プロレスじゃとても食っていけない、そう思っていた時にインストラクターの仕事が舞い込んできた。
格闘経験のない男女に基礎的なトレーニングやロープワークといったプロレスのを教えるという内容だったが突然の申し出は怪しさがいっぱいで、それでもアルバイト感覚で俺は請け負ってしまった。
ちゃんと報酬の支払いもあったし、体格はなかなかいい部類だがぎこちない男女を相手にするというのはその通りだったので、最初の数ヶ月はむしろやりがいを感じていたぐらいだ。
しかし「なにをする為に練習をしているのだろう?」と疑問に思ったことが、いわゆる地下プロレスの存在を知るきっかけに、そして地下プロレスラーとして生きるきっかけとなった。