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引明けに咲く花
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:強姦輪姦 官能小説   
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1:引明けに咲く花
投稿者: ◆B7dMmAnU0Y

~ 序章 桜 ~
第1話 夢
-----早く高校生になりたい-----

幼い頃からそんな風に思っていた。
頭上に咲き誇る花に春の香りを感じながら、光るような焦茶色こげちゃいろの新品のローファーをコツコツと鳴らして歩く。

数日前に高校の入学式を迎えたばかりの杉崎彩香すぎさきあやかは、桜が満開に咲く通学路をまだ慣れない足取りで学校に向かう。
彩香の入学した照星しょうせい高校。地元では照高てるこうと呼ばれるこの高校の偏差値の高さは市内でも三本の指に入るほど高い。
彩香がこの高校を選んだのにはある理由があった。

杉崎彩香
成績優秀、中学ではテニス部に所属し、テニス経験が無かったにもかかわらず、中学3年生の時は部長を務め、県大会への出場を果たした。明るく優しい性格は男女問わず皆に好かれ、160センチを超える身長からモデルのようにすらっと伸びるしなやかな手足、透き通るような白い肌は運動部だったとは思えないほどで、知的な細めの眉の下にあるアーモンドアイはキラキラと光り、真っ直ぐ通った鼻筋に小さな薄めの唇、端正な顔立ちで、少し茶色がかったツヤのあるセミロングのストレートヘアーをそよ風になびかせる。
その美少女ぶりから中学校でも人気が高かった彩香は、つい最近着始めたはずの照高の制服も完璧に着こなしており、白地に紺ラインのセーラー服、印象的な桜色のリボン、赤いタータンチェックのスカートを身にまとったその姿は、一般的な高校生とは一線を画す垢抜けた気品に溢れていた。
そのため、入学式を終えて早々、同校の生徒の間ではとてつもない美少女の新入生がいるとの噂が独り歩きしてしまった程で、彼女を一目見た生徒は男女関係なく、憧れの目を向ける者も多かった。

しかし、彩香は決して最初から何もかも完璧な天才というわけではなかった。

田島健人
彩香が見つめる先には常に彼の存在があった。180センチを超える長身、決して太くはない手足には程よく筋肉が付き、キリっとした太めの眉に相反するように目つきは優しく、飾らず無造作にボサッと立ちあがった短髪が印象的な健人は、成績はそこそこだったが、中学校のバスケットボールでは県の選抜チームにまで選ばれており、中学3年の夏頃にはバスケットボールが盛んな照星高校に推薦入学することが決定していた。

彩香と健人の2人は小学校の頃から幼なじみで、お互いの家も近かったため、小学校の頃はとても仲がよく、一緒に遊ぶことも多かった。しかし、中学に入学後はクラスが一緒にならなかったこと、またお互いに思春期の恥じらいなどから、次第にすれ違った時に軽い挨拶を交わす程度になってしまった。

それでも…彩香はずっと健人に想いを寄せていた。

(オレ、高校は照星に行ってバスケやるんだ。)

小学生の時に健人が何気なく言ったこの言葉から、彩香は健人を追いかけたい一心で、スポーツ、勉学共に努力し、照星高校へ入学を果たしたのだった。

高校の入学式の日には彩香は飛び跳ねるほど喜んだ。憧れの健人と同じクラスだったのだ。

そうして彩香は今日も健人に会えることを楽しみにして学校に向かった…。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

6時限目の授業終了のチャイムが鳴った。
彩香の席から斜めに4席ほど前に座る健人の後ろ姿を見ながら、まだ授業とは言えないオリエンテーションを終えて放課後の時間を迎えた。

真希「彩香!じゃあね!」

彩香「うん!また明日!」

堀米真希
入学式の日に会話をして以来、すぐに仲良くなった彩香の友人で、身長は彩香より小さく、髪は短髪でボブヘア、大きな丸い瞳にぷっくりとした唇で、丸顔で童顔の可愛い印象の彼女は、彩香とはまた少し違った明るさを持つ活発な生徒だった。そんな友達の真希と挨拶を交わした後、彩香は教室で健人の姿を探すが、すでにその姿は無く下校してしまった様だった。

(待ってるなんてこと…あるわけ…ないよね…。)

部活動が始まっていない今だったら、健人と一緒に帰れるかもしれない、もしかしたら健人が自分を待っていてくれるかもしれない…。
そんなあるはずもない淡い妄想をしてしまっていた彩香は、少し残念な気持ちで教室を後にする。

新入生が次々に下校して行く中、彩香も昇降口で靴を履き替えていた。…すると、遠くから聞き覚えのある音が聞こえてきた。

それは体育館に響くボールの音だった。

彩香はその音に吸い込まれるかのように靴を履き替えるのをやめると、足早に体育館に向かった。
開きっぱなしの鉄扉から体育館の中をおそるおそる覗き込むと、そこには1人でバスケットの練習に励む健人の姿があった。

シュバッ…!

180センチの長身から放たれたスリーポイントシュートが見事に決まる。隠れて覗き込んでいた彩香だったが、思わず健人に見とれてしまい、いつの間にか佇んだままただ呆然と健人の姿を見つめていた…。

ガンッ…!

何本目かに健人が放ったシュートがリングに弾かれ、まるで彩香に向かって来るように体育館の入口へと転がってきた。彩香はハッとして無意識にボールを取ると、ボールを追いかけてきた健人は彩香の姿に気づいた。

健人「あ、…杉崎…!」

少し驚いた表情で、どこか照れ臭そうにしながら健人が会釈する。

彩香「ご、ごめんなさいっ!…覗くつもりはなかったんですけど…。」

近づいてくる健人から目を晒すように頭を下げると、急に名前を呼ばれたことに、なぜかおどおどと言葉も敬語になってしまっていた。

健人「え?敬語?…なんだよ今さらかしこまって。昔からの仲だろ?」

笑顔で答える健人と目が合い、彩香は平静を装いつつも耳が真っ赤になるほど照れてしまう。彩香は照れ隠しをするように目を逸らして、健人にボールを渡した。

彩香「あ、そうだよね…!…その…勝手に見たりしてごめん…。バスケット、頑張ってるね。」

健人「え?…ああ、いや、このまま帰ってもやることなかったし…。まあ…そろそろ帰ろうかと思ってたんだ。」

彩香「え?……そうなんだ…。」

(一緒に帰ろう)

彩香は勇気を振り絞って言おうとするが、どうしてもその一言が言えない。
2人にしばらくの沈黙が流れた後、恥じらう様子で頭をかきながら口を開いたのは健人だった。

健人「…あ、あのさ…良かったら…一緒に、帰るか…?」

彩香「え…?……う、うん!」

思ってもみなかった健人からの誘いに彩香は全力の笑顔で答えた。

帰り道…。
夕焼けの桜並木の下、自転車を押す2つの影が横並びに歩く…。

健人「そういえばさ、杉崎は高校でもテニスやるの?」

彩香「どうしようかな…。あたし、本当は運動ってそんなに得意じゃないから…。」

健人「元テニス部の部長が何言ってんだよ。杉崎なら絶対いいところまで行けるって。」

彩香「そ、そうかな…。」

彩香は高校でテニスを続けることはもちろん視野に入れていたのだが、高校の部活にはマネージャーという役職があることも知っていた。

彩香「テニス部もいいけど…あたし、バスケ部のマネージャーになっちゃおうかな…?」

いたずらっぽく、恥ずかしそうに笑いながら健人に答える。

健人「杉崎がマネージャーかぁ…ちょっと勿体無い気がするけど、杉崎がそうしたいならオレは…いいと思う…ってか、嬉しい…かも…!」

彩香「え…?」

彩香は健人のその返答を聞き、健人の夢を応援したいという気持ちはますます大きくなった。
彩香は健人とのこの会話をきっかけに、テニス部に入部するよりもバスケ部のマネージャーになりたいという気持ちがさらに強くなった。

健人「あの時はどうしようかと思ったよ!」

彩香「そうだね…!あれはビックリしたよね…!」

中学校の頃のことや部活のこと、更には小学生の頃の思い出話など、幼なじみの彩香と健人の会話は弾み、いつしか止まっていた2人の時間は緩やかに動き出し、やがて夕陽に照らされた影はいつの間にか一つになっていた…。
ずっとこの時間が続いてほしい。
彩香はそんな風にさえ思ったが、とうとう彩香の自宅前に到着する。彩香は名残惜なごりおしさを感じながら足を止めると、健人はそれとほぼ同時に自分の自転車に乗った。

健人「それじゃあ、また明日!じゃあな!」

彩香「うん!健人くん、またね!」

彩香が手を振ると健人は自転車を漕ぎながら手を上げて答える。
(今度はいつ…話せるのかな…。)
彩香はそんな風に思いながら健人の後ろ姿をしばらく見つめていると、健人の自転車が急に止まった。

健人「また一緒に帰ろうな!」

振り向きざまに彩香に向かって健人は笑顔でそう言い放つと、自転車を漕いで帰っていった…。
 
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2022/07/09 22:35:06(MyUVyish)
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