市立図書館に、とても魅力的な図書館員がいる。
年齢は30代だろうか…メガネの奥の涼やかでキリッとした瞳に、たまらなく惹き付けられる。
受付カンウターの中で、静かにテキパキと仕事をこなしている姿を眺めているだけでも、満足だ。
だが、今日は何だか様子が変だ。いつものテキパキ感がなく、時折ビクッと震えている。
よく見ると、後方にいる管理職らしき男性がニヤニヤしながら、手元のリモコンらしきものを動かしているようだ。
私は、適当に数冊、本を手に取り受付カンウターに向かった。
静かな図書館なので…かすかなモーター音が聞こえる。
『聞こえますよ…』とささやいて、私は本と一緒に小さなメモを渡した。
『変態図書館員さん…メール待ってます。メルアド…』
その夜…一通のメールが届いた。
『○○市立図書館の者です。メールするように言われたので…』