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合意と痴漢の境界線
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:痴漢 官能小説   
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1:合意と痴漢の境界線
投稿者: タケシ ◆P2sPyOBcUM
国分博行

 駅のホームに停まると、列車は更に混雑を極めた。駅を出発した列車は、
乗客を圧迫しながら、窓に毎朝同じ退屈な景色を映す。毎朝の通勤で、
窓際を陣取ることができるのがせめてもの救いだろう。
 ごく普通の会社員である国分博行は、この退屈な通勤に慣れ始めていた。
一戸建てマイホーム。どれだけ世間でやれ高層マンションだのウォーター
フロントだの言われていても、今なお一戸建てを建てるという夢は多くの
サラリーマンが抱いている。そして、自分はその夢を最近叶えることが
出来たのだった。そのために今までの快適な通勤は手放さなければ
ならなかったが、この経済不況で数年前とは比べ物にならないほど安く
手に入ったのだ。言い出したのは妻の美弥子だったが、殊、お金にうるさい
分、そういうチャンスは決して逃さず、ずんずんと一人でマイホーム購入を
推し進めてきたのだった。
「あなたもう30でしょ?これを逃したら30年ローンも組めなくなるのよ?」
 最終的に購入を決めたのは自分だったが、それを執り仕切っていたのは
美弥子だった。最初は渋々認めていたものの、マイホームの構想を二人で
膨らませていくうちに自分も次第に積極的になっていた。そうでなければ、
将来的に子供部屋にするという条件で書斎を作ることもなかっただろう。
 家の購入のときのことを回想していると、列車はターミナル駅に着いた。
人が大量に降りてゆき、一瞬窮屈から解放される。
 降りていく人の隙間から、隣のホームに停まっている列車が見えた。その
列車は痴漢の代名詞とも言えるほど痴漢が多発している列車で、実は自分も
若いころお世話になっていた時期があった。美弥子と結婚してからは一切
手を出さないでいたが、今日はどういう訳かあの頃の快楽を再び味わいたく
なっていた。
 思うが早いか、いつもはそのまま乗り続ける列車を降りて降車した乗客の
後に続いた。
 
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2010/02/24 17:07:32(9755OY2y)
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