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1:獣の目覚め
投稿者:
トール
(久しぶりだから……凄い感じる……)
カーテンを閉め切った薄暗い部屋に無機質な機械音が響く。 由紀子は夫のいない寝室で、一人寂しく身体を慰めていた。 男性器を模したそれをゆっくりと出し入れするたびに、由紀子の中から淫汁が溢れだし、シーツに丸く染みを作っていく。 スカートは濡らしたくないな、と頭のどこかで思ったが、今更止められなかった。 バイブを動かす手は、由紀子の意思とは反対に速度を増し、それに比例して、乳房を揉む手も強くなる。 もうイクのも時間の問題だった。 一定のリズムを保っていた手の動きが、激しくなるにつれて狂いだす。 そして、限界、というところで、由紀子の全身は糸が切れた様にストップした。 「い、イクッ!」 由紀子は小さく叫んだ。四肢を硬直させ、目を硬く閉ざす。ただその中で、腰だけは時折ピクンと跳ねた。 そんな状態を数秒保ってから、由紀子は解放される様にベッドに倒れ込んだのだった。 深呼吸をして乱れた息を整える。それから深いため息をついた。 (わたし……誕生日に何してるんだろう……) 少し情けなかった。夫の晴彦は出張で今日も当然帰ってこない。一応電話で、朝一でプレゼントを届ける、と言われていたが、それも昼を過ぎてもまだ来ていなかった。 由紀子がもい一度ため息をつこうとした、ちょうどその時だった。ピンポーンと家にチャイムが響いた。 「えっ、うそ!」 イッた直後で半ば放心していた由紀子だったが、一気に現実へと引き戻される。 ベッド脇のティッシュを数枚取って股と指に付いた愛液を拭いてから、慌ててベッドの端に投げ出した下着を履いた。 それから玄関へと急いだ。 「ハッピーバースデー由紀子さん」 「しゅ、秀介くん!?」 玄関の扉を開けた由紀子は、思わぬ訪問者に驚きの声を上げた。 チャイムを鳴らしたのは宅配便ではなく、隣に住む青年だった。6年前、由紀子と夫がここに引越してきた時は、まだ中学生だった彼も今年からは大学生になる。 「驚いた?」 そう言うと、秀介は無邪気な笑みを浮かべる。手には花束と紙袋が握られていた。 「お、驚いたわよ。た、誕生日って私の?」 由紀子は自分の声が微妙に上擦っていることに気が付いた。先程の事を思い出すと、恥ずかしさで顔が赤くなりそうだった。
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2010/06/05 21:26:55(4n2Tdyo7)
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