「久しぶりね・・・」
「お前・・・元気だったか・・・」
「ええ、あなたも元気そうね。さっきの方は奥様？」
「ああ、再婚したよ。お前は？」
「再婚したわ。旦那と子供、そろそろ出てくるから、じゃあね・・・お元気で、さよなら。」
「ああ、さよなら、達者でな。」
駅のトイレの前で、俺は妻待ち、元妻の有希は旦那と子供待ちのわずか1分の会話だった。

12年前、まだ仕事が忙しいからと、有希が子供を欲しがらないすれ違いの生活が続いていた結婚3年の頃だった。
彼氏とプチ遠距離で寂しがっていた職場のバイト娘と浮気エッチしたラブホのロビーで、有希と中年男のカップルと鉢合わせしたが、お互いそ知らぬふりですれ違った。
その夜、
「俺達、こんなんじゃもうダメだよな。」
「そうね・・・あなたのお相手、ずいぶん若かったじゃない？」
「ああ・・・21歳だ・・・」
「10歳も年下・・・まあ、私の相手も10歳年上だけど・・・」
「俺は浮気だ・・・」
「私も浮気だけど、夫婦としては終わってるわね。」
いろいろ話し合い、結婚3年半、俺31歳、有希28歳で離婚した。

アパートの荷物を全部トラックに積み込み、それぞれの新しい住まいへ送ったあと、夫婦最後の夜は結婚披露宴を挙げたホテルに部屋を取り、よくデートで行ったレストランで最後のディナーを食べながら、思い出話をした。
「あの日、こんな結末が待っているとは思わなかったよなあ・・・」
「ホントね・・・」
楽しかったこと、喧嘩したこと、初めてのキス、そして初めて結ばれた時の事・・・
部屋に戻って、最後の夜、
「どうする？夫婦最後のセックス、するか？」
「そうね。お別れのセックス、夜景を見ながらしようか・・・」
有希は、窓のレースのカーテンを開け放って、部屋の灯りを落とした。
有希のマンコが街の灯りにボーっと浮ぶように見えた。
もう、見納めのマンコだったが、中年オヤジのチンポを咥えた不貞マンコでもあった。
不貞マンコに不貞チンポを入れた。
一面に広がる夜景をバックに、ロマンティックに抱き合い、夫婦として最後の交合をした。
クチュクチュと音を立てて有希のマン汁が滴った。
「アッ・・・アァッ・・・アッ・アッ・アッ・アッ・・・・・」
有希の乳房がプルンプルンと揺れた。
最後の精液を中に出してはマズいので、有希のヘソの辺りにぶち蒔けた。
「やっぱり、夫婦のセックスって、お互いを知ってるから気持ちいいわね・・・でも、これが最後・・・ゴメンね、私が忙しいからって子作りを先延ばしにしたせいよね・・・」
「いや、俺も悪い。お互い様だ・・・」
いつの間にか、寝てしまった。

朝、有希が風呂から出て髪を乾かす音で目覚めた。
二人でバイキングの朝食を取り、チェックアウトして駅に向かって歩いた。
こみ上げる物を抑えて、改札を抜けて、
「元気でな・・・」
「あなたもね・・・」
「今度は幸せになれよ。」
「お互いの幸せ、祈ろうね。それから・・・1年間はメルアド、消さないでおこうよ。1年間、1度も連絡が無かったら、便りが無いのがいい便りってことで、お互いの幸せを信じて、1年後の昼の12時に、お互い連絡先を消しましょう。」
「ああ、そうしよう。」
この日から乗る電車がお互いに違うから、連絡通路の途中で別れた。
1年後、全く連絡が無かった有希の幸せを信じて、連絡先を抹消した。

そして先日、有希と12年ぶりの再会をした。
俺は、有希の旦那がどんな男か観察していたら、50歳絡みの男だった。
あの、ラブホで一緒だった男のように思えた。
10歳くらいの男の子と一緒に、トイレから出てきて3人で歩いていった。
という事は、有希はあの男を奥さんから略奪してすぐに子作りをしたという事か・・・複雑だった。
階段を降りるあたりで振り返った有希が、軽く手を振った。
俺も軽く手を振り返したら妻がトイレから出てきた。
「メッチャ混んでるの。いいわね男の人は簡単で。アレ？知り合いでもいたの？」
「え？ああ、けっこう古い知り合いとバッタリ。びっくりしたよ。」
「へえ～」
大して気にも止めていない様子だった。
この日は、子供たちを親に預けて夫婦でデートしていた。