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1:この時期になると
投稿者:
美咲
◆0jh5kQhfUA
私は37歳で既婚、子供はいません。
職業は看護師をしています。 今でもこの時期になると、2年前に起こった出来事を思い出します。 その日は勤務先の忘年会でした。 楽しくお酒を飲んで、二次会の話になりましたが、私は少し飲み過ぎたこともあり一次会が終わった時点で帰ることにしました。 時間は11時過ぎだったと思います。 主人に迎えに来てもらおうかとも思いましたが、酔いざましも兼ねて歩いて帰ることにしました。 途中のコンビニで水を買おうと思い立ち寄ると、店の前でたむろしているガラの悪そうな少年たちが何人かいました。 私は気にもせず店に入ろうとしたら、その内の一人の少年にいきなり声をかけられました。 「もしかして美咲ちゃん?」 馴れ馴れしく話しかけてくる少年の顔を見ましたが覚えがなく、私が怪訝な顔をしていると、 「久しぶり!俺!俺! バイクで事故って美咲ちゃんの病院に入院してたコウジ!覚えてない? 何?飲み会の帰り?」 と続けてきました。 その言葉で少年のことを思い出しました。 彼はその年の夏場頃にバイクで転倒して足を骨折して私の病院に運ばれてきた患者でした。 入院中も病室に大勢の友達が来て大声で騒ぎ、他の患者さんたちに迷惑をかけていた問題児でした。 私は直接見てませんが、同僚の話だと深夜に病院の屋上で彼女らしき女性とHをしていたこともあったそうです。 私はあまり関わりあいになりたくなかったので 「ああ。コウジくんね。髪型が違うからわからなかった。 足のほうはもう大丈夫? こんなとこで夜遊びしてないで早く家に帰りなさいよ。」 と適当にあしらって、周りの友達が彼に、誰?知り合い?と質問しているのを聞こえないふりをして店内に入りました。 買い物をすませてコンビニを出るとまた彼が私の行くてを阻みました。 「今から俺らカラオケ行くんだけど、美咲ちゃんも一緒にどう? みんな美咲ちゃんに一目惚れしたみたいだし! もちろん俺らのオゴリで!」 20歳そこそこの年下の子供にカラオケ代をオゴってくれるからという理由だけで簡単に付いて行くほど私もバカではないので 「ごめんね。今から主人が迎えに来ることになってるから。」 と、咄嗟に嘘をついて、しつこく誘ってくる彼らから逃げるようにその場を離れました。 今思えばあの時本当に主人に電話すべきだったと思います。 コンビニから家までは徒歩だと40分ほどかかりますが、早足で歩き何度か後ろも確認しましたが彼らが追いかけてくる様子もなく安心しかけていた時、一台のワンボックスがハザードを点けて私の横に止まりました。 「あれ?美咲ちゃん!まだ旦那きてないの? 代わりに家まで送って行くから乗っていく?」 運転席から身を乗り出してコウジが話しかけてきました。 私はその時すでに身の危険を感じたので、 「大丈夫。もう着くから。」 と彼らの方を見ないようにして断りましたが、彼らはいつまでも私の歩く速度にあわせてノロノロと車を走らせてついてきました。 とにかくこの状況から逃れようと車が入れないような路地を探しましたが、見晴らしのいい直線の道路でどこにも逃げ場がありませんでした。 その間もコウジはずっと話しかけてきて、ガチャという音がしたかと思うと後部座席からコウジの友達の一人が降りてきて私の腕を掴んで無理矢理車に押し込もうとしました。 私は抵抗しましたが車の中からも腕を引っ張られ強引に後部座席の真ん中に両側から挟まれる形で座らされました。 「ちょっとコウジくん!自分たちが何してるかわかってるの!すぐに下ろして!」 「何してるって美咲ちゃんを送ってるだけでしょ? その前に一時間だけでいいからカラオケに付き合ってよ!」 コウジはニヤニヤしながらバックミラー越しに話してきました。 車の中には運転手のコウジの他に3人の男たちが乗っていました。 「カラオケは行かないって言ったよね?すぐに車を止めて!」 私は恐怖を感じていましたが冷静を装いながら彼らを説得しようとしました。 警察に通報も考えましたが、その時点で警察という言葉を出して無駄に彼らを刺激したくありませんでした。 それでも携帯電話で主人か誰かにすぐ連絡できるようにしておかなければならないと考えて、自分のカバンを探しましたが、私のカバンは隣に座る男がしっかりと持っていました。 「とりあえず、カバンを返して!」 「大丈夫!俺がちゃんと持っててあげるから!」 私の隣の男が言うとそれにあわせて他の男たちが下品な笑い声をあげました。 その時気づきましたが車の中はアルコールの匂いが充満していて彼らが相当酔っていることがわかりました。 私は必死で頭を働かせて何とかこの状況から逃げることを考え続けました。 私のその日の服装はワンピースの上にコートをはおり、足元は少しだけヒールの高めのロングブーツでした。 両隣の男が私の太ももを見ていることに気づいて慌ててコートの裾を引き下げてできる限り足を隠しました。 仮に車から逃げたとしてもブーツだと逃げ切ることも難しいし、例えスニーカーだったとしても若い彼らに勝てる気はしませんでした。 必用以上に抵抗して乱暴されるのも嫌だったので私は彼らの条件に従うことにしました。 「…わかった。一時間だけならカラオケに付き合うからそれが終わったらちゃんと帰すって約束して。」 私の言葉を聞いてコウジたちは、歓声を上げて喜んでいました。 私はカラオケに行けばトイレに行くふりをして逃げれるかもしれないし、とにかく店員や他人がいるところで乱暴されることはないだろうと考えていました。 「その前に主人が心配するから電話だけさせて。」 私は携帯電話を取り上げられている状況は不安で何とか手元に置いておきたかったので、隣の男からカバンを取り返そうとしました。 「じゃあ、俺が美咲ちゃんの代わりにメールしといてあげるよ!」 そう言うと勝手に私のカバンを探り、携帯電話を開いて主人にメールし始めました。 「ちょっと!何してるの!勝手に携帯見ないで!」 慌てて携帯を取り上げようとした私の手を反対側の男が素早く押さえつけました。 「大丈夫!俺メール打つの超早いから!旦那の名前これでしょ?少し遅くなります。送信っと!ほら超早いでしょ?」 そう言いながらあっという間にその男はメールを送信して携帯をまたカバンに放り込みました。 私は掴まれている手を振りほどいて両隣に座る男を睨み付けるしかできませんでした。 男たちは相変わらずニヤニヤと笑っていました。 どのぐらい車で走ったかわかりませんが、ふと窓の外を見ると街灯らしきものがひとつも見当たらず、カラオケ店がある繁華街のほうとは違うところに向かっているような気がしました。 「ちょっとコウジくん?こんなとこにカラオケなんてあるの?」 私は不安になって運転手のコウジに聞きました。 「あるよ!もうすぐ着くから大丈夫!」 他の男たちも笑いながら大丈夫!大丈夫!と繰り返していました。 車はあきらかに山の中の道を走り、それでも私は不安に押し潰されないように、この先にカラオケ店があるはずだと自分に言い聞かせていました。 しばらくして少し開けた空き地のような場所に車が止まり、コウジが 「とうちゃくぅ~!」 と言ってサイドブレーキを引きました。 私は自分の置かれている状況を認めたくなくて虚勢を張りました。 「何いってるの?お店なんかないじゃない?」 「お店はないけどカラオケはできるよ!」 「ごめん!言ってる意味がわからない!カラオケ行かないならすぐに下ろして!」 そう言って無理矢理ドアを開けようとしたら両隣の男たちに腕と足を押さえつけられました。 「歌うのは美咲ちゃんだけだけどね!」 その言葉とコウジの表情で私の頭の中に最悪の結果が浮かび上がりました。
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2014/12/10 09:54:40(Nmai3.qx)
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