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雨乞いの生け贄少女
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:空想・幻想小説
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1:雨乞いの生け贄少女
投稿者: (無名)
その年、殿様が治める山間部の盆地は、雨が少なく田畑の稔りが殆ど無いのでは、と危ぶまれていた。
寺の坊さんや神社の神主が雨乞いの祈祷をしても、雲さえ広がらない。
領民の殆どを占める農民に、不穏な空気が広まった。
殿様を始めとして、武士達も危機感を募らせ、山奥の谷川から水を引く農業用水の建設を始めたが、それが完成するには半年以上掛かる。
働いてる人夫もやる気がないし、何より今枯れている作物を生き返らせるには、全く手遅れだった。
お城の奥で、殿様、家老等の重臣、寺の住職や神主、城下の大きな商人、それに農民を束ねる大庄屋などで、秘密の会議が開かれた。
「雨乞いに、人身御供を出しては..」
「それで雨が降るのか?」
「とりあえず、領民の関心をそちらにかわすのでございます。
このままでは、近々一揆や打ち壊しが起こりますぞ。」
「人の命を差し出すとなると、余が悪者になりはせんか?」
「領民どもは、目先の雨が必要なのです。
雨が降れば、人身御供を出してまで雨乞いをした殿様のおかげ。
雨が降らなければ、人身御供が可哀想など言ってはおれますまい。」
「よかろう。人身御供を出すとしよう。
して、人身御供となる者はどのような者が良いのじゃ?」
「それは、昔より、出来れば若い未婚の女か少女、それが無理なら見た目が美しい若い既婚の女性でも良いとされています。」
武士も商人も、そして庄屋も、出来れば自分の関係する中から人身御供は出したくなかった。家中に若い未亡人等でもいれば、家老は「殿の仰せじゃ」と人身御供になることを命じられたのだが、生憎小さな藩の中には、そのような者はいなかった。
寺の住職、神主、商人、そして大庄屋達は、もっと人身御供の内情を知っていた。
人身御供として差し出された娘は、神様に捧げられる前に、世話役や寺、神社の関係者等に弄ばれたあげく、口封じに殺されるのだ。
10年位前に、飢饉で一揆が起こりそうな時、人身御供の少女が差し出されたが、今会議に出ている大庄屋や住職や神主が散々慰み者にした。
その時に、一揆の首謀者となりそうな者を連れてきて、一緒に少女を犯させたのだ。
おかげで首謀者は百姓たちを裏切り、一揆は立ち消えとなった。
ぼろぼろにされた少女は、気を失ったまま、深い谷底に放り落とされて亡くなった。
人身御供となった少女の家族には、わずかな米と、翌年から数年間の年貢が免除されただけであった。

領地の片隅に、山沿いの小さな田畑を耕す母娘の家族がいた。
姉の名は春で12歳、妹は冬で10歳だった。
父は早くに亡くなっていたが、姉妹が母を助けて暮らしていたが、今年の干ばつで、川から離れた一家の田畑は、作物が全て枯れてしまった。
庄屋さんから、殿様が皆を助けるための人身御供を募ってる、という話を聞いた時、春は母にも妹にも話さずに、その足で庄屋さんの家に行った。

「春。お前、人身御供とは何なのか分かっているのか?」
「神様に食べてもらって、その代わり雨を降らせてもらうって聞きました。」
「大体そうだが、つもり死ぬんだぞ!
それが、分かってるのか?」
「はい、どうせいつかは死ぬのなら、お母さんや妹のため、ご近所さん達のため、そしてお世話になってる庄屋さんやお城の殿様のために死にたいです。」
庄屋さんは困った。
確かに人身御供の少女を自分の治めている集落から出せば、殿様や重臣の方々には覚えが良くなるだろう。
しかし、この春と言う娘は良い子過ぎる。
もったいない!可哀想だ!
もし豊作が何年も続いて村が豊かなら、わしが仲人をして、家が豊かで優しい男と結婚させたい、とまで思う程の少女だった。
それに、本当に清い身体で神様の元に行けるのなら、きっと来世で良い報いもあるだろう。
しかし、あの城下の寺の坊主や神主や、農民のくせに威張ってる大庄屋達から回されて、汚されたあげく、口封じに殺されるのだ。
死ぬ時の悔しさや怨みで、とても成仏も出来まい。
庄屋さんは、一度帰って母親に相談してくるようにと言うつもりだった。
そこに、城下から至急の使いが来た。
春は農民だから庭で控えていたが、表玄関の方で使者が、
「人身御供の件、急がれたし。
ご家老が、息女を差し出すと言っておられる!」
と伝えるのを聞くと、玄関の外に回り、
「庄屋様、私、行きます!」
と使者に聞こえるように言ってしまったのだった。
使者の侍も、驚いて春の方を振り返った。
庄屋さんは、
「無礼者!春、庭に控えておれ!」
と叱りつけたが、使いの侍は、
「よい!
その方、人身御供に志願いたすか?」
と春に直接聞いてしまった。
「いたします。
私で殿様のお役にたつなら、喜んでまいります。」
もう、だめだ!
庄屋さんは、頭を抱えた。
「ご家老が息女を差しだそうと言う時に、領民にそなたのような年少にも関わらず忠義者がおるとは、なんと言う幸い!
そちは、名はなんと申す?」
こうして、春が人身御供となることは、その日の内に決まってしまった。
 
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2021/09/28 11:41:05(1JOHKIKo)
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