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色情霊・節子さん
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:空想・幻想小説
ルール: あなたの中で描いた空想、幻想小説を投稿してください
  
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1:色情霊・節子さん
投稿者: (無名)
『俺、全然霊感なんてないから。』、よく聞く台詞ですが、僕もそうでした。霊感など感じたこともなく、金縛りなどにも無縁なヤツでした。

『先輩!心霊写真とりに行きましょう!』、後輩にそう言われたのが、仕事中だった午前中のことでした。
『この辺に心霊スポットがあるんですよ。行きません?』と言われ、『行くかぁ~!』とノリいい返事をしてしまう。
一仕事を終えた午前11時。後輩の運転する車に乗せられ、とあるトンネルに向かっていた。『お昼だから、怖くない。』、そう心に言い聞かせていた僕でした。

ところが、そのトンネルに出向くと、まるで雰囲気が違っていて、霊感などないと思っていた僕のセンサーがビンビンと反応をするのです。
車はトンネルに入り、僕はシャッターを数回押します。真っ暗なトンネルにフラッシュがたかれ、僕は怖くて目を閉じていました。

帰り道、スマホでそのトンネルについて調べました。危険度MAXの超有名スポットだったのです。写真には幽霊らしきものは、何も写ってはいませんでした。
ただ、訳の分からない光が斜めに横に走っていました。『フラッシュがガラスに反射しただけ。』と、僕はそう結論づけたのです。

家に帰って更に調べると、そのトンネルで一家心中したとも掛かれています。それが本当なのかはわかりません。
しかし、僕はしてはいけないことをしたのでは?思うのです。

それから、2ヶ月くらい経ったでしょうか。季節は夏になっていました。エアコンが切れ、寝苦しくなった僕は、明け方の4時に再びエアコンをつけました。
そして再び眠るのです。

それは変な夢で始まりました。布団の中にいた僕が見上げると、視線の先には真っ赤な女性用の帽子が掛けてあるのです。
『あんなところに帽子あったっけ?』と寝ぼけていた僕は、そんなことを考えます。
その帽子をよく見ると、モデルのような綺麗な外人の女性がそれを被っていて、僕を見ているのです。
寝ぼけている僕はそれでもまだ、『あの帽子なんだろう?』と見つめる女性よりも、真っ赤な帽子の方が気になっていました。
一度、目を閉じました。再び開くと、その女性が真っ赤なドレスを来て立っていて、腕を組みながら、僕を見ているのです。
さすがの僕も、異変に気づきました。頭が働いていないのに、とっさに部屋を飛び出そうとしているのです。
そこまででした。数人のマッチョな男達にに押さえ込まれていく感覚。布団を飛び越し、身体が床に埋まっていくような感覚でした。

平穏な時間になりました。身体は固まっていて動かせず、『これが金縛りかぁ。』と冷静に判断出来ています。
母を呼ぶことにしました。『かぁちゃーん!』と大声で呼べば、一階にも聞こえるはずです。しかし、『ハァ、ハァ、ハァ。』と声が出ません。
お腹に力が入らない人間って、こんなにも声が出せないのです。

僕は目を開くことを考えます。『金縛りの時って、目を開けるといるらしいよ。』と聞いたことはありました。それでも、薄目で開いて行ったのです。
真っ暗でした。夜中の世界でした。薄く家具のシルエットは見えていますが、深夜の世界です。
しかし、よく考えると夏の5~6時です。もう明るいはずですが、この時の僕にはそれを考える余裕はありません。

そして、ここから訳の分からない世界が始まりました。顔を傾けたまま動けない僕。目の前には大きめの本棚のシルエットがあります。
ぼんやりと眺めていると、少し目もなれて来ます。最初シルエットだった本棚でしたが、並んでいる本まで見え始めてきます。
ぼんやりと、『あれ、アニメ雑誌だよなぁ。』と考えるのです。すると、視界の外から一人の女性が現れ、その雑誌を取ろうとするのです。
その女性は青白く、少し光っているようにも見えました。不思議なのですが、目も閉じれなくなっていた僕は、その女性を怖いとは思わなかったのです。

いま思えば、今の時代の方ではありません。昔の映画に出てくるような、戦時中を思わせる古くささがある大きなエプロン姿でした。
姿勢と仕草から、60歳のおばさんに思えます。おばさんは、その雑誌を僕に手渡そうとしました。しかし、手には何も乗っておらず、渡す仕草だけでした。
おばさんの手は、そのまま僕の傾いた顔を戻し始めます。なんか石と石が擦れ合うような、とても重い物が動いていくように、僕の頭は天井に向けられました。

瞬きが出来ました。目も多少動かすことが出来て、僕の身体も僅かにいうことをきくようです。目が動かせる僕は、そのおばさんを探しました。
足元におばさんが立っていました。その時、初めてそのおばさんの顔が見え、60歳に思えた女性はもっと若く、40歳くらいだと分かったのです。
女性は胸に赤ん坊を抱えていました。着物を肌けさせて、赤ん坊におっぱいを飲ませています。ほっこりとする姿です。
しかし、僕はおっぱいをあげている、その女性の胸ばかりを見ていたのです。

怖さは不思議に飛んでいました。訳も分からないこの世界が、『これ、夢なんじゃないか?』とさえ思え、『だったら何でも出来る!』と強気にさせたのです。

おっぱいをあげている女性を直視していました。普通なら、目を背ける場面ですが、夢だと思っているからそれが出来るのです。
赤ん坊が口を離す度に現れる女性の乳首。僕はその瞬間を楽しみに見ているのです。
エプロンはいつの間にか無くなっていました。古い着物かは、今の時代の方でないのは分かります。その女性を、なかばストリップ気分で見ていました。

母が階段を上がって来ます。朝7時になったので、僕を起こしに来るのです。階段を掛けあがり、僅かな廊下を歩いて来ます。
『どうしよ!こんな姿見られたら、なんて言おう?』と考えます。女性はまだ赤ん坊におっぱいをやり、そして最後に僕を見たのです。
その瞬間でした。トトロの真っ黒クロスケのあのシーンのようでした。真っ暗だった部屋が、その黒い部分が走り、朝7時の世界に戻したのです。
扉が開き、『起きなよ。』と母でした。その母が『エアコンくらい消して寝てよな!さぶっ。』と言って降りていきました。

部屋は想像以上に冷えていました。しかし、僕のパジャマは、変な汗でベットリ。そして、女性の立っていたと思う場所にも謎の液体が落ちていました。
本棚を見ました。ほとんど飾りとなっているアニメ雑誌が並んでいます。
うっすらとホコリをかぶっている一部が、人が指でかいたように、そのホコリが削られているのです。やはり、あの女性はここにいたのです。


 
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2018/02/15 17:49:50(jKHUr0BH)
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