僕には自慢の彼女がいる。4つ年上の32歳。
凛とした顔つきの美人で、仕事が出来る。
おまけにスタイルもいい（Eカップ）。
近寄り難さすら感じる彼女の普段の表情が、
笑顔で綻ぶ瞬間は僕だけの特権だ。

プライベートでは時間にルーズな面もあるが、
そうした短所も抜けてるとか天然といった類の愛しさを感じる。
最近では2人の将来を考えて、多忙な以前の職場から、
よりライフワークバランスの取れる今の職場へと、転職までしてくれた
彼女を僕に紹介してくれた知人女性には、感謝してもしきれない。


そんな彼女と僕は、少し前まで食事をしていた。つい20分ほど前の幸せな記憶だ。
スマホを片手に、電車の心地よいリズム揺られながら彼女との会話を思い出す。
彼女の遅刻をからかう所から始まって、付き合って半年のお祝い、
お互いの仕事の話、最近読んだ本の感想、2人で参加する知人女性の結婚式、
そしてこれからの事・・・。思い出すだけで顔の筋肉がゆっくりと弛緩してしまう。

幸せな思い出に浸っていると、不意にスマートフォンから通知がきた。
彼女からLINEの返信が来たのかと思ったが、友人からだった。
既読をつけず、友人とのトークルームにさっと目を通すと、
すぐさま彼女とのトークルームに移った。既読はついているが返信はない。
毎度のことだが意味もなくやきもきする。

（気でも紛らわしたい）

そう思ってスマホに指を滑らせ,
検索エンジンのアイコンをタップすると、
いきなり閲覧履歴のページが飛び出してきた。

やや面喰らいながら画面を見ると、身に覚えのない履歴がいくつもある。
『結婚式 会場』、『招待状 書き方』、『式場　料理』、『彼　浮気　不安』 。

彼女の悪戯だろうか？

その後も愛され女子のうんちゃら、芸能人のゴシップニュース、
彼女の以前の職場の合併の記事、国際的な事件の動向など、
僕の記憶にない履歴が大量に並んでいる。

（こっちがトイレで外している時にやったな・・・）

そう思いながらページをスクロールしていると、思わぬ履歴が目に留まった。

「淫乱雌豚ユリ　本日のご報告　ネット調教待ち合わせ掲...」

彼女の名前が入ったページだった。