20年前とは違う。今の50代の女性は(おばさんはオバサンだが)女を感じさせてくれる人が多い。
「よう子さんってオッパイ大きいっスよねぇ~!」
思わず口をついて出たセリフに我ながらヒヤリとした。遅番で二人きりになる事も多く、比較的年齢も近いので良く話した。職場に同性の人がいるおかげでファーストネームで呼び合っていた事も親密度を増す要因だったろう。だが栄養士である俺が、パートさんに対して言うとセクハラでありパワハラとも取られかねない。気を付けてはいたのだが、仲良くなった気安さと、何よりも、よう子さんのぽっちゃりボディに少なからず欲情していた事が口を滑らせた。
「ヤバい…」一瞬、凍りついた気配を感じた俺が取り繕う言葉を発しようとした刹那、願ってもないセリフが返ってきた。
「触ってみる?」
さほど大柄でもない俺を小柄なよう子さんが上目遣いで見て言った。
夜の給食室に用がある職員など施設内にいるワケがないけど、それでも俺は自分の声の大きさに自分でビクっとなるほどデカく叫んでしまった。
「本当ですか!」