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変態おじさんとメンヘラちゃん
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1:変態おじさんとメンヘラちゃん
投稿者: 家畜ブーメラン
空はどんよりしていて湿度が高いから、私を保護してくれているこのゴシックロリータの中は汗まみれだ、母親が送るからと言ってきたけど駅から歩くことにした、マップで時間見たら25分ってなってたから甘くみていた、底の厚い靴だし、でも毎日散歩一時間はノルマだ、このまま薬の量が減らないと多分もっとぶっ壊れてただの人形みたいになっちゃう心配だって元気がいい時はする、楽しい時期が終わって梅雨と共にまた下がっていくのは怖かった。
 病院の中の空調はばっちりだった、お医者さんが普通に仕事しているのはもう理解している、下がっていく途中だからあまり心配していないのも、そう本当に怖いのは暗闇が終わって明るい空が見えてきた時にその元気が空を飛ぶ勇気になってしまうこと。
 過去のことは気にしないで、そんなのわかってるし過去なんか気にしたら反省で生きるの嫌になっちゃう、かといって強く普通になろうって努力するとそれはそれで挫折感がきつい。 いつもの薬を処方されて、病院の前の薬局に、平日の午前中なのに私しかいない、薬剤師さんこんないるのに商売成り立つのだろうか?熱帯魚の水槽を見ながら薬が出てくるのを待つ。 そこにおじさんが入ってきた、50才くらいのおじさんなのにロックのバンドTシャツにハーフパンツにドクロ書いてある、白髪混じりの髪はベッカムヘア(笑) お笑いの出川さんに似てるかな、薬が出てくるの待つ間にすることなんて無い、今日は医者に来るのをメインにしたから午後を空けてしまった、心の向くままに体の求めるままにが一番いいって医者は言うけれど、私もおじさんも同時に呼ばれた、彼が初めてお薬もらうのは衝立の向こうの会話でわかる、薬は飲みたくないって先生には言ったんですよ、今とっても状態良くて、これも押さえたらって納得してなくて、あーそうですか、はいすいません。 薬剤師に言っても無駄ってわかったのだろう、彼の心が閉じて拒否モードになったのがわかった、同じなんだな、理解しあえちゃうから同じ体質の人とは深い関係、同性だったら友人、異性だったら恋人、これがとても危険な取り合わせなのは身を持って知っている。 
 調子いいみたいだから話しかけて来るかも、今度は坂道をゆっくり下るその間に音楽の話しくらいならしてあげてもいい。 私もこれはもう違う病気、薬局の外に出たおじさんと目があうとつい目で挨拶しちゃう、可愛く見えたかな、バリバリの躁状態だった、30分の駅までの間にずっと一方的に自分のこと話してる、私もそういう時があるからわかるよ、駅の手前のマンションに一人暮らしだった、ごめん部屋掃除するから、おじさんは汗だくだ、男性にも更年期になる人がいるのは知っている、エアコンのドライかけてくれて少し楽になる、私も実は汗でもうビチョビチョ、風邪はひきたくない、あのー変な意味じゃなくて、ほら私の服って暑いんです、中はもうおじさんくらい汗かいてて気持ち悪くて、シャワー借りていいですか、あとこれも。 収納が無いからTシャツやその他は作業テーブルの下に綺麗にたたまれて積まれていた、ユニットバスはシャワーカーテンが無かった、あんまり使われてないのがわかる、冷たいシャワーで体温を下げると少し楽になった、でもバッチリメイクだけはキープする、髪を洗って乾かすのすら面倒くさいって時期に短くしてからそのままだ、レオンのマチルダを狙ったけどあんな美人じゃないのは百も承知、男性用のボディソープ、一時期かっこいい役者さんがCMに出てたっけ加齢臭をやっつけるって、女性が嫌がるように加齢臭が出るようになるって一度調べたことがある、娘と父が関係持たないようなしくみでもあるって知って、なるほどって納得した、でもうちは母子家庭、調子いい時は毎日でもエッチしたい、お金もらってしたことだってあるけど、もう覚えていない。 一度赤ちゃん出来たことがある、誰が父親なのかわからなかったから母と医者に行って、それからピルは飲んでいる、三ヶ月前に春の訪れと共にそういう時期になったからその時は毎日色んな人とした、女の子とも、楽しかったし病気ももらわなかったのはラッキー、ちょっとした性病はもう慣れっこ、今日は全然そういう気分じゃないけど、何もする気が起きないし、交代でおじさんにもシャワー浴びてもらった。
 キッチンの換気扇の下には飲みかけのビールとタバコ。一本もらって吸うととっても美味しい、ビールもだった、
机の上のノートパソコンには私が好きって言ったビジュアルバンドのMVが見れるようになっていた、優しいねきっと25年前はかっこよかったのだろう、出川さんだって若い頃の写真はけっこうイケメンだ、これは趣味の問題よね。
 ふーんSF読むんだ、村上龍が好き、こっちはジャズの本、躁鬱関連の本、それに作りかけの模型、描きかけの水彩画、それに楽器、そっかあ私は想像できない25年後50才の自分、有名女性デザイナーみたいなかっこいオバサンになれたらいいけど、一つのことに興味が続かない、スケッチブックを借りて2Bで着てみたい服を描いてみるけど、もうゴスロリも卒業って感じてる、そしたらどんな服着ようかな。
 「あのさーこの前ねアイドルのテレビ見てたんだ、テレビ無いからアップされたやつだけどさ、クレオパトラみたいな顔した癖のある美人でね、なんか自分たちでコント作って発表って、そうこれ見てよ。」
 おじさんは早口でまくし立てると動画を再生して見せてきた、死にたくないからそれが生きてる充分な理由になりますよねと、美しい顔のアイドルが切実にカメラを真っ直ぐ見てきた。 ああこの子も生きるの大変なんだろうなあ、頭良くて美人でアイドルで、でもきっと本当の幸せやしたいことが違うって知ってる。
 画面の右に通知が出る、13時からジム 15時からプール おじさんは照れながらもうお酒飲んじゃったから、ごめん君に何かメリット無いと悪いよね、お金あげれたらいいんだけどさ、生活保護でさ、今月まだ半分もあるのにもうけっこう使ってしまったし、じゃあ楽器教えて下さい、何度もトライしては諦めて、その繰り返し、そしたら鍵盤か打楽器だと、弦楽器は難しすぎるからと彼は言う。 おじさんは丁寧で本気で楽器に興味持ってもらいたいと色々教えてくれる、この人はこれで何とか救われて今を生きている、私の何倍も長く苦しんでここまで生きてきた、これから少しの時間だけでも私は彼の天使になってあげられる。
 第一章 終わり
2023/06/15 10:18:47(rIV4gOS6)
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