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関西の小さなまちに住んでいる42歳の平凡な主婦です..いえ、主婦でした。 稚拙な文書で申し訳ありませんが、わたしの人生を大きく変える出来事のことを読んで下さい。今、思い起こしても、悪い夢としか思いようのない事件が、すべての始まりでした。 昨年の夏、志望校に無事合格し初めて親元を離れての学生生活をしていた一人息子のあつしが、夏休みで自宅に帰ってきて、久々の家族3人の暮らしも戻ってきました。 わたしは短大を出てすぐに、近くのまちの貿易関係の会社に祖父の紹介で入社。従業員が300名ほどの会社で、同期入社の女子社員は8名。その中でもとびきり輝いていた(といわれてた)わたしは、総務部秘書課に配属され小うるさい2名の先輩に虐められながら、一生懸命に仕事を覚えていきました。 「頑張ってるね!」と、当時企画部長だった主人に声を掛けられたのは、入社してまだわずか半年くらいの時。最初は相手が御曹司だったこともあり、できるだけ個人的なお付き合いはしないでおこうと距離をおいていたのですが、仕事で断れない状況のお食事に誘われてから意気投合、親密なお付き合いが始まりました。その後社内でいろんな噂をたてられ、ねたみみたいなことも露骨にたくさんあって、結局たった1年半で退社しなくてはならなくなりました。 一度は諦めた彼でしたが、海外の赴任先でわたしの退職を聞いて、わずかな休暇を使って急遽日本に帰り、わたしを略奪するように現地まで連れていってくれました。まるで白馬の王子様のように光ってた彼と初めて結ばれたのも、この時でした。亡くなられた彼のお父さんは、私の祖父と古い戦友だったこともあって、二人の間の結婚話はとんとん拍子に進み、ほどなく一人息子のあつしも誕生して、本当にあのときまで、何の不自由もない生活を送らせてもらっていました。 「おかあさん、明日友達とマージャンするから、食べ物の用意をしておいてね」 主人がシンガポールへ5日間の海外出張に出かけた初日、あつしはわたしに告げました。 「へぇ~、マージャンなんて覚えたのね」というと「高校3年からだよ。でも受験生だから家ではやれないだろ」って..。第一志望の国立大学に通って東京で一人暮らしをしてきた息子は、ずいぶんと大人になったようで、母親として頼もしく感じました。 翌日の午後、茶髪にピアスをした一見してガラの悪そうな若者達が3人やってきて、まともな挨拶もしないで2階のリビングに息子と一緒に上がっていきました。 「いつからあんな子たちとつきあっていたのかしら」といぶかりながらも、インターホンで言われるままに、作っておいたおつまみやビール、ウィスキーなどを1階のキッチンから運びました。 3時過ぎ頃になって、汚れ物を片づけようとリビングにあがったとき、食べ散らかしたお皿をトレーに重ねるわたしの後ろ姿を見て、ひとりの子が「おばさん、いろっぽいおしりしてるじゃんか!」とかいいはじめ、3人それぞれに卑わいな言葉を背中に浴びせかけてきました。息子はそれを聞いてか聞かずか、困っているわたしに知らないふりをしていました。 「この子たち、どこでこんなことを覚えてきたのかしら..」 ほとんど社会人としての生活もせず、若く結婚して絵に描いたような幸せな家庭生活に慣れているわたしには、聞いたことのないような汚らしい言葉に赤面して、鼓動が早まるばかりでした。 (いつ帰るのかしら..) 乞われて4人分の夕食を作りながらキッチンで立ち仕事をしていると、ひとりが玄関から小走りに出ていって、ほどなくふくらんだナップザックを大切に抱えて戻ってきました。この時は別に何も意識はしていなかったのですが、あの中に..入っていたのです。 午後7時過ぎに夕食を出し、その後しばらくしても帰る気配がありません。時計の秒針だけがぐるぐると回り、夜が更けるに従って静けさを深めるご近所の中で、時折響く彼らの喚声だけがとても奇異に感じられました。我が家は住宅街の中にあっても、庭でご近所とは隔てられており、少々の物音は聞こえません。きっと彼らの嬌声もご近所の耳には届いていなかったことでしょう。 午後10時になって、水割りの氷を求められました。「早く帰ってくれればいいのに、まだ飲むのかしら」と思いながら、私はリビングにあがりました。この日は決して刺激的な服装をしていたわけではありません。白いブラウスにグレー膝丈のタイトスカート。ブラウスから薄いピンク色のブラがちょっと透けて見えたかもしれませんが、ごく普通の夏の服装でした。 スタイルだけは若い頃からほとんどサイズの変化はなく、160センチ・48キロ・B84・W58・H86。ときどきお風呂上がりなどに姿見に自分の裸体を映してみても「まんざらではないわ」と思ってはいました。 リビングに入ると、一番大きな子がドアの前に立っていました。突然の鉢合わせだったのでちょっとびっくりしましたが「おトイレかしら」と思い、身体を脇に寄せようとすると突然お腹に激しい鈍痛を感じました。みぞおち辺りを殴られたようで、氷がフロアに落ちて広がる音を遠くで聞きながら、わたしはその場で気を失っていきました。「あつし..」と息子の名前を朦朧とする意識の中で叫びながら..
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2017/02/04 13:58:30(xfcrhVjG)
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