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1:黒い下着5
投稿者:
ま
◆72/S7cCopg
恋人同士になったといっても、所詮は中学生だから、デートするにして
も、大したことはできなかった。外食はたいていファーストフード、良くて ファミリーレストランであった。遊びに行くにも、カラオケか、さもなけれ ば公園で散歩をするくらいしかできなかった。けれども公園は、井の頭公園 が近くにあって、しかもちょうど紅葉の時期だったので、それなりに楽しめ た。とはいえ、それは僕がそう思うのであって、白井のような年頃の女の子 が、そんな年寄り臭いことをしていたら退屈ではないかと思って、そのこと を聞いてみた。 「私、こういうこと好きだよ」 白井はそう言ったが、僕に気を使って、嘘を言っているのではないかと、 僕は少し疑った。けれども白井は、何かを発見するたびに、 「見て見て!」 と言って、僕の腕を引っ張って、楽しそうにするので、僕はだんだん安心 するようになった。 初めて井の頭公園へ行ったときのことである。赤や黄色に葉を染めた木々 の間を、手を繋いで歩いていた。白井の、小さく細く、冷たい手は、しかし 奥に流れる血液の温かさが感じられるようで、触れているだけで心地好かっ た。初めて手と手を取り合ったとき、白井は、 「俊くんの手、温かい」 と言って、両手でぎゅうぎゅう握り、さらにその僕の手を自分の頬に当て て、恍惚とした表情を見せた。彼女のこういう無遠慮で無邪気なスキンシッ プは、いつも唐突に行われるので、そのたびに僕は驚きと喜びと興奮を同時 に感じなければならなかった。ちなみに、僕らは付き合い始めて以来、お互 い下の名で呼ぶことにしていた。僕の名は俊弘だから、白井は、俊くんと僕 を呼んだ。僕も白井を由紀と呼んだが、文章中は白井と記すことにする。 池のほとりのベンチに腰掛けて、池と、それに併せて紅葉を観賞した。そ の風景は美しいに違いなかった。実際、僕はとても和やかな気持ちになっ た。が、平生一人でいるときには、こんなにじっくり見ることはない。見た としても、同じような気持ちになれるかどうかは疑問である。白井と一緒に いるからこそ、そのような豊かな気持ちになれるのだと僕は思った。僕は横 目で彼女の顔を見た。風景は美しいが、僕にはやはり白井の美しさのほうが 重大であった。そんな彼女と一緒にいられる幸福を、噛み締めずにはいられ なかった。 僕の視線に気付いたのか、ふと白井も僕を見た。そうして微笑んだ。白井 は、肌が本当に透けるように白く、それでいて不健康な感じを抱かせない。 大きな瞳は底のほうまで澄んでいる。僕は、その瞳に誘い込まれるかのよう に、その場でキスしてやりたくなかった。僕らは、そのときまだキスをした ことがなかった。当然、その先のことも。僕は、白井と付き合い始めたとき から、いつかはキスをしたい、セックスをしたいと考えていた。というよ り、すぐにでもしたかった。しかし、本当に好きな人だから、大切にしてあ げたいという思いと、あまり欲望に走りすぎて軽蔑されたくないという思い があったので、したいしたいと思いながらも、せずにいた。白井は、そんな 僕よりも遥かに強くそれを望んでいたのに。 その時も結局しなかった。すると白井は、自分の頭を僕の肩に乗せて、も たれかかるようにした。僕の腕を体の前に引き寄せて、自分の腕を絡ませ た。しかも彼女は、その僕の腕を、ぐっと自分の体に押し付けるようにする ので、僕は、白井の肉の弾力、つまり柔らかな乳房の感触を感じて、先から 少なからず刺激されていた僕の性欲は、さらに駆り立てられ、僕のちんこは 窮屈なズボンの中で悲鳴を挙げた。位置を直したいが、今もぞもぞやっては 絶対に気付かれると思ったので、どうにもできなかった。折れ曲がったちん この痛みに耐えていると、白井は、片腕を僕の腕に巻きつかせたまま、もう 片方の手で僕の手首をつかんで、何故か僕の手を自分の股間の辺りに持って いった。衣服越しにではあるが、手の甲がまんこにあたるような形になっ た。僕は、狭い空間の中でさらに巨大化しようとするちんこを鎮めようとし ながらも、手の甲の神経を研ぎ澄ました。だからちんこはちっとも鎮まらな かった。僕の体は、ちんこの激痛と、女体に触れている緊張で、半ば硬直し てしまった。 僕は、白井はどういう気持ちでこんな大胆なことをするのだろうと考え た。そうして、案外それが大胆な行為だと思っているのは自分だけなのでは ないかと考え付いた。白井は、ただ僕の腕にしがみついたり、手首を握った りしているだけのことで、胸や股間にあたっていることなどは大したことと 思ってないのではないかと考えた。そう考えると、やたらに意識をして、ち んこを硬くしていることが、不謹慎に思えてきた。純粋な彼女の心を汚して いるという気さえした。 しかし白井は、僕のそんな考えをよそに、それほどまでにしても僕が何も してこないので、ちんこを触ってみたくてたまらいのを我慢しなければなら なくて、大変だったらしい。 さて僕らはデートばかりしているわけにはいかなかった。いくら志望校の レベルが高くなくても、油断をするわけにはいかなかった。白井は内申点が 良いからいいが、僕は特に気を引き締めなければならなかった。 「でも私だってけっこう勉強して、今の成績なんだよ。ちょっとやらないだ けですぐにガクッて落ちちゃうんだから。俊くんは、そんなにやらないでも オール3とれてるなら、私より頭良いよ。ちょっとやればすぐに私なんかよ り点数とれるよ」 白井はそう言って僕を励ましてくれた。僕はなるほどそうかと思ったが、 必要以上の勉強は、面倒臭いのでやる気にならなかった。金でも手に入るな らともかく、成績があがるという程度の見返りで、がり勉する気にはなれな かった。とはいえ、落第してしまっては何にもならないので、受験勉強は割 りとした。それにしても、これは今だから思うことだが、勉強の合間にちょ くちょくオナニーをしながら、それでいて好成績だったのだから、白井のほ うがよほど頭の出来が良いのでないかと思われる。白井は、たまにオナニー でもしたほうが、集中力が増して、要領よく勉強できるのだと言うが。 ありがちだが、どちらかの家で勉強をしようということになった。勉強を 口実に、二人で時を過ごしたいという魂胆が、暗黙の内に了解されていたの で、甚だ白々しかったが、あくまで勉強のために、僕は白井を我が家に招待 した。僕の家は、両親が離婚して、父親がいなく、母親は仕事で夕方まで帰 らなかった。高校生の姉は、アルバイトで週に三度くらいは遅くまで帰って こず、その日は、夕方に母が帰ってくるまで誰もいないはずだったので、好 都合であった。 僕の家は、なんてことはない、普通のマンションの普通の家だ。しかし白 井は、 「すごい。すごい。私のうちより広い」 と言ってしきりにきょろきょろした。白井は、自分の家もマンションだ が、もっと狭苦しいと言った。あまりの容姿の美しさに、住んでいる家も美 しく、豪華なのではないかと、勝手に想像していたが、案外暮らしは貧相な のだろかと思った。が、だからといってそれを嫌と思う気持ちは少しも起こ らなく、むしろ、貧しい家庭を支える健気な娘という風に見えてきて、また 違った感慨を白井に抱いた。白井のことならば何でも良いほうに考えた。白 井のことならばどんなことでも受け入れられそうであった。 だから僕は、白井の、淫乱な本性をも受け入れたのだ。 僕は僕の部屋を持っていたが、その部屋にある勉強机では、二人で勉強す るには不便であったので、居間のローテーブルを使うことにした。僕らは隣 に並んで、テーブルに教科書やノートを広げ、一応勉強を始めた。白井は、 かりかりと勉強していたが、何だか必要以上に僕に密着してくるようであっ た。僕は、腰のあたりに女の体の柔らかい感触を、それもぐいぐいと感じる ので、勉強はほとんどしているふりだけに終わりそうであった。数学の公式 も、英単語も、歴史の出来事も、何一つ頭に入ってこなかった。 僕はトイレへ行った。尿意は本当であったが、やはりまた苦しみだしたち んこを解放したい意図もあった。小便をしながら、キスしてえセックスして えと考えた。男の家へあがりこんだのだから、白井にだって責任はあるん だ。やっちゃおうか。そう考えもしたが、そう考えるだけで、やはりなにも できそうになかった。彼女を大切にしたいなどという思いは、欺瞞に過ぎな かった。畢竟は、僕に度胸がないだけのことであった。 放尿したことで、ちんこはいくらか鎮まった。また勃起してもいいよう に、ちゃんと上向きにしてパンツに収めた。トイレを出て居間に戻ると、白 井はテーブルに突っ伏して、腕に顔を埋めているので、僕は驚いた。ふと、 いつか、腹を痛めて同じような体勢になっていたときのことを思い出し、嫌 な予感がした。 「どうしたの? 大丈夫?」 傍に寄って声をかけ、ぎこちなくも肩をつかむと、白井はゆっくり顔を挙 げ、僕を見た。あのときのような蒼白の顔色ではなかった。むしろ紅く染ま っていた。眉毛をハの字にして、困ったような顔をしていた。とろけるよう な目付きをしていた。 「俊くん」 そう言って、ため息を漏らした。甘い吐息が、僕の鼻腔をくすぐった。 「私もう、我慢できないよ」
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2006/09/03 16:43:05(CVZdA/Ne)
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