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JS画廊
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ロリータ 官能小説   
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1:JS画廊
投稿者: 水星の使者
絵画など、自分には縁もなく、これからも買うことはないだろうし、まして狭いわが家に飾ることなど生涯ないだろう。
ほんの数分前の偽らざる自分の気持ちである。
しかし今、眼の前の少女の肖像画に、猛烈に心を揺さぶられている。

その絵は、写実的でありながら、童話の挿絵のようなメルヘンチックな趣があり、どこか不安そうに、こちらを見つめる少女の眼差し、吸い込まれるような圧倒的な存在感に、その場を離れることが出来ないでいた。
少女は、地味な黒一色のセーターを着ているのだが、眺める角度を変えた瞬間、思わず顔面が、かあっと熱くなった。
黒一色に見えた少女の上半身から、突如幼い乳房の膨らみが浮かび上がって見えるのだ。
さらに凝視すると、衣服に隠れている乳輪や乳首までもが丁寧に描かれていた。
それがわかると、俺に視姦され、羞恥に耐えながらも、これから自分の身に起こる運命を受け入れつつも、足の震えが止まらない、怯え戸惑う少女の姿に見えてしまうのだ。

「いかがですか?」
「よろしければ、商談中の札をつけましょうか」

「え、あ、い、いえ大丈夫です」

「この絵は、川口信春先生の作で、今日から展示しております。」
「明日から川口先生の個展が当ギャラリーで開催となります」
そういうと、小冊子のようなものを俺に差し出した。
「ごゆっくりしていってください」

「す、すみません、絵の事はさっぱり素人なんですが、この絵、おいくらなんですか?」
「こちらの絵は、78万円になります。額装込みの価格です。額装は、こちらからお選びいただけます」

やはり自分の想像していた3倍ぐらい高い。
いつもならそうですか、わかりました、と諦めたはずだが、どうしても諦めきれず、後ろ髪を引かれる思いで見てしまう。
この絵が幾らの価値があるのかわからないが、多分、個展が開かれたらあっという間に売れてしまうだろう。
78万円というあまりに高額なものなのに、この絵にはそれ以上の価値があると信じて疑わなかった。

「や、安くはならないですよ、ね?」
画廊の主人も、俺がこの絵をよっぽど気に入って喉から手が出るほど欲しがっているのがわかったのだろう。
「良かったら、土曜日の午前お越し願えますか、初日は、先生もお見えになるので。それまでは売らないで商談中としておきますがどうですか」
「少しでも多くの人に見て頂きたいので、札を出すのは普通のことなので」

画廊などに縁のなかった自分には、主人の言う通り土曜日にもう一度来て、買うかどうしようか決めることにした。

 
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2023/11/07 21:09:44(9KQXJhKA)
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