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1:女校長 2
投稿者:
サワキ
「あ、あなた、村井君ね?ど、どうしてあなたが亜季を…」
「………!」 相手は少しの間だけ無言だったが、 「ばれたんじゃあ仕方ないな。そうだよ、あんたの大事な一人息子のお友達 だよ。その俺がどうしてあんたの娘を拉致してるってか?」 村井は玲子に招待を見破られても、それほどに臆することもなく、彼女の知 らない事情について、半ば得意気な口調で話し出した。 十日ほど前に、村井たちグループを訪ねて亜季が予備校に唐突にやってきた という。 村井の他にもう二人いて、三人を亜季は近くの喫茶店に誘い、孝之の室での 喫煙の注意をしてきたというのだ。 その前に亜季は、予備校の講師の何人かにも村井たちの素行について聞き及 んでいたらしく、如何にも教師然とした上から目線の注意の喚起の言葉に、村 井たちは完全に切れたといった。 その場はふてくされながらも、一応詫びの言葉をいって別れたが、どうにも 腹の虫が収まらなかった三人は亜季への報復を思い立ったのだという。 翌日の夕方、今度は村井たちから亜季の学校に電話して、孝之が友達のアパ ートで急に気分を悪くして倒れたと嘘の連絡を入れ、彼女を呼び出したのだ。 そこで三人は待ち構え、不安げにドアの中へ入ってきた亜季に襲いかかり、 暴力的に犯し辱めたというのだ。 目が眩みそうになるくらいの卑劣極まりない出来事を、村井からふざけたよ うな口調で聞かされた玲子は、握り締めていた受話器を何度か落としそうにな るくらいの衝撃を受けた。 「あんたの娘さんさ、最初は必死に抵抗してたけど、その内に女らしく気分 出してきてさ…最後なんかよがりまくってたぜ。あれは男を知ってるよがり声 だったよ」 激しく打ちひしがれている玲子にさらに追い討ちをかけるような、村井の嘲 笑を込めた無残極まりない話に、彼女は何度も耳を塞ぎたくなるような思いに 駆られた。 「でさぁ、娘さん今日の朝からも俺たちに抱いて欲しいっていって、のこの ことやってきてるわけよ。そしたら今度はお母さんをここに呼んでほしいって 要望されたんで、こちらへお母さんきてもらえませんかねぇ」 亜季からそんな話が出るわけはないというのは、玲子には当然わかりきって いた。 それより何よりもいまも娘の亜季が、どこかで狂った狼と化した男たちから 陵辱を受け続けていることのほうが、母の玲子にとっては身に詰まされる逼迫 の事態だった。 ここで電話越しに、村井を言葉で責め立てている猶予などない。 一刻も早く、娘を救いに行くしかなかった。 「わ、わかったわ…どこへ、どこへ行けばいいの?」 事態が事態だけに、事を公にして娘を傷つけるわけにはいかない。 自分が教育者としても、また子を持つ一人の母としても、単独で動いて内密 裏に解決を図るしかないと、玲子は大きな動揺の気持ちの中で決断した。 村井から訪問先を聞いた玲子は、取るものも取り敢えず慌てふためくように して家を出た。 二階のの自室にいる孝之には何も告げなかった。 私鉄に乗って二つ目の駅で降り、さびれた駅前商店街のアーケードを通り抜 けたところに、目指す建物はあった。 それほど古くもない鉄筋コンクリートの三階建てのアパートで、二階の二百 五号室が村井の居宅ということだった。 その室のドアの前で玲子は少し立ちすくみ、蒼白な顔で深く大きな息を吐い た。 中に入って見るに堪えない無残な光景を見たとしても、自分は冷静であらね ばならないと気持ちの昂揚を抑えるのに、かたちのいい唇を強く噛みしめて玲 子はチャイムボタンを押した。 ドアが開いて中に見覚えのある男の顔が見えた。 派手な色のTシャツとジーンズ姿の村井だった。 「どうぞ中へ…」 そういって村井は村井は自分から中のほうへ引っ込んでいった。 煙草と男の饐えたような汗の臭いが入り混じった空気が、緊張感一杯の玲子 の鼻腔をついていた。 狭い玄関口には男物の靴が何足も雑然と脱ぎ散らかされていて、隅のほうに 娘の亜季のものらしい女物の靴が一足揃えて置かれていた。 玲子は靴を脱いで、ゆっくりと短い廊下を歩いた。 八畳ほどの広さのダイニングキッチンが突き当たりにあった。 若い男の住む室らしく床のカーペットの上には、衣服や雑誌の類が散乱して いて、小さなガラス製のテーブルと長いソファが中央にある。 そのソファに村井一人が長い足を放り出すようにして座り込んでいた。 ダイニングの左に隣室への扉が二つあった。 「亜季、亜季はどこにいるの?」 室の入り口のところで立ちすくんで、玲子は村井に向かって詰問した。 どちらかの隣室から人のいる気配がしていた。 「まぁ、お母さん、そんなに身を固くしなくてもいいですよ。こちらへどう ぞ座ってください」 村井は悠然とした表情で、口に咥えた煙草の煙りを吐き出しながら、玲子を ソファに座るよう促した。 いますぐにでもどちらかの室の扉を開けて、娘の身を確認したいという衝動 は玲子には当然あったが、先ずはリーダー格の村井を説諭説得するのが第一義 と考え、ソファの端に腰をゆっくりと下ろした。 「あ、あなたたち、こんなことしてただではすまないことなのはわかってる の?」 「どうなるのかな?俺たち」 「どうなるって、こんなこと犯罪じゃないのっ!」 「表沙汰になったらね…」 「どういうこと?」 「だから表沙汰になったら、俺ら警察に逮捕されるんでしょ。…でもそうし たらあんたの娘さん、結婚前に大変な傷ものになって、お母さんの仕事にも影 響出るんじゃあ?」 「こんなことそのまま看過できることじゃないでしょ!」 「いいよ、そうなったって。俺らはどうせ未成年扱いで世間には名前も出な いんだから。でも娘さんはそういうわけにはいかんでしょうが?」 「…こ、このまま娘を返してくれるのなら、わ、私もあなたたちのことは口 外はしないわ。一度の不徳の過ちとして忘れます」 「ふふん、これが自分の娘じゃなかったらすぐにでも事件にするんだろうに な。…教育者としては感心できるセリフじゃないね」 「……‥」 その時だった。 隣室から一際高い悲鳴のような女の声が聞こえてきた。 娘の亜季の声だった。 玲子は慌ててソファを立ち上がり、声のする室の扉の前ににじり寄った。 数秒の間のためらいはあったが、玲子は扉を静かに開けた。 畳の室の中央に布団が敷かれていて、そこに三人の人間が蠢いていた。 二人の裸身の若い男が布団に膝を立てていて、その間に全裸にされた女が犬 のように這わされていた。 女の高く突き上げられた臀部のあたりに、男の一人が密着するように剥き出 しの下腹部を寄り添わせていて、もう一人は女の顔の前で同じように下腹部を 曝け出していた。 そして女の口が男の下腹部の突起物にを深く咥え込んでいる光景だった。 「………‥!」 玲子はすぐには発する言葉もなく、その場に釘付け状態にされたように立ち すくんだ。 何をどうすればいいのかがわからなかった。 娘の亜季が二人の男に犯されているのだと思った。 しかし、亜季は母の玲子がドアを開けたことも気づかないように、口で男の ものを貪り含み、下腹部の中心を男のもので刺しつらぬかれているのだった。 全裸の亜季のはしたない所作や卑猥な下腹部の動きには、拒絶しているよう な抗いの姿勢は、まるでどこにもないような感じに見えた。 さらに亜季に下腹部のものを咥えさせている男の両手が、剥き出しのままの 娘の乳房をわし掴むようにして揉みしだいているのが見えた。 「あ、亜季っ!」 玲子は絶叫するような甲高い声を上げて、室の中に押し入ろうとした。 「あっ…」 すぐに背後から、誰かに両腕を肩越しに回されしがみつかれた。 村井だった。 「な、何を…」 玲子は慌ててそれを振り払おうとした。 背後から回された村井の手が、玲子のブラウス越しに露骨に乳房をわし掴み にきていた。 強い力だった。 「あんたを犯すのが、今日の俺たちの狙いなんだよ」 耳元で村井の声を聞かされ、玲子は再び愕然とした思いに駆られたが、小柄 で華奢な女の力ではどうにもなりはしなかった。 村井の強い力の前になすすべもなく玲子は、もう一つの室の扉の中へ引き摺 り込まれてしまった。 壁の隅にベッドがあるだけの六畳ほどの洋間だった。 そのベッドの上に投げ出されたかと思うと、すぐに玲子は両手両足をそばに 用意されていた紐のようなもので括られ、そのベッドの四隅に固定されてしま った。 「な、何をするのっ!や、やめなさい…!」 玲子はベッドの上で完全に体の自由を束縛されてしまった。 恐怖とおぞましさと恥辱感の入り混じった蒼白な顔で、それでも玲子はそば で嘯いて立っている村井に向かって、 「す、すぐに放しなさいっ!」 と毅然とした言葉でいった。 「お母さん、いま見たでしょ。娘さんはもう俺たちに犯されている感覚じゃ ないんだよ。俺たちの間にはれっきとした合意がある。これからね、お母さん との間にも友好的な合意が持てるように努力したいと思うから、これから協力 してよ」 村井は寝てる小さな子供をあやすように腰を下ろして、玲子の蒼白の頬に手 を当てながら囁くようにいった。 「あんまり大声出したりすると、隣りの娘さんに聞かれるから静かにしてた ほうがいいよ」 つづく
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2010/04/01 13:55:30(TKDShXX7)
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