社長の人気はネットが普及した今，全国に広がっている。


先日の出張先のホテルでのこと。

社長：「お疲れ様，菱木君の機転が効いたわね，お手柄よ」

僕：「社長の受け売りですよ，発想の転換ってやつです」

社長：「褒めてもビ－ルしか出さないわよ，これだって皆には内緒なんだから」

僕：「知ってますよ？皆にもしてますよね？でも社長のそういう所，好きです（笑）」

社長：「あらっ，内の社員は意外に狸ね・・・皆，本当によくここまで付いてきてくれたもん。なにもご馳走できなかったし，貧乏会社だから相部屋しか無理だったしね」

僕：「皆社長が好きなんですよ。僕なんか相部屋で嬉しかったんですから。今は贅沢させてもって相部屋じゃないから寂しい位です」

社長：「あらっ，ボ－ナスは上げないわよ？それとも，おばさんを泣かせたいのかしらね」

僕：「十分に頂いてます。
社長は綺麗な方です，ワインと同じですよ」
社長：「悪かったわねビンテ－ジワインで」
僕：「社長！価値も味も別物になるでしょ？そういう意味です。僕の独身の叔母は社長みたいに綺麗じゃありませんし，社長は10才お若いです・・・すいません」

社長：「（笑）なんで謝るの？まだ女かしら私？だとしたら相部屋は危険だわ！
（笑）冗談よ，や～ね，怒んないの。
これでも一応は手入れはしてますからね，お客さんにみっともない姿は見せたくないし。
ありがと，菱木君」

僕：「社長はそんなにお綺麗なのに，なんで独身のままなんです？」

社長：「あらっ，やっぱりそう思う？（笑）気がついたらもうこの年になっちゃった，それだけよ。
今更再婚もね・・・男はね，たま～に欲しいけど，なんてね。
酔っ払ってるな私，今のは絶対に内緒よ」


社長は誰にでも好かれる気さくな人だ，だから俺も好きなんだと心から思うのだった。