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1:夜の魔法使い
投稿者:
浦島プウ
乾いた冷たい風が吹く一月も半ばのことだった。
大学も始まったばかりだったが試験の準備の傍ら故郷に戻ることになったのは地元の同級生で集まろうということになったからだ。成人式は取りやめとなったが恩師も交えて旧交を温めようとそんな内容だった。 駅まで迎えに来てくれたのは近所の幼馴染で地元に就職していた篠崎ありさだった。 「少しやせたね」 高校は別だったので5年ぶりだったが少しほっそりとしたようだ。 「あなたこそ痩せて顔色も悪いわよ」 お月様のような丸い顔に悪意はみじんも感じられない。 「今日はオナペットが来るんでしょ」 しかし直後のその下品なジョークに耳を疑うことになったのはほんの些細な出来事を思い出したからだった。 白石恭子。担任の先生はまだ二十代半ばで水泳部の顧問でもあった。 「おい。おい。やだ。岡本君もうテント張ってるよ」 それは一瞬の幻影だった。 ありさの運転する軽自動車で会場のホテルに向かう。 「ほらほら一本抜いとく」 駐車場の隅に止められた車の中で 「私ならいいんだよ。もう車の中で百回以上やってるよ」 ざらざらとした感触はありさの舌が当たっているのかフラットに倒された座席であっけなく一本取られてしまった。 口内に発射された一擲をありさはティッシュに吐き出した。 「いっぱい出たね。すっきりした」 そこには見知らぬ女の顔があった。 ホテルにはすでに出席者みな到着して入浴も済ませていた。 丹前と浴衣姿の中に懐かしい恩師の姿を発見した。 『これはいけないことなのよ』 教室の隅に手招きされ試験用紙の裏に書かれた文言について小言を聞いた。 『お願いしますって。先生首になっちゃうでしょ。もう少し大人になったらしてあげる。約束するわ』 宴会が終わり部屋に戻るとき通路で先生を見かけた。 手招きをされるまま個室に案内された。 「岡本君。待ちくたびれたわ。もう限界よ」 明かりが消えた。 唇を合わせる。 暗闇の中で魔法使いは箒にまたがり待ちに待った貫通式を自らの腰の動きで執り行う。 「蜘蛛の巣取っ払ってすっきりしたわ」 え。 先生は処女だったのか。
2021/02/07 06:38:24(7fOKpglV)
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