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黒い下着2の2
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:シナリオ 官能小説
ルール: エロラノベ。会話メインで進む投稿小説
  
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1:黒い下着2の2
投稿者: ◆72/S7cCopg
 高校生活は順調に進んだ。一年生、二年生と過ごしていく間に、色々あっ
た。白井との思い出もたくさん作った。しかしそれをいちいち書き上げてい
たら限がないし、きっと読者は興味を覚えない。だからそれは割愛する。と
言いながら、厚かましくも要点を述べさせてもらうと、一年生のとき、白井
とは別のクラスでそれは残念だったが、クラスはクラスで楽しかった。新し
い友人ができた。友人らは僕に美人の恋人がいるのを羨んだ。僕は鼻を高く
した。部活動の先輩たちからは可愛がられた。教師からは、好かれもせず、
嫌われもしなかった。学業は、中学生の時同様、どの教科もことごとくほぼ
平均点であった。白井は、やはり成績優秀であった。白井の、男子からの人
気は、高いらしかった。僕はやはり、優越感と、嫉妬のような、不吉な感情
を起こさずにいられなかった。
 二年生になっても、同じクラスにはなれなかった。こればかりは運だか
ら、仕様がなかった。まさか、彼女と同じクラスにしてくださいなどと、教
師に頼めようはずがなかった。後輩ができた。男の後輩は、はいはいと言う
ことを聞いてくてれて、僕のことを慕ってくれてもいるようだったから、可
愛かった。女の後輩は、何だか生意気なのが多くて、好きになれなかった。
そういう心持ちでいると、向こうにもその心持ちが反射するのか、こちらに
もあまり親しげな態度は見せなかった。容貌も、あまりうまいのがいなかっ
た。ただ、例外的に一人、とても可愛い子がいて、それは性格も控えめで、
好きになれた。ふっくらとした体型で、丸い顔をしていた。僕は細い体のほ
うが好みなのだが、その子に限っては、こういう体型も悪くないと思えた。
白井も、その子のことは可愛がっていた。というより、白井は、僕と同じ
く、その子以外の後輩をあまり好きになれないらしかった。白井いわく、同
輩の中での仲間意識が強すぎる代わりに、自分たちとは距離をとっているよ
うに感じるのだそうだ。僕は、かくも集団を形成し、他を受け入れないとい
うような、女子全般が、多少の差はあれども、持っていると思われる習性
に、怖さを感じた。
 白井は相変わらず助平であった。女に助平などという言葉を用いるのは失
礼な気もするが、事実だから仕様がない。先達ても述べたように、普段は
中々セックスをできなかったが、機会があればその分激しくした。しかし、
高校二年生の十月、すなわち付き合い始めてから二年経過する頃になると、
流石に初めの頃と同じようにというわけにはいかなくなっていた。愛し合っ
ているのは変わりなかった。これだけは確かだと、先にはっきり言ってお
く。がしかし、一緒にいるのが当たり前、セックスをすることさえ当たり前
になっていて、いつの間にか高揚感が失われていた。僕は、それに初めて気
付いたとき、焦った。大好きな人なのに、どうしてこうも平然として、どき
どきするようなことがないのだろうかと。愛情は変わらず持っていると思っ
ていても、本当は、認めたくないだけで、飽きてきてしまっているのではな
いかと思った。どんなに美味しいご馳走も、毎日毎日食べ続けたら、美味し
くなくなり、食べたくなくなるのと同じ道理で、美しく、最高の快楽を与え
てくれる白井も、毎日一緒にいて、たびたびセックスをしていれば、美しさ
も重要でなくなり、快楽も快楽にならなくなるのではないかと思った。それ
はある程度事実かも知れなかった。僕は失望した。しかし、だからといって
愛がなくなったとはどうしても思われなかった。なくなるどころか、以前に
も増して強くなっていると感じるほどであった。僕はそれらの心境を正直に
告白した。無論、言葉は選んだ。慣れてくれば、舌足らずになったり、感情
を激しく露にしたりしなくなるものであるが、愛情は、以前より大きくなっ
ているくらいなのだから、それは解っていてほしいというようなことを話し
た。白井は僕の話を真剣な表情で聞き入っていた。僕が話し終えると、僕の
言葉を反芻しているかのように何度か頷き、少し考えて、実は、と言って、
僕と同じようなことを考えていたということを話し出した。同じことを懸念
してくれていたので、安心した。なにより、
「私も、最初より、ずっとずっと、俊くんを好きだよ」
 と言ってくれたのが、嬉しかった。幸福の飽和点であった。そう言って顔
を紅くしている白井を抱き締めて、キスをすると、再び高揚感が甦ってくる
ようでもあった。
 三年生になった。ここからは少し詳しく書く。
 その年の新入部員は、粒揃いであった。合唱部において粒揃いとは、歌の
上手な者が揃っているときに用いるべき言葉であるが、僕の言う粒揃いと
は、女子部員に顔立ちの良いのが揃ったという意味である。前年の新入部
員、すなわちその時の二年生の女子と比べ、断然可愛い子の割合が多かっ
た。それは、最上級生の目から見て、二歳年下の、一年生が可愛らしいと思
う気持ちも作用して、よりそのように感じていたようだったが、それでなく
ても、器量の良い女子は多かった。
 特に目に付いたのが、水谷唯という、全く少女じみた女である。制服を着
ていても、肉体が女性として十分に発育していないことが知れた。顔つき
も、小学生のようであった。けれども、瞳が大きく、輪郭はほっそりして、
艶々した髪を肩の辺りまで下げていて、美人であるのは間違いなかった。こ
れが、白井によくなついた。ことあるごとに、白井先輩、白井先輩と言っ
て、何か話をしていた。白井はそれに快く応え、自身も水谷を可愛がってい
た。白井の彼氏である僕にも親しげな態度を見せた。ただでさえ一年生女子
を可愛いと思っていたのだから、そのように接されて悪い気がするはずな
く、自然と僕も水谷を可愛がっていた。
 ある日、部活動が終わり、いつもの通りに白井と帰ろうと思って、白井の
ところへ行くと、水谷と楽しそうにお喋りしていた。水谷が先に僕に気が付
いた。
「あ。じゃあ、お邪魔虫はこれで。さようなら」
 と水谷は言って、僕と白井に同時に礼をした。白井は水谷の視線を追っ
て、振り返り、僕を見た。お喋りの余韻か、笑顔をしていた。水谷はそそく
さと退散した。その姿を見ながら、僕はつい、
「あいつは可愛いな」
 と言って、はっとした。白井が、変な意味に解釈して、嫉妬など起こしは
しないかと心配した。が、白井はこだわりのない表情で、
「ね。本当に。妹みたいで可愛い」
 と言って笑っていたので安心した。
 成程、妹という表現は、僕の心持ちにも適合した。可愛い女といっても、
恋愛の対象になりはしない。しかし可愛いものはやはり可愛い。可愛い中
に、親近感のようなものを感じる。それは、妹を可愛いと思う心境に近いの
だろうなと、妹のいない僕は想像した。それから、そういえば、自分が一年
生だったときには、三年生の先輩たちを兄や姉のように思って慕っていたと
思い出した。一年生というのは、最上級生である三年生に対して、無条件
に、無邪気に、何の欲望もなく、崇拝に近い念を抱くものである。僕の考え
方は極端なところがあるかも知れないが、水谷や他の一年生たちも、それに
似た気持ちで僕や白井に接しているのだろうかと思った。
 そんなことを思っていると、白井は突然、何か思い出したような顔をし
た。
「やっぱり、あんな幼い感じの可愛らしい子のほうが好き?」
 僕が水谷を可愛いと言ったのを、今更、嫉妬に感じたふうに言い出した。
けれども、目を釣り上げて、唇を尖らせる様が、いかにもわざとらしかった
ので、僕の言った意味を理解している上で、僕をからかおうとしているのが
明白であった。僕はそれに付き合ってやることにした。
「そんな意味じゃないよ」
 と言って、わざと焦った顔をしてみせると、彼女は愉快そうに、
「じゃあどういう意味よ」
 と言いながら、肘で小突くように僕の体を押した。僕は、ええととかだか
らとか、曖昧なことばかり言いながら、自転車置き場へ歩き出した。白井は
僕についてきながら、尚にこにこして僕を苛めてきた。
 自転車の側まで来たとき、
「誰が一番好きなの?」
 と言って、僕に顔を近付けた。僕は周りに誰もいないのを確認して、
「お前に決まっているだろ」
 と言って、さっとキスをした。白井は顔をほころばせた。ことさら体を弾
ませながら、自転車の鍵を外した。
「行こっ」
 白井は最も機嫌が良いときの顔をしていた。僕は、その顔を見ながら、こ
れから何年経っても、お前以外の女に恋慕の情を抱くことはないよ、と心の
内で言った。その声は、きっと白井の心にも届いているはずだと信じた。
 それは、ろうそくの火が、消える寸前に、一瞬、ぱっと明るく燃え上がる
ようなものだったのかも知れない。
 
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2006/10/15 10:14:12(EISXQhx.)
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