷ます。遠くのマンションの窓明かりが、無数の小さな生活を映している。それぞれが、それぞれの選択を抱えているのだろう。
 スマートフォンを開く。
 未読のままのメッセージが、そこにある。
《また、ゆっくり話せたら嬉しい》
 その言葉は、責めるでもなく、急かすでもなく、ただ静かに彼女を待っている。
 指がキーボードの上をさまよう。
 「私も、話したい」
 そう打ちかけて、消す。
 代わりに、深く息を吸った。
 ——何を求めているのだろう。
 彼に会いたいのは、彼自身なのか。それとも、彼といるときに思い出す“昔の自分”なのか。
 夜空を見上げる。雲の隙間から、淡い月がのぞいている。
 彼女はゆっくりと文字を打ち込んだ。
《ありがとう。嬉しかった。でも、今はこのままにしておきたい》
 送信ボタンの上で、ほんの一瞬だけ指が止まる。
 そして、押した。
 小さな送信音が、夜に溶ける。
 胸が締めつけられるように痛んだが、不思議と涙は出なかった。代わりに、静かな決意のようなものが、じわりと広がる。
 部屋に戻ると、夫が目を覚まし、ぼんやりと彼女を見上げた。
「寒くない?」
 それだけの言葉。
 彼女は小さく笑い、「大丈夫」と答える。そして、隣に腰を下ろした。
 肩が触れ合う距離。体温が伝わる。
 ときめきとは違う、深くて穏やかな熱。
 夕暮れに揺れた心は、完全に静まったわけではない。きっとこれからも、時折波立つのだろう。それでも——
 彼女は自分で選んだ。
 守ると決めた日常を、ただ惰性ではなく、もう一度自分の意志で抱きしめることを。
 テレビの光が、ふたりを淡く照らす。
 夜は静かに更けていく。
 そして彼女の胸の奥には、消えない小さな灯りが残った。
 それは禁じられた炎ではなく、まだ自分が「女」であるという、確かな証のように、静かに揺れていた。
 
2026/02/13 19:00:49(0OL19ofD)
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