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1:未開の花嫁
投稿者:
erabenovel
鬱蒼とした密林の奥地で、ルナは額の汗を拭いながら進んでいた。南米大陸の未踏ジャングル深部、古代遺跡の手がかりを求めて探検を続けて早四日目。地図もコンパスも役に立たない密林で、彼女は完全に道に迷っていた。
「まったく、こんなところで遭難なんて笑えないわ」 金髪をポニーテールに束ね、汗で肌に張り付くサファリシャツの不快感に眉をひそめる。二十六歳、独身。大学教授の依頼で遺跡の調査に来たものの、現地で雇ったガイドとはぐれて丸二日。水筒の水も底をつきかけていた。ふと、前方から奇妙な太鼓の音が聞こえてきた。ドン、ドン、ドン……リズミカルで、どこか荘厳な響きが密林を震わせている。ルナは好奇心に駆られ、音のする方へと足を向けた。丈の長い草をかき分け、木々の間を抜けると、突然視界が開けた。円形の広場を囲むように、茅葺きの家屋が十数棟並んでいる。その中心では、何十人もの原住民たちが何かの儀式を行っていた。 「見つけた……未接触の部族かも」 ルナの胸が高鳴った。学術的に価値のある大発見かもしれない。彼女は慎重に近づき、手にはバックパックから取り出した現地語の辞書を握りしめた。広場に足を踏み入れた瞬間、村人たちの視線が一斉に彼女に向けられた。太鼓の音が止まる。男たちは腰布一枚の精悍な姿、女たちは色彩豊かな衣装で身を包んでいる。全員が、肌の白い異国人という異質な存在を凝視していた。 「あ、あの……こんにちは」 ルナは愛想笑いを作り、辞書をめくりながら現地語らしき言葉を紡ごうとした。指が止まったページには、挨拶と思われる言葉が載っている。 「タラ……クルム……ヴァ……サ」 その瞬間、村人たちの目の色が変わった。ざわめきが走り、男たちが一斉に立ち上がる。その表情は歓喜、いや、熱狂的な興奮に満ちていた。 「え、ちょっと待って、私の発音おかしかった?」 ルナが慌てて辞書を見直そうとした時、すでに精悍な男たちが彼女を取り囲んでいた。 https://erabenovel.com/
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2026/04/19 09:44:38(WTRLMcYn)
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