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続:寿子
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:人妻熟女 官能小説   
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1:続:寿子
投稿者: Ken
続:寿子

寿子)
あら健ちゃん、元気だったぁ?
どうした?、何かあった?

俺)
うん。
来週の土日にさA市(東名1のSAのある街)に行くんだけどさ、・・・、でさ‥

寿子)
なに?、ハッキリしないわね?
寄ってくれるんでしょ?ウチにも、なんなら泊まる?、それともホテル代 会社が出してくれるの?

俺)
ホテル代ってさ、一応 個人事業主なんで‥。

寿子)
でしょ?、そこまでは請求できないんでしょ?。高速使ってガソリン代掛けて‥、そんな事して帰っても 次の日また朝早く出てくるんでしょ?もったいない、泊まんなさいウチに。

俺)
良いの?、ありがとう

寿子)
もぉぉ、そのつもりで電話掛けてきたんでしょ?、ハッキリそう言ってくれれば良いのに

俺)
でも、ほら‥、林さんも居るしさ‥。

寿子)
叔父さんなら歓迎してくれると思うわよ、いつも健ちゃんは元気にしてるか?って‥。
いらっしゃい、今度の土日でしょ?、待ってるから、ね?

俺)
うん、ありがとう。
時間とか また連絡する、ありがとう


高校に上がる春休みに 叔母さんに〔手ほどき〕をうけて 20年近く、ノブが高校を卒業するのを待ってノブの父親と離婚して 林さんと再婚してから もう10年。
俺も その20年近くの間に 結婚と離婚を経験していた。

学生時代もそうだったし、俺が結婚している時も 叔母さんが林さんと再婚してからも 叔母さんとの関係は有った。
幸いと言ったら元嫁には失礼だが、彼女が苦手としていた 田舎で暮らす親戚や 都会に出てきた親戚 そんな人達の冠婚葬祭、そんな時には顔を合わせていたし、どちらからともなく親類縁者の目を盗んで‥、と続いていた。

土曜日、現場近くのカツ屋で お昼を食べながら叔母さんに電話をした。

俺)
あ、叔母さん?、仕事終わりで‥ってお客さんが一軒あってさ それが終わってからだから 18:30とかかな 行けるの

寿子)
6時半なの?
それまで健ちゃんは何してるの?

俺)
ん?、待機。
他のお宅で何かお願いされる事もあるし‥

寿子)
そう。
6時半ね?、待ってる

建築現場では 補修屋さんと呼ばれる仕事を俺はしていた。
フローリングやキッチンのカウンターなどの 木で出来た製品の凹みや亀裂などを補修する仕事が主で、クロスの修復やガラスの交換 時には網戸の張り替えまで 本職さんの手が足りない時には代わって行う事も しばしばあった。

仕事終わりに「これから向かう」と連絡して 叔母さんの家を目指した。
10階建て、ワンフロア8世帯、エレベーターは2機、そんなマンションの3階の角部屋。
この敷地には他に 12階建てと8階建てのマンションが コの字を崩した形になって建っている。階数の違いは日照権がどうとかこうとか‥、そこにアスレチックを思わせる公園 テニスコートにバスケのコート、囲碁将棋は当たり前で カラオケ部屋や卓球部屋まである 無駄にでかい集会所、管理費が月に二万円。
まさに バブルの遺産 そんな感じのマンションを 林さんは中古で購入していた。
そのマンションのエントランス、俺はテンキーで部屋番号を押した。

『いらっしゃぁい』と、叔母さんが笑顔で出迎えてくれた。

玄関を入ってすぐ左のドアを 叔母さんが開けた、『健ちゃん、ここ使って』と 取り上げた俺のバッグをその部屋に置いた。

廊下の奥、リビングのソファに林さんの姿が見えた、林さんと会うのは約5年ぶり。
俺は林さんの耳元で「こんばんわ、ご無沙汰してます。スミマセン お世話になります」と大きな声で挨拶をした。

『おお!、健ちゃん、遠慮はいらないよ、まぁ一杯やろう!』と、『寿子さん寿子さん‥』そう叔母さんを呼びながら立ち上がった。
叔母さんは叔母さんでキッチンの奥で『ちょっと待っててぇ』と答えていた。

「???、何かおかしい」
俺は違和感を覚えた。
ちょっと待ってと答えた叔母さんに 林さんは また『寿子さん寿子さん?』と呼んでいる、さっき林さんの右の耳には補聴器が無かった そのせいで叔母さんの返事を聞き取れていないのだろう?と思った。
が、それも 違った。
『健ちゃん、今日はゆっくりしてってよ』
『まあ、呑もう』
『明日は?、休みなんでしょ?』
『ゆっくり してってよ』
と、仕事で近くまで行く 土日の仕事 と言う事は叔母さんづてに知っているハズ、それに加えて 俺の返事を待たずに 矢継ぎ早に話し掛けてくる。???が溢れた。

『ゴメンね 健ちゃん、健ちゃんにはまだ話して無かったわね?』
お盆を持って現れた叔母さんが ツマミを並べながら話しはじめた。
聞けば 林さんは 耳がダメらしい。
以前 会った時には 確かに左耳は もうダメだとは言っていた、右の耳に補聴器を入れ それで会話になっていた、が その後も ろくにケアしなかった林さん それゆえ 今は 右耳も殆ど聞こえていない、大きな音がすれば〔音がした?〕と感じる程度、大切な話は〔筆談〕になってしまっている、と。
で、2人で同じ携帯を持ち 叔母さんがパートや買い物に出掛ける時には メールでやり取りしている、と。
そして、半年位前に 林さんは免許をようやく返納してくれた、返納以前から 林さんの通院はタクシー それ以外は 叔母さんが原チャリで全て賄っている、林さんのメルセデスは まだ処分せずに駐車場に止めてある、と。
そして叔母さんは 言いかけた何かを飲み込んで 言葉を濁した。

叔母さんが 俺にそんな説明をしてくれていても それが聞き取れない林さんは 構わず俺達ちに話し掛けてくる。
俺は〔言葉も見つけられず 恥ずかしいかぎりです どうぞお大事になさって下さい、私に出来る事でしたら お手伝いさせて頂きます 遠慮せずに何なりと おっしゃって下さい〕
と、テーブルに置いてある メモ帳に書いて 林さんに見せた。

すると林さんは 俺の言葉を待っていたかの様に 続けた。
『雨の日も風の日も バイクで動く寿子が不憫でならない。生活費や病院代も私の年金と蓄えで何とかなる 健ちゃんにお金を入れて貰う必要はない、あのメルセデスも健ちゃんにあげる 好きにして良い。考えて貰えないだろうか?、寿子からは FAX一台あれば何処でも仕事になると聞いている FAXは此方で準備させて貰う 駐車場も新たに一台分契約する、兎に角 健ちゃんは 私達には 一銭のお金も出さなくて良い。
どうだろう? 私達と一緒に住んで貰えないだろうか?、兎に角 寿子が不憫でならないんだ。‥(答えは)すぐで無くていい、一度 考えて貰えないだうか?。
と言うものだった。

林さんの突然の申し出にビックリした。
高校中退で出てきた叔母さん、車の必要はかんじなかったと言う、高校に入学して すぐに取った原付き免許 それしか持っていなかった、雨の日にカッパをきて‥、確かに大変だろう?
病院の度にタクシーで往復 これも大変なんだろう?
会話が成り立たなくなった2人 想像出来ない程の相当なストレスなのだろう?
林さんは まずは叔母さんのストレスを少しでも‥、きっとそう考えての事だろう?
耳だけではない、林さんは膵臓だか肝臓だか 何処かの臓器も悪いハズだ、しっかりと聞いておかなかった事を後悔した、薬を手放せない身体だと 以前 聞いていたのに‥。

一旦は保留にした返事、が 俺の中では もう決まっていた。


 
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2021/08/16 12:22:19(61N4U.UC)
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