幼い頃から空手を習っていた私は、自分の身を守ることに妙に自身があったのかもしれない。
あの日はいつものように親友と待ち合わせをして、、柄にもなく浴衣なんてきて夏祭り会場に向かっていた。
(歩きにくい・・・)
そう思いながらも、ちょっと汗ばんできた体をうちわで仰ぎつつ・・
会場に着くとすごい人の数。
なかなか前へ進めない。
離れないように親友を気にかけながら、少しでも人の少ないほうへ移動した。
「美咲大丈夫だった??」
美咲とは親友の名前だ。
天然でおっとりしていて見ていて危なっかしくて、弱々しくほおっておけない存在だ。
美咲と私はまるで正反対。
私だって強いわけではない。だけど強がるのは昔から得意だった。