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1:淫獣の餌食たち
投稿者:
ヨウスケ
「…でね、今回は急な転勤命令だったので、この子の会社の上司の方が、今アパートを探してくれてるの。一週間か十日ぐらいで
見つけると仰ってくれてるので、それまでここに住まわせてやって、お願いだから」 細い身体を何度も深く折り曲げて、俺の母親が自分の妹に懇願している。 六畳の居間で、俺と俺の母親の里美と叔母のれい子の三人が座卓を囲むようにして向き合っていた。 俺にとって五年ぶりに入る、叔母の家の玄関だった。 家の中全体に漂う上品な女的な空気の漂いに、そういえばこんな気持ちのいい匂いだったかというかすかな記憶があり、俺は何度 も鼻を啜らせた。 この家を訪ねてきてから、俺の母親はずっと細い肩をすぼめたままで、自分の妹に卑屈なくらいに今も平身低頭な動作を繰り返し ている。 叔母のれい子はというと、俺とは最初から意識的にか視線を合わそうとせず、無表情を装ったままだった。 しかし五年前の妖艶さは相変わらずで、愁いを含んだような切れ長の目と、かたちのいい唇に時の経過の変化は少しもなかった。 俺は勤務する警備保障会社から、叔母のれい子の住むこの街へ急な転勤命令を受けた。 テレビのコマーシャルも最近多い、名の知れた警備会社で、この街の営業支所で同時期に複数人の退職者が出たので、俺の他に 二名が旧居の派遣となったのだ。 急な転勤命令ということもあり、住むところは会社が目下手配中とのことで、それまでの間の仮住まいを、俺には何かと思い出 の多いというべきか、因果因縁の浅くはない叔母のれい子の居宅にすると自分でそう決めて、故郷の北陸の地方都市に住む母親に その旨を告げ、彼女から実の妹である叔母に頼んでくれるよう、俺が姦計的に企てだのだ。 この話は甥の俺から叔母のれい子に直接持ち掛けたら、絶対に受け入れてはもらえない無理に近い申し入れだったのだ。 そういう人には話せない忌まわしい過去が(俺には思い出の一つに過ぎないのだが)、俺と叔母の間にはあったということだ。 そして俺と叔母の秘めた関係を唯一知っている俺の母親も、俺からのその依頼には最初は驚き、強い拒否反応を示したのだ。 だが実の息子からのたっての頼み事だったのと、ある事情があって、母親は俺には最後まで拒めはしなかった。 母の正面に座っているれい子は、切れ長のきれいに澄んだ目をずっと俯かせたままで言葉も少なく、そして当然のように俺とは 視線は一度も合わしては来なかった。 「れ、れいちゃん、お願い。この子も随分と反省してるから。私の前であなたにちゃんと謝りたいというから、私もこうして一 緒に付いてきたの。ほ、ほら洋介。あなたもしっかりお詫びしなさい」 頭を深く下げたままの母親にせっつくようにいわれ、俺も姿勢を正して、 「どうもすみませんでした」 と神妙な声でいって叔母のれい子に向かって頭を深く下げた。 少しばかり長い沈黙の間があった後、叔母の口から静かに声が出た。 「お姉さん、もういいわよ。もう五年も前のことだもの。私ももう忘れたわ」 「そ、そう。ありがとう。そういってもらえると私も気が休まるわ」 母親が安堵の表情を満面に見せて顔を上げた。 「でも、この前話したように、娘の由美が離婚してから帰ってきているので、狭い四畳半しか室がないんだけど…」 と叔母はまた俺のほうを見ることなく、白いきれいな歯並びを見せて言葉を放ってきた。 「あ、俺は大丈夫です。どこでも寝れたら」 俺からそういって叔母の顔を見たら、細い顎を小さく頷かせただけで、視線はすぐに逸らされた。 叔母のれい子の住むこの市営住宅は小家族用に建てられていて、台所、脱衣兼洗面室と広くはない浴室と便所に、六畳二間と四畳 半だけの間取りで、五年前に俺が半年ほど居候していた時もその四畳半をあてがわれていたのだ。 「由美ちゃん、離婚したのは三か月前だった?大変だったわね。でも子供がいなかった分だけ、まだよかったのかも。真剣争いがな いだけでもねぇ」 母があまり慰めにもならないようなことをいって、そそくさとトイレに立っていった。 束の間、室の中は俺と叔母のれい子の二人だけになったが、案の定、叔母からの話しかけは何もなく、視線さえ合わしてはこなか った。 さっき俺の母親ないった、もう忘れたから、というのは間違いなく嘘だと、俺は心の中でそう思い、不謹慎にも顔を俯けてほくそ 笑んだ。 あれから五年という歳月が長いのかどうかわからなかったが、叔母と俺のあのころの記憶はまだ潰えてはいないということを俺は 確信した。 室に俺と二人きりの間、心なしか叔母のれい子の色白の顔が、かすかに朱色に染まっているように俺には見えた。 従姉の離婚話はここへ来る途中の電車の中で、母から聞かされていた。 二十七歳の俺より五つ年上従姉の由美は、中学高校で陸上部の短距離選手をしていたという記憶があるくらいで、俺にはあまり深 い印象はなかったが、母のれい子とは少し違って小麦色の肌をした健康的な美人顔で、長く伸ばした髪をいつもポニーテールにして いたような記憶がある。 その日の夕食は外出していた従姉も交じって、身内同士のちょっとした宴会になり、何年振りかに見た従姉の由美は肌の色も白く なっていて、どことはいえない妖艶さが滲み出た大人顔になっていて、俺は何故か少し驚き、そして少しばかり興奮した。 離婚したばかりだというのに、人災の色香というか、母親似のかたちのいい輪郭をした唇が、俺の不謹慎な欲情をかなりの度合い でそそってきていた。 その日は俺の母親も泊っていくことになり、さして広くはない市営住宅に住む叔母の居宅は、女三人男一人の人間で溢れ返った。 俺の母親と叔母のれい子と従姉の由美の三人は、女同士で話が際限なく盛り上がっていて、叔母のれい子も女同士の長話の中に入 り、屈託のない笑顔をを見せたりしていたのだが、途中で俺と目が合ったりすると、まるで冷水でも飲んだかのように表情を急に変 えたりして、何か二人だけの間の空気感が煩わしくなったので、俺は途中で四畳半に退散した。 狭い四畳半の真ん中に布団が敷かれていて、俺はすぐに寝転んだが、この狭い室にも女の香りというか、化粧スプレーを振り撒いた ような妙に刺激的な空気が漂っていて、眠気はすぐにはこなかった。 そして俺が宴席の場から退散してから一時間ほど経った頃、母親の里美が静かに室に入ってきた。 宴席の場を出る少し前に、俺は母の里美の耳元に卑猥な囁きを残してきたのだ。 「いいか、一度俺の室に来い。お休みのキスしてやる」 母親の里美は少し驚いたような表情を見せたが、細い顎をこっくりと頷かせていた。 母の里美は叔母に借りたのか年甲斐もなくピンクのパジャマ姿だった。 俺の寝ている横に座り込んできて、 「来たわよ。皆が久しぶりなんで、話がなかなか終わらなくて」 と言い訳めいた口調でいって、酒で赤らんだ顔を俺の顔に近づけてきた。 湯上りの後の女の化粧水のような匂いが俺の鼻腔を少し刺激した。 俺が里美の細い首に手を伸ばして引き寄せようとするまでもなく、自分から俺の唇を唇で塞ぎにきた。 里美の濡れた長い舌が俺の口の中に躊躇うことなく素早く押し入ってきて、妖しい蠢きを繰り返してきていた。 唇を重ね合いながら、ピンクのパジャマのボタンを外してやると、細い身体の割にはたわわな膨らみの乳房が現れ出た。 年齢の衰えはさすがに隠せなくて柔らかさしかない弾力だが、丸くかたちよく膨らんだ乳房で、左右ともに乳首がつんと突き出ていた。 片方の乳首を俺の太い指で転がすように摘まんでやると、母の里美は慌てて手を口に当てて、漏れそうになった喘ぎの声を堪えた。 「は、早く戻らないと…」 身体のどこかに欲情のスイッチが入ろうとしているのか、里美は俺が自分の子供であるということも忘れたかのように、唇に力を込めて むしゃぶりついてきた。 「オメコを見せろ」 嗜虐の気持ちが少し沸いた俺が短くそういうと、里美はすぐに俺から離れてパジャマの下とショーツを一気に脱ぎ下した。 俺も布団から起き上がり、里美の正面に胡坐をかいて座った。 両手両足を布団につけて背中を下にして、里美の身体が持ち上がった。 剥き出しの里美の下腹部の割れ目が、俺の目の前にあった。 母の里美のその部分にはあるはずの繊毛がなく、割れ目の襞の中の桜色の肉が垣間見えた。 「濡れてきてるぜ」 俺はその部分に顔をさらに近づけながら、意地悪く里美にいった。 「あ、あなたのせいよ」 と鼻息を少し乱しながら声を熱くして里美が喘ぐ。 ここに来る三日前、故郷の実家の浴室で里美は俺に、下腹部のその部分にあった繊毛を剃られていたのだ。 「俺のチンボが欲しいか?」 「あぁっ…で、でも」 「ここへ皆を呼んでやろうか?」 「だ、だめっ…ゆ、許して」 母の里美の無毛地帯を見て、俺はふいにあることを思い出した。 五年前のある日、俺は叔母のれい子のその部分を剃毛してたことがある。 「いいか、このままずっと無毛状態のままでいろ。それが俺を忘れない証しだ」 この言葉を叔母は果たして今も忠実に守っているだろうか? 五年も経っているのだから、まさかという思いのほうが強かったが、ここにいられる数日の間には確認しな ければ、と俺は妄想を強くしながら、目の前の母の里美の剥き出た下腹部に目を凝らした。 暫くして室の外から従姉の由美が里美を呼ぶ声がしたので、俺は早々に母を解放した。 明日からが楽しみだ…高まりくる興奮に全身を震わせながら、俺はいつの間にか眠りの中に落ちた。
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2021/06/28 16:02:08(SIA4dBFJ)
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