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込み上げてくる笑いと、どこか麻痺したような倦怠感。
顔につたう冷や汗と、固くなりっぱなしの下半身。 肩で息をしながら時計を見ると、もうすぐ昼休みの終わりを時計の針が指していた。 頭のなかで回想する。 人が戻り始めるオフィス。 決まってこのくらいの時間に席に戻ってくる女上司。 右手にコーヒーを持ったまま、座るより先に付箋に気付くだろう。 左手で黄色い付箋をむしり、その記名のない内容に舌打ちする。 ただ13時10分D会議室とだけしか書いていない内容に、その表情は怒りに赤くなっているかもしれない。 エレベーターを呼び出し、あの、いつもの歩き方で乗り込む、、、 アゴを引き、胸を突きだし、自信とプライドに満ちた力強い歩き方。 廊下に出て、隣の会議室に忍び込みながら振り返ると、ちょうどエレベーターが上がり始めたところだった。 会議室の扉を閉めながら、回想は進む。 両手を前に組み、少しイラつきながら階数表示を睨む。 扉が開くよりも早く歩き始める。 廊下に響く、ヒールで床を踏みつける音。 会議室の前で足音は止まり、扉が開閉する。 絶句、、、だろうか? 物音は全くしない。 声も聞こえない。 もちろん、逃げ去る音も無い。 いつの間にか、込み上げてくる笑いは消え失せ、代わりに体の中を、ドロドロとした感情が渦巻いていた。 一分が、一秒が長く感じた。 体の熱さに耐えきれず上着を脱いだ。 ネクタイを緩めながら大きく息を吐き息を整える。 右足を前にだし、扉のノブに右手を掛ける。 汗ばんだ手でゆっくりと扉を閉め、隣のD会議室の前に。 頭がくらくらする。 何度も大きな息を吐き、ゆっくりと扉を開けていく。 そこには、想像や期待を越えた光景があった。 部屋の真ん中。 床にひざまづく女。 高そうなグレーのスーツに身を包み、大きすぎる胸は、その粗い息の動きに会わせて上着を上下させている。 女の顔には茶色い紙袋。 紙袋に空いた穴から、赤い口紅の唇が見えている。 唇は少し開きぎみで、肩が上下するほどの息を小刻みに出している。 扉が閉まる小さな音に、女はビクッと反応し、、、、けれど逃げるでもなく、ただひざまづいていた。 ゆっくりと、一歩ずつ近づく。 紙袋に手をかける。 両手で女の頭を、顔を、アゴを、確かめるように全部に触れていく。 紙袋がガサガサと音を立てながら、女の顔の形に沿って潰れていく。 紙袋越しにも女の顔が上気しているのがわかるくらい、熱く感じた。 顔の形に潰れた紙袋は、まるでマスクだ。 右手で頭を押さえながら、左手でチャックを下ろす。 固くなったチンポを掴みだし紙袋の穴に近づける。 薄く開いた唇は簡単に開く。 先が唇に隠れたあとは、腰をつきだすだけで簡単に、、、突き出せば突きだしただけ、口の中に飲み込まれていく。 唇が腹の肉に付いたのを見て、今度はゆっくりと腰を引く。 なんの抵抗もなく、何度も繰り返していく。 部屋の中には唾液の音と、紙袋の擦れる音だけが響く。 グチュッと音を立てる紙袋の穴を見下ろし、唇が腹の肉に付いた後もさらに力を込めると、鼻の頭が陰毛にうずまった。 先が喉に、、、その丸い輪郭に収まるのを感じながら、便器と呟いた。 ビクッと反応した。 まるでようやく意識を取り戻したかのように、、、ようやくタガが外れたように、女の口のなかが動き始めた。 便器と呼ぶ声が、その言葉が、まるでスイッチのように女を替えた。 抵抗が無かっただけの穴は、自分から吸い付き貪り始めた。 舌は絡み付き裏の筋を舐め、唇は吸盤のように吸い付いてきた。 夢中で穴にピストンした。 両手で頭を掴み、固定したまま腰を前後に振った。 腰を引くと赤い口紅の唇が、吸い付き伸びて卑猥な光景だった。 腰を突き出すと、舌が筋に絡み付いてくる。 アゴに垂れる唾液が紙袋を濡らす。 卑猥な音が、、、膣にするときと同じ音が部屋のなかに響く。 グチュ、、、グチュ、、、グチュ、、、 ---------- ---------- ---------- ---------- ---------- たしか、廊下を歩いている間、私は怒っていた。 用件が何であれ、そこに居るのが誰であれ叱責しようと考えていた。 自然と、踏む足の力も強くなっていたと思う。 しかし部屋のなかに入った瞬間、、、その光景を見た瞬間、頭の中の全てが飛んだ。 心臓が締め付けられ、血の気が引き、汗が噴き出した。 倒れこみそうになり、数歩だけ前に出た。 部屋の中央に落ちている紙袋が目に入った。 その紙袋に穴が開けられているのを見て、自分がするべき事を理解した。 不思議なほど疑問は湧かなかった。 部屋の光景が全ての答えに見えたし、その時の意識は、あの名無しの付箋がまるで命令のように感じていた。 私が何かを知っている男からの、私がどんな女か知っている男からの命令。 紙袋をかぶりながら、視界に入る光景は不自然なほど明るかったが、それでもあの部屋でしかなかった。 どうなるんだろうと考えていた。 頭の中の半分は麻痺し、残りのほとんどは回想を、、、ラバーマスクに包まれながら体験した誰かの形を思いだし、舌に感じた感触や匂いを思いだし、乱暴なピストンを思いだしながら、今から何がおこるのかと考えていた。 けして不安や恐怖感ではなく、、、呆けたような意識のなかで、、、 紙袋の中は暑く、自分の鼓動がうるさかった。 扉の閉まる音が、一瞬だけ私の意識を醒まさせたが、近づいてくる足音が、また意識を麻痺させた。 私の意識は、完全にあの部屋の中にいた。 もちろん、今が平日の昼間だとは理解している。 この場所が職場の会議室だと理解しているが、目の前で響くチャックを下ろす音に感じた感情は悦びだった。 頭が掴まれた。 男の手が顔をなぞる。 紙袋の擦れる雑音のなか、触れる乱暴な手に快楽の声をあげてしまいそうだった。 男の汚れたときの匂いを感じた。 唇に触れたので口を開いた。 なにも言わず、当然のように入ってくる。 頭は掴まれたままで動かせないのに、舌の上を奥に、ゆっくりと移動していく。 熱い 喉の奥に当たる頃、唇が毛に埋もれた。 喉がゆっくりと解放されていく。 次に喉を塞がれた時は、鼻が押し付けさせられるくらい押し込まれた。 深く、浅く、何回も口の中を往復する男。 聞こえてくる荒い息。 頭を掴む手が少し痛い。 私の口が穴として使われる音で充満していく紙袋の中に「便器」と、声が聞こえた。 かろうじて残っていた理性は、それを聞いた瞬間に消滅した。 私は自分から吸い付き、喉を塞がれたら舌を動かした。 うまく息継ぎができないまま吸うから唾液が垂れた。 ガツンガツンと喉を叩かれる。 鼻が詰まる。 苦しいのに、擦られる喉が気持ちいい。 顔が、掴まれたまま、まるでお腹に叩きつけられるみたいに揺さぶられ、体が倒れそうで無意識に男の膝を掴む。 自分から吸い付く私が、今度は抱きついてきたと勘違いしたのか、、、それとも安定してやりやすくなっただけか、、、男の腰はさらに乱暴なピストンをし始める。 今、男がどんな目で見てるか、、、どんな顔で見下ろしているか、、、見えないけど知っている。 あの目だ。 あの表情だ。 卑猥なモノを見る目。 攻撃的で勝ち誇った顔。 軽蔑と欲情の混じったあの表情で、上から見下ろしている。
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2012/03/05 10:59:42(8vb/aaJT)
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