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和貴子は外から聞こえる車の音に気づき時計を見る。
夕刻6時30分、あの人だわ、そう思うだけで身体の奥が熱くなるのを感じた。 ガラリと玄関の引き戸の音がしたかと思うと、三上は自分の家にでも上がり込むように何も言わずいつもの薪スト-ブのある居間に上がりこんだ。 薪スト-ブは達磨型で部屋の真ん中に置かれており、その周りを畳で囲み煙突が部屋から外へ伸びていた、薪スト-ブの空気を取る下の小窓からは温かい残り火の炎が見えていた。 「晴太、夕飯は済んだのか」 三上は薪スト-ブを囲む四辺の奥の方へ座り、向こうの部屋に居る晴太へ声をかけた。 晴太は和貴子の長男で今年中学3年になったばかりだった。 「うん、食べたよ」 晴太はこたつに寝そべり、テレビに顔を向け三上の方を振り向く事もなく返事を返した。 三上の居る部屋と晴太の居る部屋は四枚の襖で仕切られているだけで、普段からそのうちの一枚の襖が開け放たれ、互いの部屋が見えるようになっていた。 三上と晴太互いの声は聞こえていたが、こたつに寝そべっている晴太自体はこたつに隠れ三上から見えてはいなかった。 晴太のほうからも三上の姿はスト-ブに半分が隠れ胸から上しか見ることは出来なかった。 「何を見てるんだ」 「クイズ番組」 晴太の部屋から時折テレビの笑い声が聞こえてくる。 「どうしたって」 夕飯の片付けを終えた和貴子が台所から三上の居る薪スト-ブのある部屋へと入ってきた。 「お茶でいい、コ-ヒ-にする」 「お茶でいいよ、晴太が何を見てるんだと思ってね」 和貴子はスト-ブにかけられたやかんから急須にお湯を入れると、二つの湯呑に茶を注いだ、一つを三上へ、もう一つを自分の前へ置くとようやく落ち着いたように三上の隣へ腰を下し、二つ折りの足先を伸ばした。 「雪はどう」 「今は止んでるな、もう降っても積もらないだろう」 三上は隣の部屋のテレビを遠目に見ながら和貴子の問いに答え、ゆっくりと左手を和貴子の足先に伸ばした。 三上の左手は和貴子の足の甲や指を撫で、足首を手の平で触っていく。 ねっとりと和貴子の肌にまとわりつきながら、細いすねや柔らかなふくらはぎを撫で徐々にスカ-トの奥へと伸びていく。 その手が膝まで到達すると、和貴子は口にはださずに三上に目配せでダメと言うようにその手を払いのけ、スカ-トの裾で膝を隠した。 だが、それくらいで三上が触るのを止めるはずは無かった。 例え和貴子がどんなに拒んでも最後は三上の求められるままにこの身体を許してしまう。 いつもそうだった、それでも全く抵抗を見せないのは夫や晴太に対して罪悪感を感じていたからであった。
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2022/06/26 11:59:39(EDkKZi1U)
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