私は重い足取りで駅にむかっていた。
今日も一日が終わり電車に揺られ地方の自宅へ帰る。
ふと、視線の先にうずくまる人のようなものを見た。
やはり人である。
しかも、段ボールの中に入っている。
私は足をとめ、じっと彼女を見た。
微動だしないでうずくまってる。
なにしてる? 私は声をかけた。
やや間があって
「飼い主をさがしてる」と答える
「飼い主?なんの?」
わけがわからない
「私の飼い主、育ててくれるひと」
「なんだそれ、金で自分を自分の人生を売ってるのか」
「そうだよ、おじさん買ってくれるの?」
「いくらだ?」興味本位で聞いてみた
「1万円」
俺は笑い出した。
「よし、買ってやる」
みすぼらしい格好なので百貨店で服などを
買ってきて着替えさせた。
「責任もって最期まで飼うんだよ」冗談の様に言われる
なに言ってんだと思いつつ、家につれて帰ることにした。